今年も去年に引き続き,青梅マラソンの30キロの部に申し込みしました。仕事が忙しく,去年の12月から今年にかけてほとんど走れなかったので,今回は棄権かなあと思っていました。でも今年に入ってどうしても走りたくなり,出場する事にしました。去年は結構練習して臨んだにも係わらず,25キロ過ぎから半分歩いてしまい,3時間15分でゴール。今年は去年ほど走っていないので,かなり不安です。
朝6時に起きて外を見ると,あまりいい天気ではありません。9時に食事を済ませ時間を待ちます。不安な気持ちを少しでも盛り上げ様と,ショルティ指揮ワーグナー序曲集のCDを聴く。まず最初は「さまよえるオランダ人」。うーん,完走できそうな気がしてきます。続いて2曲目は「タンホイザー」。うーん,3時間切れそうな気がしてきます。まあ音楽聴いてタイムが良くなる訳ないですよね。でもまあ,少しは不安な気持ちも飛んだでしょうか。12時青梅市役所手前がスタートなので,11時半に妻Mと家を出る。何と行ってもスタート地点まで歩いて10分も掛からない所に住んでいると言うのは強みです。
さて今回30キロの部のスターターは,何とあの長嶋前監督なんです。所定の位置に立ち12時を待ちます。さて長嶋さんが鳴らしたであろうピストルの音を合図に12時丁度にスタート。と言っても1万人以上が参加するこの大会,なかなか走り始められないんですよ。やっとスタートラインを通過したのは,スタートから5分位経過していました。さらにスタート地点には長嶋さんが立っているもんだから,ここで渋滞が発生してしまいます。オレンジ色のジャンパーを着込んだ長島さんが手を振っていました。各球団のキャンプ地を廻ったり,青梅に来りで忙しい人ですね。
青梅駅手前で前方を走るS子さんを発見。彼女は大学時代のクラブの後輩で,毎年青梅マラソンに出ているそうです。去年は3時間を切ったそうですから,ちょっと勝てそうな相手じゃ無いですね。それにしてはゆっくり走っています。練習不足だと言っていたから抑え目に走っているんでしょうか。私の方はそんな器用な走り方できないもんで,一声掛けて先に行く。宮ノ平付近の坂を登って降りて,太鼓の応援を聴いて,セントフローリア教会の前では,ウェディングドレス姿の二人の女性の声援を受けて順調に走る。何か去年とほぼ同じ様なタイムなのだろうか,去年と同じ場所で奥多摩行きの電車が横を通過して行く。
10キロ手前で,折り返してくる先頭ランナーとすれ違う。3人ほどのトップ集団の中に,ゼッケン6番の奈良修選手が見えました。大東文化大学時代,箱根の山道を走る姿が印象的でした。さて私にとってトップ争いなんて別世界の出来事ですからどうでもいいのですが,私の沢井付近の10キロ通過は1時間2分。スタート時のロスを考えるとちょっと飛ばし過ぎだろうか。御岳の駅を過ぎてからが長いですねえ。それでも何とか折り返し地点を過ぎて15キロ通過。このコースは折り返しまでが登り中心で,帰りが下り中心なんです。だけど帰りの途中に,二俣尾と宮ノ平の手前に急な登り坂があるんですよね。この坂が辛いんだ。
ここら辺に来ると道路脇で応援してくれる人達が,いろんな差し入れをくれるんです。氷砂糖,アメ,レモンの輪切り,バナナなんかを手に乗せて差し出してくれます。何か餌付けをされているペットの様な気分です。氷砂糖とレモンを貰いましたが,ちゃんと立ち止まって「ありがとうございます。」とお礼を言う。20キロ通過が2時間2分だったので,この10キロを丁度1時間で走ったことになる。でもここにきて急に右ひざが痛くなって,沢井の市民会館あたりで立ち止まってしまう。屈伸運動をしても直らない。そうこうしているうちに,22キロ付近で後ろから走ってきたS子さんに追いつかれてしまう。何とか着いて行こうと思ったのですが,全く着いて行けず。
ここからは走ったり歩いたりしながら,何とか3時半の規定時間以内のゴールを目指したのですが,ひざの痛みは増すばかり。宮ノ平の救護所でサロメチールを塗ってもらったのですが,ほとんど効果無し。あと5キロあるのに,もう時間がありません。青梅駅付近からは全く走れなくなってしまいました。時間内の完走は無理でしょうけれど,河辺まで戻るしかありません。ここら辺で歩いていると,沿道から「ガンバレ!」の声がやたらと掛かります。気持ちは判るしありがたい事なんですけれど,頑張れない時だってありますよ。そんなに責めないで。
青梅市役所前の最後の関門を通過できず,ここでゼッケンに付けられたIDタグを返却してジ.エンド。もうずっと歩いているんで身体が冷え込んできます。Tシャツに短パン姿ですから当然ですよね。気分は目一杯落ち込んでいます。「妻や子供に何て言い訳しよう。」,「来年はもう出るのよそう。」,「ホームページに何て書こう。」なんて考えながら,トボトボ長い道のりを歩いて帰って来ました。スタート地点で待っているはずだった妻Mの姿も見えません。まあ妻Mにしたって,こちらを探しているんでしょう。駅前で合流して,足を引きずりながら,家に帰り着きました。家が近いからいいものの,遠くから来ている人だったら大変でしょうね。
さて今回初めて途中棄権と言う経験をしてしまいました。途中までは順調だったんですが,やはり練習不足だったんでしょうか。呼吸は全く乱れる事が無かったので,右ひざの痛みさえ無かったら,と思うと悔しいですね。最後の3キロは情けなくてしょうがありませんでした。でも来年もまた申し込むと思います。充分に練習を積んで,今回の借りを返したいですね。最後になりましたが,青梅マラソンの関係者の皆様方,また沿道で応援して下さった方々,本当にどうもありがとうございました。また来年も宜しくお願い致します。