5月 8日(土) 晴れ 八王子(08:15〜10:20)作場平橋(10:25〜11:50)笠取小屋(11:55〜12:35)笠取山(13:30〜15:05)中島川橋(15:10〜15:30)作場平橋(15:40〜17:50)八王子
私が山を始めたのは中学生の時で,家が東京の立川市だったので,行くのはもっぱら奥多摩の山でした。奥多摩の最高峰は雲取山(2017m)ですが,当時の私にとって雲取山は一番高く遠い山でした。そしてその山の更に奥には飛竜山や笠取山があるのですが,その存在は知っていても,あまりにも遠い山と言う印象を持っていた記憶があります。高校生になって山のクラブに入り,行く山は八ヶ岳,北アルプス,上越の山々となりました。奥秩父にも行きましたが,甲武信岳や金峰山などで,いつしか笠取山の存在を忘れていました。そんな笠取山に,3月に茅ヶ岳に一緒に登った会社のSさん,Yさんと行ってきました。
ちょっと雨が降り出してきそうな曇天だったが,中央道の笹子トンネルを抜けると急に晴れ間がのぞいて来る。勝沼ICで降り,R411で柳沢峠を越えて落合へ。そこから林道に入るが,林道とはいえきちんと舗装されたいい道だ。登り口となる作場平橋には30台ほどの車が停められており,結構登山者が入っている様だ。沢沿いの緩やかな道は,過剰とも思える程に整備されている。この山は多摩川の水源となっている事から,その管理の為なんだろうか。道の周りにはたくさんのスミレが咲き,鳥の声も良く聞こえる気持ちのいい道だ。
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右に馬止への道を分けるあたりから徐々に急になってくるが,ほどなく笠取小屋に到着。何か昔ながらの山小屋と言った趣でいい感じ。予定ではここで昼食だったが,時間が早かったので頂上に向かう。小屋からすぐ先のピークには「小さな分水嶺」と言う標識が出ている。この北側に降った雨は荒川へ,西側に降った雨は富士川へ,そして南側に降った雨が多摩川となり138km先の東京湾へと流れていくわけだ。ここからはすぐ目の前に笠取山が見えるが,かなりの急登。それでも30分ほど頑張って,1953mの笠取山頂上に到着。 ちょっと狭い頂上には,10人ほどの登山者がめいめい昼食を取っている。天気は悪くないが,遠くは霞んでしまって見えず残念。西側には雁峠,古礼山,水晶山と,金峰山へと続く奥秩父の主脈が見える。雁峠あたりの明るいカヤトの草原と,暗い原生林のコントラストが素晴らしい。風は南から吹いているのに,不思議な事に北側からガスが上がってきている。簡単に登ってきた割には,奥深い山に来たなあと言う印象。東側は立ち木に眺めは遮られているが,唐松尾岳から雲取山へと続く稜線が見える。我々もここでカップラーメンとお握りの昼食。そしてSさんが作るポップコーンを食べる。ちなみに体力が心配されたSさんだったが,連休に丹沢を縦走したそうで,体調は万全の様子。 |
一旦来た道を下り,南側の巻き道に入り下山。途中に水干(みずひ)と言う神社があるが,以前あったと言う祠は見当たらなかった。ここは明治時代に多摩川水源の調査をした人が役人が辿り着いた場所だとの事。ちょっとこのあたり道が入り組んでいるが,きちんと整備された道なので迷う心配は無し。ゆったりと下っていくと,一ノ瀬へ続く林道に出る。中島川橋と言う場所だが,こちらから登る人も多い様で,林道のあちこちに車が停められていた。林道を右手にとり車を停めた作場平橋に戻って登山は終了。久し振りに奥秩父の山を歩いたが,いつかのんびりと雲取山から縦走してみたい山だ。