1999.07.31(土) 晴れ 立川(07:23〜09:16)茅野(10:10〜10:40)美濃戸口(10:45〜11:50)美濃戸(12:00〜14:15)行者小屋
今年の夏休み1回目は7月31日(土)から8月3日(火)までの4日間。長男Tと2泊3日で八ヶ岳へ行く予定だ。4年前の乗鞍岳は雨,一昨年の白馬岳は台風,そして去年の立山も雨,と天気に恵まれない山行が続いている。しかし今年は梅雨明け以来,猛暑が続いており,天気に関しては大丈夫そうだ。台風が来ているが,九州のさらに西の方だし,本州への影響は無いだろう。
7時過ぎの特急あずさで茅野へ向かう。車内は山に向かう人が多い様だ。南アルプスへ行くのだろうか,甲府でかなりの登山者が下車していった。甲府盆地を過ぎると,左には甲斐駒,右には八ヶ岳が見えてくる。心踊る光景だ。茅野の駅は新しくなっており,昔の面影は全く無い。駅から離れていたバスターミナルも駅前になっており,美濃戸口行きは駅の真ん前だ。
![]() 行者小屋から見た赤岳 |
懐かしい美濃戸口のバス停からカラマツ林の林道に入る。結構車で来ている人が多い様で,駐車できそうなスペースは車で埋まっている。思ったより早く美濃戸に到着。昔泊まった事のある美濃戸山荘も新しく建て直されている。何か全て変っている。もう20年以上前の事だから,当たり前か。山荘の前からは,阿弥陀岳のスマートな姿が望まれる。人造物は変っても,山は変っていない。 コーラを飲んで登山道に入る。今日は行者小屋泊りだからゆっくりだ。途中出合った夫婦は,時間的に早いから稜線まで登ってしまうと言っていたが,ビールでも飲んでのんびりしたい。徐々に稜線が見え始めると,程なく行者小屋に到着。高校1年の夏以来,何度ここに泊まっただろうか。もっとも小屋ではなくてテントではあったが。土曜日なので混むのだろうか,小屋内ではやたらと詰め込まれる。 同室になった茨城と静岡のオヤジと飲んで時間を過ごす。5時からの夕食はシチューとソーセージ。食後ウトウトして,目を覚ましたら8時。思ったより宿泊客が多くは無かった様で,長男Tも他の者も,勝手な所の蒲団に寝ている。外に出てみると満天の星空で,北斗七星が手に取れる様だ。何となく目が冴えてしまい,ラジオを聞きながら11時近くまで飲んでしまう。野球は巨人8−4広島。高橋が2本のホームランを打ったそうな。 |
1999.08.01(日) 晴れ 行者小屋(05:50〜07:50)赤岳(08:15〜09:50)キレット小屋(10:00〜11:35)権現岳(11:40〜12:50)青年小屋(13:10〜15:00)観音平(15:25〜15:45)小淵沢
二日目もいい天気。阿弥陀岳の上だけ日が当たっている。納豆と卵焼きの朝食をとって6時に出発。阿弥陀岳経由で行こうかとも思ったが,後半の行程を考慮して文三郎道を登る。さすがに急な道だ。森林限界を過ぎたあたりで腹が痛くなってくる。周りには用を足せそうな場所も無いし我慢するしかない。稜線に出るとコマクサが一杯咲いていた。コマクサ見るのなんて久し振りだ。しかしそんな事よりも腹痛の方が切実な問題。 赤岳頂上まではほとんど岩場なのだが,登山者が多く時間が掛かる。かなり上部の岩場に一匹のカモシカが居たのには驚かされる。一体何をしているのだろうか。頂上到着と同時に赤岳小屋のトイレに駆け込む。こんな時に限って靴紐が中々ほどけない。甲州側には雲海が広がり,富士山が顔を覗かせている。信州側には雲が無く,諏訪湖が望まれる。梨を食べて頂上を後にする。 岩場を戻り,権現岳への道に入る。登山者の多くが赤岳周辺に集中し,こちらの方へ向かう人は少ない様だ。そういう僕も,何度も八ヶ岳に来ているのにも関わらず,権現岳は始めてだ。深いキレットを隔てて,その権現岳が望まれている。岩場が連続していて緊張を強いられる所だ。長男Tはどうも下りが苦手らしく,結構手間取っている。キレット小屋の横はコマクサの群落が見事だったが,最盛期は少し過ぎている様だ。 |
![]() これがコマクサです |
さてここから登りが始まる。ずっと下ってきただけにかなり辛い登りだ。いくつかの小ピークを越え,最後は61段の源治ハシゴを登る。何となく取り付いてしまったが,上の方はかなりの高度感が有り恐い。長男Tもかなり怖がっていた。権現岳の頂上に立った時には,甲州側から上がってきたガスで,赤岳は隠れてしまっていた。頂上直下の権現小屋でジュースを買って飲む。ここからは青年小屋が間近に望まれる。
![]() 権現岳への登りから見た阿弥陀岳 |
青年小屋到着は1時。小屋に入るにはかなり早い時間だ。迷わず下山をする事にして,簡単な昼食後,小屋を後にする。編笠山は諦めて巻き道を通る。巻き道と言っても,水平ではなく,かなり下っている良心的な道だ。編笠から直接下る道を合わせて,沢状の道をグングン下って行く。小屋番に言われた通り,小屋から2時間で観音平グリーンロッジに下山。ここはキャンプ場になっており,高校生らしきグループがテントを張っていた。 ロッジから電話でタクシーを呼ぶと,20分位で来てくれた。小淵沢まで歩くと2時間との事だったが,タクシーならあっという間。今日は8月最初の日曜日なので,帰りの電車の混雑は覚悟していたのだが,物凄い混みよう。通路に入るのが精一杯の状態であったが,幸運な事に二人とも甲府で座る事ができた。八王子で下車し,八高線経由で帰宅したら6時ちょっと過ぎ。早いもんだ。 家に帰ってから気が付いたのだが,かなり日焼けをしていた。特に首の周りが酷い。これでワイシャツを着るのは辛いが,休みは後二日あるから何とか収まるだろう。まあ今回は天気に恵まれたので,面白い山行だった。長男Tはどう感じただろうか。山の美しさや面白さだろうか,それとも怖さや辛さだったろうか。前者であると思いたい。まあ,息子との山登りも後何年続くだろうか。 |