プリンター顛末記

デジタルカメラで撮影した画像はPCで見ることも出来ますが、「写真」にするためにはプリントする必要があります。私のPC歴は結構長くもう15年以上前からいろいろなPCを触っていますし、それに伴いいろいろなプリンターも使ってきました。仕事でもいろいろなプリンターを扱っていましたが、家庭用のプリンターの一番の不満点は紙送りの不安定さでした。そしてデジタル写真を本格的にプリントする目的で最初に買った機種はEPSONのPM-950Cでした。近頃のインクジェットプリンターの性能とその低価格には驚くばかりで、2万円も出せば綺麗な写真が印刷されるのですから昔のことを思うとまさに隔世の感があります。

このPM-950Cですが、主にコンパクトデジタルカメラで写した写真や年賀状の印刷やWebページの印刷に使っており、最初は特に不満はありませんでした。ところが昨年の4月から飛行機の写真を始めて写真を大量にプリントするようになったら問題がおきました。その問題とは結構頻繁に、プリント終了間際に印刷面にインクがこぼれるように黒いシミとなるのです。こりゃぁたまらんと思い秋葉原のEPSONに持って入ったところ、プリントヘッドに問題があるとかで直ぐに修理(ヘッドの交換)をしてくれ、おまけにインク6色分(6,000円相当)が付いて帰ってきました。あれまぁ、EPSONさん結構対応がいいねと思ってプリントを再開したところ、はやりシミが出ます、何だ直っていないと思いましたが、EPSONでのテスト印刷ではシミが出ていなかったのでよくよくシミが出る状況を眺めたら、用紙をセットする時に幅をぎりぎりに狭くしていため、用紙が印刷面に向かって若干凸気味になっているため最後の方で用紙が上に撥ねるような形でヘッドに触れてシミが付くみたいでした。そして、用紙をセットする幅を広めて若干余裕を持たせたらシミは出なくなりました。

なぁんだこんな事だったのか、こりゃぁインクを得したと思いましたよ。でも修理に出した時店員がプリントヘッドに問題があるため対策品に変えると言う言葉がちょっと気になりました。そうこうしている内に修理に出す前にプリントした写真のかなりの枚数の黒い部分が滲んだように黒ずんできました。ははん、プリントヘッドの問題ってこれだったのか、これがあるからインクをおまけしてくれたのかと納得。仕方がないので滲みの出た写真はプリントし直しました。ところが前ほど酷くはないのですが、プリントしてから時間が経つと滲んでくる写真が結構あります。この時点でPM-950Cに大いなる不信感を持ちました。何回もプリントし直すと用紙代やインク代も馬鹿にならないし、飛行機以外のSNAP写真は結構写っている人に配ったりしていましたから、そのうちの何枚かに滲みが出ているであろう事を考えるとこの欠陥には非常に腹が立ちました。

そして昨年の10月末に熊本へ行き、そのとき撮った写真を大量に印刷している時に又例のシミが出るようになりました。今度は用紙のセットの問題ではない、いろいろ試行錯誤をしましたが原因は不明でした。価格.comの掲示板に同じようなトラブルの書き込みがあったため、こりゃぁこの製品の欠陥だと思いました。そしてその次には全体が色かぶりするという致命的なトラブルになりました。まぁ又EPSONで持ち込んで修理させても良かったのですが、例の滲みの問題もありその時点でPM-950Cとは決別する事を決意しました。

PM-950Cに愛想を尽かした時点でEPSONにも別れを告げるつもりでした。そうなると必然的にキャノンのプリンターと言う選択になり、年末にPIXUS990iを購入しました。印刷のスピード、画質、紙送りの安定性共にGT-950Cよりは進歩しておりましたので、一応は満足していました。しかし、インク特にフォトシアンとフォトマゼンタの消耗がやたらに早いのと、人肌の色のりがどうにも上手く行かないのが気に入らない点でした。でもいくら写真品質の印刷といっても何となく品質に不安定さを感じていましたし、顔料インクでないので写真の耐久性にも大いに疑問を感じていました。

その時ふと頭に浮かんだのは、これまではデジタル写真は全て自分でプリントするものだと思っていましたが、一度写真屋へメディアを持ち込んでプリントしてみればインクジェットと銀塩プリントの違いがはっきりすると思い早速実行に移しました。そしてその結果を見て唖然、いくらPIXUS990iがキャノンの「写真品質」の上位機種であるといっても写真屋さんの銀塩プリントは全く別物でした。確かにコストを比較するとLサイズで1枚36円です、しかし自分でやる場合でもキャノンのプロフォトペーパーは1枚10円するし、インク代だって馬鹿にならない、クオリティ、耐久保存性を考えたら、大事な写真や人にあげる写真は写真屋さんで銀塩プリントするに限ると言うのが結論です。考えてみたら、いくら技術が進歩したとしても990iは5万円で買える民生機です、ウン百万、ウン千万?する業務用機器と同じ品質を期待した私が馬鹿でした。そうこうしてる内に信頼感をなくした990iが反抗したのか、印刷時に酷い縞模様のムラが出るようになり990iは現在修理中です。