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『ブループラネット(Blue Planet)』

著者:ジェフリー・バーバー(Jeffery Barber)
カテゴリ:ゲーム
出版元:バイオハザード・ゲームズ社(Biohazard Games)
レビュー著者:ジェイソン・クチャラウィ(Jason Kucherawy)、1997年8月23日
レビュー翻訳:馬場秀和
レビュー翻訳者による『ブループラネット』紹介ページ
http://www004.upp.so-net.ne.jp/babahide/bpguide.html



 『ブループラネット』は、バイオハザード・ゲームズ社の2番目の製品だ。今年のジェンコン会場で、バイオハザード社のブース前をぶらぶら通りすぎようとしたとき、この製品が私の目にとまったのである。私がそれを手に取ったのは、表紙の絵がきれいだったからだ。その絵は、海底洞窟の中を3体の海棲エイリアンが物憂げに漂っている、というシーンを描いた神秘的な海中風景画だった。私はジェフ(デザイナー)とグレッグ・ベンネイジ(執筆者の1人)と15分くらい話してから、そのゲームを購入した。彼らの言うところによると、『ブループラネット』は子供向けのゲームではなく、他のゲームの良いところを全て取り込んだ上に、それらを見事に統合した背景世界を作り上げているとのことだった。

 このゲームの背景世界は「ポセイドン」という惑星だ。ワームホールを経由することで、そこには地球からわずか6カ月で到達できる。「ロング・ジョン」を捜し求める探鉱者が続々と地球から移民してくるために、ポセイドンはある種の「ゴールドラッシュ」状態となっている。ロング・ジョンというのは鉱物の一種で、それが不老不死の鍵を握っていることが判明したのだ。

 ほとんど無法状態の惑星でロング・ジョン鉱脈が発見され、それをめぐって企業間で戦争が生じている状況なので、ここでは冒険のネタに困ることはない。この設定は、色々なジャンルの要素を実にうまくミックスしてある。『ブループラネット』は、サイバーパンク、映画『ウォーターワールド』『アビス』、西部劇をミックスしたものだ。そこには、精神障害、知性化されたイルカやオルカ、遺伝子改造を受けた人間(エラ呼吸したり、手足に水かきが付いている者もいる)、開拓者、海上浮遊都市、南国の島々、途方もない暴風雨、政府や企業の陰謀、エコテロリズム、そして沢山のミステリーが含まれている。

 『ブループラネット』の背景世界についてはとても詳しく書かれているが、それでも答えが与えられてない謎がいくつも残されている。いずれ、ソースブックが何冊か出版されれば、ポセイドンの秘密が明らかにされるだろう。ルールシステムを規定しているページ数は多くない。大半のページには設定情報が詰め込んであるのだ。だから、あなたが他のゲームのシステムを使ってブループラネットをプレイしたいと思うのであれば、このルールブックはお買い得だということになるだろう。

 このゲームは、背景世界に対してリアリティ、精巧さ、真剣な冒険を求めるSFゲーマーにうけることは間違いない。私は、自分では「ことRPGに関しては、ちょっとばかりうるさい奴」だと信じているのだが、表紙を見ただけですぐに『ブループラネット』のファンになってしまった。ずっと「最高の背景世界」を探してきて、ついに答えを見つけたのだ。あなたも急いで『ブループラネット』を読んでみたまえ。決して失望することはないだろう。

完成度:4(よく出来ている)
内容 :5(最高!)


この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*land.linkclub.or.jpまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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