2000.07 両神山

7月20日(木) 曇り時々晴れ  青梅(06:00〜08:30)落合橋(08:40〜10:40)両神山(11:10〜11:35)東岳(11:40〜12:30)西岳(12:50〜13:30)八丁峠(13:40〜14:15)落合橋(14:40〜17:15)青梅

 8月上旬に出掛ける北アルプスのトレーニングを兼ねて,長男Tと両神山に登る。この山は日本百名山の一つにも数えられ,埼玉県の代表的な山なのだが,不思議と今まで訪れた事が無かった。この山の名前は,イザナギ,イザナミの二人の神様を奉った事によるものらしく,昔から信仰の対象になってきた山だ。登路としては,山の東側に当たる両神村の日向大谷か白井差からのものが代表的で,交通機関の関係もあり山中1泊で歩かれる事が多い様だ。今回は車を利用して大滝村から清津峡を経て,両神山の北西にある落合橋から登り,八丁峠を経て落合橋に戻る日帰りコースを選択した。

 朝6時に車で自宅を出発し,名栗村から山越えで秩父市内に入る。ここからは国道140号線を通り大滝村に向かう。今年5月に妻Mと来た大滝温泉を過ぎ,清津峡の林道に入る。お世辞にもいい道とは言えない。前方にゴツゴツとした山が見えてくる。あれが両神山だろうか。途中,硅石を採っていると言う日窒鉱山を過ぎ落合橋に到着。車10台ほど停められるスペースがあったが,我々の他には誰もいない。橋のたもとから登山道に入る。森林の中の急な登りだ。30分も歩くと,汗が滴り落ちてくる。尾根状の道から右側に巻き気味に登って行く。途中4ヶ所ほど沢を横切るが,2番目の沢が滑滝状になっており,注意が必要なのと,ちょっと道が判りづらい。沢の源頭をジグザグに登って行くと,梵天尾根に飛び出す。頂上はすぐそばだ。我々が登って来た道及び,梵天尾根上の道は何故か通行禁止になっていた。

 頂上は岩場になった狭い頂で,見晴らしは良さそうだが,南側からガスが上がってきてしまい,眺望は得られなかった。わずかにこれから向かう八丁峠方面の尾根が望まれた。小さな祠が置かれていたので,北アルプス山行の無事を祈願。だけど他の山の事何か頼んじゃって良かったのかな。頂上には誰も居なかったが,昼食を取っていると60歳位の登山者一人が登って来た。日向大谷に車を停めて,5時間かけて登ってきたそうだ。この時期だからかなり暑いかなと思っていたのだが,それほどでもなく,じっとしていると結構涼しい。

 頂上を後に八丁峠へと向かう。ちょっとした岩場を越え東岳を過ぎると,鎖場の連続となる。良くこんな所に道を作る気になったなと感心するほどの,岩場の連続だ。岩場が苦手の長男Tも慣れたのだろうか,苦も無く下ってくる。鎖場何て名ばかりで,鎖を使わない方が楽な場合が多いのだが,ここは鎖が無いとちょっと歩けない様な場所ばかりだ。ずっと鎖をつかんでいるので,手の平が痛くなってくる。こりゃあ明日は肩から腕にかけて筋肉痛だろうなあ。一旦下りきってからの西岳への登りは苦労する。さっき登った両神山の頂上がすぐそばに見える。標高もあまり変わっていない様な感じだ。途中10人程の高校生らしき団体とすれ違う。我々が今日出会った初めての登山者だそうだ。何か山で出会うのは中高年者が多いので,若い人が歩いているのを見るとうれしくなってくる。

 歩き辛い道にヘトヘトになりながら,八丁峠にやっと到着する。長男Tもかなりバテているようだ。頂上まで2時間で登ってしまったので,楽勝,楽勝何て思っていたのだが,こんなにハードなコースだとは思わなかった。まあ単に体力が無いだけと言う気がしないでもないのだが。落合橋に下る道は今までとは打って変わって,歩きやすい道だった。林道近くで沢に出たのだが,なかなか見事な滑滝の連続だった。落合橋に着くと,やはり我々の車だけ。この時期じゃあまり登る人は居ないんだろうなあ。汗でベトベトになった体を沢の水で拭き,車の中に置いてあった服に着替える。気持ちがいい。帰路は林道を先に進もうかとも思ったが,道も悪そうなので往路を引き返す。鉱山の近くに,昔鉱山で働いていた人が住んでいたであろう建物が,廃屋となっている。夜中にこんな所を通ったら恐いだろうなあ。もっともこの道は夜間通行止めとなっていました。軽く考えていた割には苦労させられた山でしたが,東京近郊の山にしては奥深く静かないい山でした。

同行者(長男T)