ジェフ・フリーマンのRPGコラム"Ack!"



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心にうつりゆくよしなしごと
Random Thoughts



著者:ジェフ・フリーマン(Jeff Freeman)
翻訳:馬場秀和



 サンディ氏が書いているコラムのタイトルを見ると、こいつは、少なくとも半分はフェレンギ人に違いないと思える。残り半分が何かはともかく。

 コンピュータヲタクによる定義:フェレンギ人とは、君が自分のスペルチェッカーの辞書にユーザ登録している言葉だよ。(訳注:フェレンギ人は「スタートレック」に登場する商魂たくましい種族のことだと思うんだが、何か裏の意味があるのかも知れない)

 まだちゃんとしたSF-RPGは存在しないのだろうか? 「ちゃんとしたSF-RPG」というのはさ、宇宙船の乗組員であるPC全員が楽しめるくらい複雑なのに、気の毒なGMが何とか敵側の宇宙船(または艦隊)を一人で処理できる、そんな宇宙戦闘ルールがあるSF-RPGのことだよ。

 PC側と敵側でルールを変えてみたらどうかな。PC側の宇宙船は、宇宙戦闘の最中に様々な操縦が必要なのに対して、NPC側の宇宙船は単に移動と砲撃を繰り返すだけ、とかさ。

ふむふむ。

 ところで僕はまたゲームバース(GameVerse)ウェブサイトに行ってきたよ。やっぱすげー良さげな感じなんだけど、でもあれもどうしようもないよな。何がやりたいんだろうね。あそこはゲームをプレイする場所なのか、それとも探検すべき世界を提供しようというのか? そういや結局のところウインドウズってアップグレードした方がいいの?

 でさ、ときどき「一緒にRPGをプレイしましょう」という電子メールをもらうんだけど、あれってわけわかめだよね。君たち、馬鹿?

 実のところ、僕は新しいグループに参加したいとは思っている。でもGMは嫌だ。仕事が多すぎるし。あと僕のうちに来ちゃ駄目だよ。それでよければ、一緒にRPGをプレイしてもいいな。トラベラーのカニ星人(訳注:ハイブ人だってば)のキャラクターやっていい?

 マスターリングって、結局のところ、「プレーヤーに目標を与え、とにかく彼らがその目標に向かって進むようにする」って要約すれば、「完全に」説明したことになるかな? だったら簡単だよな。

 でも違うよね。

 何でみんないっつも「ロールプレイング」と「しゃべり過ぎ」を混同するのかな。「イエスかノーか」と質問されたら、ロールプレイしてたって、たいていイエスかノーと答えるべきだよね。

 大抵のSFゲームでは、参加者は何時間もかけて「計画」とやらを議論するけど、行動を起こしてから5分後には「計画」なんてダメダメになっちゃうでしょ。で、みんな銃を乱射し始めるわけだ。

 これに対して、大抵のファンタジーアドベンチャーゲームでは、今でも「洞窟に入って敵をぶっ殺す」というのが主流だし、いつもそれが「計画」なんだよね。

 ときどき、僕はバックロジャーズRPGをプレイしたいという不思議な衝動に駆られるんだ。

 僕はもう最近のゲームはやりたくないよ。良いゲームは古い奴ばっかりだ。そういうゲームにはゲロゲロなルールシステムが付いていて、誰もがごく当然のこととしてもっとマシなハウスルールを作って遊んだものだ。

 もっとも『FUDGE』だけは違うね。「このゲームのデザインは未完成だよ」と自慢してるもんな。しかも素敵なことに、絶対に『FUDGE完成版』なんて登場しない。ここがポイントなんだ。

 ゲーム市場にはたっぷりクソゲーが流れているというのに、ゲームショップの棚の90%は、3つのゲームで占領されている。

 ゴシックパンクがクールだなんて言う奴にムカムカする以前に、そもそも僕はゴシックパンク自体にムカムカする。

 とは言うものの、僕はまだ刺青やボディピアスはつけてない。まあ、意図的につけてはいない。

 まあどっちにせよ僕はたぶん『ヴァンパイア』の第2版を買うことになるだろう。

 聞くところによると、いずれさらにもったいつけた第3版が出版されて、しかも内容が一新されるそうだ。何て横暴な!

