デジタル写真事始  その4

デジタル1眼レフを物色してインターネットや雑誌でいろいろ情報を得ているときにPhotoshopというソフトがレタッチソフトの定番であることを知りました。フムフム、こりゃぁデジタル写真をやるにはPhotoshopがないと始まらないぞと思い買おうとしたのですが、値段が7万円もするのでびっくり、でもまずは廉価版のPhotoshop Elementsでも十分だとわかりそれを買って、PCに導入しました。

さてEOS-1Dと2本のレンズを手に入れた翌日は土曜日、幸い天気は晴れ、早速午後から羽田へ撮影に行きました。一通りマニュアルは読んだし、バッテリーの充電も完了、いざ出陣とばかりに羽田へ向かいました。飛行機写真を撮るのは25年振りです、しかし最高のデジタル1眼レフにLズームレンズ、自動露出でオートフォーカス、おまけに手ぶれ防止までついて、もう怖いものなし、昔取った杵柄でLukeOzawa氏並みの写真が取れるはずだと思い込んでおりました。

その日はRW34を使用、記念すべき最初の1枚はRW34Rの離陸機を羽田の駐車場の屋上から撮影しました。RAWで撮るのがいいとは聞いていましたが、まずはおなじみのJPEGで撮影です。100-400mmでかつ1Dは35ミリに換算して1.3倍の画角ですから、実質130-520mm、かなり離れた離陸機もそこそこ撮影できたので、レンズ選択は間違いなかったと思い、撮影を続けました。で、ものの1,2時間、そうですね50枚くらい撮影したでしょうか、ふとカメラを見るとバッテリー残量がほとんどなし、ありゃぁ、何ぃ、たったこれだけでバッテリーがなくなるの!嘘でしょと思いましたが、しかたがなく引き上げました。そして家に帰って早速PCに取り込み、画像を見てみました。大枚はたいて手に入れたEOSのフラグシップ機とLレンズ、さぞかし目にも鮮やかなシャープな画像が現れると期待していた私の眼の前に出てきたのは、暗くメリハリのない、薄皮をかぶったような写真で思わず絶句、嘘でしょ、こ
んなはずではと落胆いたしました。

デジタル1眼レフ、それもEOS-1Dってこんなもの!って思ったところで、今更もう銀塩には戻れない、ルビコン河を渡ってしまったのですから。気を取り直して、そうだレタッチをしてみれば多少は良くなるかも知れないと思いPhotoshop Elements(以下単にPohoshop)を起動させ、画像のレベル補正と、コントラストをいじりました。するとあら不思議、画像にメリハリが出て色も鮮やかになり、なんとか見れる写真になるではないですか、へぇ〜なるほど、レタッチでこんなに変るのかと驚いた次第です。

今にして思うと、この日は晴れてはいましたが、春特有の霞がかかったような天気で青空ではなく白い空、当時はエアバンドレシーバーがなかったので、羽田の視程はわかりませんが、かなり悪かったはずです。そして私はEOS-3は持ってはいましたが、ほとんど使っていなかったので、自動露出のカメラはほとんどはじめてでした。したがって白っぽい空の飛行機を撮るときにはプラスの露出補正が必要なことなんて知りませんでした。おまけにどうやらEOS-1系はもともと露出がアンダー気味ということで、あのような結果になったようです。でも仮に条件の良い時に適正露出で撮影しても、今にして思うにEOS-1Dはレタッチ無しではちょっと眠いような画だと思います。もちろん好みもありますが、私が望む写真にするにはレタッチは必須だと思います。と言うかその後いろいろ調べてみると、普通のコンパクトデジカメはそのままプリントできるように画像を鮮やかにしていますが、EOS-1Dはプロ向けのカメラでレタッチを前提としているのでレタッチの許容度を大きくするためあのような画像にしているとの事です。

それとバッテリーがあれじゃろくに撮影できないと思い、予備のバッテリーを買いました。これが何と1万6千円もする代物、でもわかったことはバッテリーもウォームアップみたいなものが必要みたいで、何度か充電と放電を繰り返しているうちに鍛えられたのか、その後しばらくすると結構持ちがよくなり、私の撮影スタイルでは1日の撮影なら2本あれば何とかなることが判明しました。