第3弾:   上高地XCスキー    
1999年: 3月 26日 (金)−27日(土)

CL: Marco。   SL:KENちゃん        ビバルディーの四季より、「冬」 13K(3:13)

<工程記録: 3月27日(土)>
時刻 高度(m) POINT
8:45 中の湯温泉駐車場を出る(エンジンかかりにくかった。)
9:00 釜トンネルゲート前(中の湯売店)出発
9:40 大正池にてスキーを装着し、上高地自然観察路をゆく。
10:00 川沿コースと林間コースの分岐で、川沿コースをゆく。
10:15 ほたか橋を渡って、雨宿り
10:45 河童橋到着
11:30 養魚場にて昼食。雨はやむ。その後明神池へ。
12:05 明神池出発。
13:35 大正池到着。朝の鴨の親子に餌をねだられるが、絶対にやらん。
15:30 中の湯売店到着。洞窟風呂に入る(宿泊者はただ)


<今年の積雪量と天気について>
 中の湯まで行く途中の道路の雰囲気からすると、今年の積雪量は昨年よりは多かった。しかしながら、クロカンコースの雪は昨年同様さびしいものであった。「真っ暗な釜トンネルを抜けるとそこは銀世界」と語った時代はもはや夢物語となってしまったのであろうか。 (雲海のバックナンバーを参照されたい。)かつてのこの季節の上高地はもう無かった。いったい、地軸がずれてしまったのか、、先月の金星と火星と水星が西の空に一直線に並んでしまったのが災いしたのか、あるいはまた、すがリンとKNABEが会社を辞めてしまったためであろうか? いずれにせよ、近年の地球の温暖化に対して、「全ては夢だった。」と笑い話では済まされないものを感じた。 親の財産を食いつぶした放蕩息子の台詞に、「去年の雪は何処にありますか?」という、イプセンの戯曲の訳本(坪内逍遥訳)に出てくる台詞も、現代においては別の意味のようでありながら、全く同じ意味を持ってきている。
 今回の天気であるが、計画を決行できるぎりぎりの天候であった。前夜のテレビの天気図では、南太平洋に張り出した前線は西からの低気圧の東への通過を遅らせ、天気の回復は翌日の14:00頃と思われた。出発時に晴れていたことが幸いと言える。しかし、過去10年間、同じ日に同じ所へ着ていながら、3月の最終週末に快晴でなかったことは無かった。 来年以降の計画に修正が必要かもしれない。


<中の湯温泉について>
@ {部屋}不景気で空いているせいか、¥9500の料金(奥の部屋で外の通路が滑りやすい)で、¥16000の部屋(エレベーター付きで景色が少し良い)に泊めてくれた。

A {食事}昨年の雲海でも書いたが、またしても豪華なものであった。以下に示す:  いわなの刺身(姿つくり)、鯉の甘煮込み、鴨の石焼、茸の吸い物、いわなの塩焼き、菜の花の和え物、タラの芽他のてんぷら、漬物、ご飯。

<CL所感>
 天候が不安であったが、全ての工程を計画どおり進められたところに、山行レパートリーの確立を感じる。中の湯付近での路上駐車の極意を習得すれば、初日に嘉門治小屋までのアプローチを行い、徳沢園での雪原のスキーを存分に楽しむことも可能と考えられる。    しかし、そのような計画もいずれ禁止になるような気もする。XCスキーというアウトドアスポーツと環境保護の両立などはもともとあり得ないのだから。2010年、「今では禁止となってしまった、XCスキー」と言う言葉(おそらくは、小型DVD等に出てくるか?)に対して、「ノスタルジア」と言う曲を捧げることをこれからの課題としたい。

Marco。

<SL所感>
Marco。CLとのスキーもこれで5回目となり、SLのクロスカントリーの腕もだんだんと向上してきております。毎度の事ながら、私をいろいろなところへ連れていってくれるMarco。CLには感謝します。ところで、上高地は昨年に引き続き2回目なので、前回の経験を生かし旅の準備はかなりのものであった。私事ではあるが、最近子供を授かることができたことで、家では好きな音楽を十分な音量で楽しめないという欲求不満に陥っていた。そこで今回は最近購入したCDを7枚ほど持参し、往路復路の計10時間程の車上コンサートをさせて頂いた。コンサート会場となったMarco。号(いすゞのビッグホーン)は、4スピーカーシステムでSLを満足させるに十分なものであった。時々CDプレーヤーの電池が切れてぷっつり曲が停止してまうという問題点はあったが、SLが、こんな事もあろうかと電池をたくさん持ってきたことで、大きな問題へは発展しなかったのである。(よかった、よかった。)復路では、Marco。CL所有の3大テノールの競演のCDで盛り上がることが出来た。ここのところ欲求不満だったSLは、ドミンゴ(スペイン語で日曜日っていう意味だって知ってた?)、パバロッティー、カレーラスらと共に大声で歌い、夢の共演を果たすことが出来た。聴き(歌い?)終わった後に深い感動が残ったことは言うまでもない。

今回準備した"お楽しみ"はこれだけではない。SLは、出発時にスキーバッグの中に密かにお盆を忍ばせていた。それも、我が家にあるお盆の中から厳選したお盆である。直径30センチ、縁の高さ5センチ(これが重要である!)である。このお盆に日本酒をのせ、露天風呂で一杯という算段である。昨年の経験から、中の湯の露天風呂は貸し切り状態になるという自信があったので、是非一度やってみたいと考えていたのである。
宿へ着いてみると金曜日ということもあり、思った通り他に客はいなさそうであった。そこで、夕食後早速、お盆と日本酒をもって浴場へ…。
ああ、なんという充足感であろうか。昔の"黄桜"の宣伝を思い出させるなんとも言えない風情である。ついつい飲んでしまって、Marco。CLの分までかなり飲んでしまった。
それにしても、すいていて良かった。やっぱり他に人がいたらちょっと恥ずかしいのである。(SLにも羞恥心はあるのである。)
唯一の汚点と言えば、買った酒が喜久水という酒であったことである。(注、SLは菊水という日本酒が嫌いである。この酒のためにいままでどれだけの汚点を残してしまったことか…。字は違うが、キクスイという名の酒を買ってしまった自分に腹が立ったのである。)
また、後日談ではあるが、持って行ったお盆がかなり高級なお盆であったらしく、SLは家に帰ってから家族に非難されるはめになってしまった。やれやれである。

まあ、いろいろな事があり楽しいクロスカントリーであった。今回は、目標の明神池まで行けたのがとてもうれしかった。最後に、もう一度CLに感謝の意を表わしてSLの所感とさせて頂きたい。
以上