 彼らのウェブサイトを覗いてみよう。

「『ヴァンパイア』は、子供だましでないテーマと、最先端のゲームデザインを持ったゲームであり、そのキャラクターは停滞していたゲーム業界に新しい風を吹き込んだのです」

 なんと、僕らのヒーローだ。彼らはゲーム業界を「救済」したのだ。

「さらに『ヴァンパイア』は、RPGとして初めてゴールデンタイムに放映されるTV番組(Kindred: The Embraced)になったことで、ゲーム業界の枠をも越えたのです」

 悪いけど、これにはちょっとびっくりだな。放映は5週くらい続いたのかな、それとも6週もったかしらん?

 ふふんっ

 彼らのウェブサイトをうろつくのは面白い。Fで始まる単語を数えてみるとか。

 他にもこんなのがある。

「ワールド・オブ・ダークネス、中でも特に『ヴァンパイア』は、まず第一にホラーRPGなのである。我々のゲームを“うぬぼれている”だの“もったいぶっている”だのと文句をつける人に私が言いたいのはこのことだ。レスタットは謙虚ではないし、人当たりが良くもないし、誰かに言いっぱなしにされたりしないのさ」

 でさ、レスタット本人があのRPGを作ったわけじゃないことを指摘する必要はないだろ? ついでながら、ホワイトウルフ社の連中が、幸いなことに、「本物のヴァンパイア」(守銭奴)じゃないことも。

 そもそも、わざとうぬぼれたり、もったいぶったりしているつもりなら、なんでわざわざ“うぬぼれている”だの“もったいぶっている”だの文句をつける人と議論するのかね?

 まあいいや、次いこ次。

 しばらくお待ち下さい。

 『トリニティ』はクールに見える。彼らがどうやってあの宇宙戦闘ルールでプレイするのかは分からないけど。でも前から僕がやりたいと思っていた「大宇宙のぶたぶた」キャンペーンに彼らの宇宙戦闘ルールを使えるかも知れないな。

 次だ次。

 くそ、プレーンラベルはポケットファンタジーについての僕の言葉「大人のオモチャと同じくらい楽しめる」というのを引用してくれると思ってたのになあ。

 でも、ホワイトウルフがこの表現を使ったことがあるのは間違いないと思う。

 まあ何だ、ぐだぐだぐだぐだ書いてきたけど、僕が言いたいのは、ゲーム市場にはあまりにも大量のクソゲーが流れているということなんだ。そして、インターネット上には、これら大量のクソゲーに関する大量のページが存在するということ。その大半は、クソゲーを出版している会社のホームページだ。

 でも、これらのページはクールに見えるんだな、これが。

 だいたい、僕たちは、本当に新しいファンタジーアドベンチャーゲームを必要としているんだろうか? 新しいSFゲームは? ってゆーか、そもそも新しいゲームって必要なの?

 古巣に戻ろう。RPGnetにアクセスしてみると、むむむ、新しい連載コラムが50本も追加されてるじゃないか。

 僕のコラムはどんどん短く、支離滅裂になってきている。大したもんだ。まあ、もともと理路整然としていることがウリじゃなかったしね。

 『ファースト・ラブ・ボート』が終わったと思ったら、今度は『ファンタジー・アイランド』か。ゲーム業界はどうやってTV番組に対抗するつもりなんだろう?

 ホワイトウルフ社に言っておきたい。この次にゲーム業界を救済するときは、どうか「ずっと」救済されたままになるようにしてくれと。


この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*land.linkclub.or.jpまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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