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『フルード・メカニクス ブループラネット宇宙におけるテクノロジーカタログ(Fluid Mechanics: Technology in the World of Blue Planet)』

著者:ジェフリー・バーバー(Jeffery Barber)、グレッグ・ベネージ(Greg Benege)、グレッグ・ポーター(Greg Porter)、他
カテゴリ:ゲーム
出版元:ファンタジー・フライト・ゲームズ社(Fantasy Flight Games)
シリーズ:『ブループラネット』
価格:23ドル95セント
ページ数:112ページ
ISBN番号:1-887911-11-1
SKU:02935
ジャンル:SF、遠未来、宇宙、スパイ、陰謀、破滅後の世界、西部劇
レビュー著者:エルトン・ロブ(Elton Robb)、2000年10月9日
レビュー翻訳:馬場秀和
レビュー翻訳者による『ブループラネット』紹介ページ
http://www004.upp.so-net.ne.jp/babahide/bpguide.html



 『フルード・メカニクス』は、ごく簡単に言うなら、『ブループラネット』RPGにおけるハードウェア、サイバーウェア、バイオウェア、乗物についてさらなる情報を提供するソースブックだ。要するに、あなたのキャラクターが購入できる未来製品のカタログだと思えばよいだろう。この点では、『シャドウラン』における『ストリート・サムライ・カタログ』と『シャドウテック』を合わせたような本だ、と言えば分かりやすいかも知れない。

 この本には、『ブループラネット』に登場するあらゆるキャラクターに向けたツールが載っている。GEOマーシャルの標準支給品であるピースメーカー(小型拳銃)、異星海洋生物学者のための最新鋭小型潜水艇。巨大企業のスパイが持つべき装備、ツアーガイドをやっているイルカが持つべき装備もある。もともと徹底的に詳しく設定された背景世界に、さらに詳細設定を加えるのがこの本なのだ。

 包帯から、ポセイドン特有の微生物に対する抗生物質まで、様々な負傷に対する最新医療装備も用意されている。

 最先端のサイバーウェア、バイオウェアはどうなっているかって? 神経加速チップ、サイバー知覚器、ホルモン制御、人工臓器をどうぞ。もっとスピードを出したいイルカのあなたには、ヒレの形状最適化と筋肉強化のセットコースが用意されていますよ。

 もちろん武器のカタログもある。ダイヤモンド薄膜コーティングナイフ、音響スタンガン、中には最新の催涙ガス(強盗に襲われたときには、シューッとひとふき)なんてものまで載っている。

 乗物についても、潜水艇からホバークラフト、宇宙船まで、『ブループラネット』宇宙で購入し乗り込むことの出来るものはひと通り揃っている。

 それから、サイバーウェアやバイオウェアの社会的位置づけについての説明もある。サイバーウェアは“不自然な”生体改変だと見なされている。人類は別に気にしないが、クジラ類はサイバーウェアを信用していない。バイオウェアは逆だ。人類は遺伝子操作に不信感を抱いているが、イルカやオルカは遺伝子操作による生体改変を“自然な”ものとして受け入れている。

 まとめてみよう。『フルード・メカニクス』はブループラネット宇宙を拡張するものだ。この本によって、プレーヤーキャラクター達がポセイドンで生活し、身を守り、生体改変を行い、戦闘するときに、使えるテクノロジーの種類が大きく増加する。この本は役に立つが、必ずしも全てのキャンペーンに必要だということはないだろう。

完成度:3(まあまあ)
内容 :4(粋でもうしぶんない)


この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*land.linkclub.or.jpまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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