1977.06.18(土),19(日) 雨 上野(18:20〜21:49)長野原(07:00〜07:50)花敷温泉(08:05〜08:55)林道分岐(08:55〜09:15)原沢(09:15〜09:30)原魚沢出合(09:40〜17:10)スルスノ岩洞
一人の見送りの無い上野駅を寂しく出発する。長野原の駅ではステビバ不可との事で,仕方無しにバスターミナルで寒い一夜を送る。朝,二日間降っていた雨は止んでいたが,いまにも降り出しそうな空模様だ。花敷温泉からロードを始めるとすぐに,車が止まってくれて,大原の分岐まで載せていってくれた。ふみあとを辿って白砂川に降りる。かなりの水量だ。水は澄みきっていて,いかにも冷たそう。杖代わりに使う身長ほどの倒木を探してきて遡行開始。
いきなり徒渉の連続。腰近くまで水に浸かる為怖い。ちょっと間違えば,すぐ流されてしまいそうだ。おまけに雪解けの水が冷たく,徒渉を終えて岸に上がると,下半身が切り刻まれる様に痛い。木戸沢出合あたりから雨が降り出してしまう。雨具を着けたものの,すでにびしょぬれで寒い。猟師の沢出合のゴルジュ帯は,この白砂川唯一の悪場だ。車に乗せてくれた人も,沢登りに詳しい様子で,「猟師の沢に一旦入って高巻け」と言っていた。だが我々は本谷を真っ直ぐ進む。ずっと持ってきていとおしい感じさえする棒を捨てて,最初の滝を直登する。その際,倒木に頭を打ち付け,一瞬ボウっとしてしまった。
滝の上のゴルジュは流石に通れる気がしなくて,左岸をザイルを使って大きく高巻く。相当の緊張を強いられる。トップは小野君だったが,ルートの取り方はさすがだ。沢に下りて最初の徒渉が一番怖かったか。この先は悪場もなく,徒渉にも棒はいらなくなる。もう半分惰性で徒渉を繰り返す。スルスの岩洞に到着し,岩陰でビバーク。濡れたタキギを掻き集め,焚き火をして服を乾かす。セーター,オーバーズボン,ヤッケを着てシュラフカバーにもぐり込む。意外と暖かな夜を過ごす。
![]() 下流部は徒渉の連続だ。 |
![]() 猟師の沢出会い付近のゴルジュ帯 |
1977.06.20(月) 曇り スルスノ岩洞(05:50〜06:15)赤沢二俣(06:30〜07:25)国境稜線(07:45〜08:55)白砂山(09:50〜10:30)堂岩山(10:40〜11:30)地蔵峠(11:45〜15:10)花敷温泉(15:45〜16:20)長野原(17:23〜20:06)大宮
霧雨の中を赤沢を詰める。サイト地のすぐ上の沢の中に,カモシカの死体があった。うーん,この水を飲んでたのかあ。詰めのササヤブでビショヌレになり,稜線に出る。しっかりとした踏跡を辿り,上ノ間山を越え,白砂山に向かう。越後側は晴れているようで,時々佐武流山の方が望まれる。
白砂山山頂で昼食を採り,ダラダラとしたあまりいい道とは言えない道を下る。地下タビなので,足の裏が痛い。地蔵峠を経て林道に出るが,帰着連絡(12:00〜14:00 部室)に間に合いそうにない。車が止まってくれるのを期待して歩くが,振られ続ける。途中,大原の分岐で車が止まってくれて,花敷温泉に戻ってきた。
同行者(小野,村越,八木下)