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オコジョについて |
オコジョに遭遇 ■ 下の写真は、三平峠から長蔵小屋のほぼ中間地点を歩いているとき、偶然に見かけたもの。体長はおよそ20cmくらいで、胴長短足。慌ててデジカメで撮影したもので画質は悪い。 (2007.10月1日 巻島秀夫撮影。 詳細は、尾瀬リポート 2007.10月を御覧ください。) |
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オコジョとはどんな動物か ■ 哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科の動物。 ほぼ北緯45度以北のユーラシア、アメリカ大陸の全域に分布するほか、グリーンランド東部にも生息する。 日本では北海道と青森県のほか、東北、関東、中部地方の高山にいる。 ヤマイタチともよばれ、また北海道ではエゾイタチともいわれる。 ■ 体長24〜29cm、尾の長さ8〜12cm。 体色は、夏は背がチョコレート色、のどから腹は白、冬は全体が白になる。尾の先端のみ四季を通じて黒い。 |
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■ 森林、草原、人家の近くなど、さまざまな環境におり、コケや草を敷き詰めた巣をつくる。日中でも活動するが、おもに夜行性。主食はネズミ、ハムスター、レミングなどであるが、小鳥やウサギ、カエルも食べる。 ■ 気性が荒く、ノネズミなどを食べる他、自分の体よりも大きいノウサギやライチョウを捕食することがある。単独で生活し、岩や樹根の隙間に営巣したり、ネズミの巣穴を乗っ取って自分の物にすることもある。 動きはきわめて敏捷で、木登りや泳ぎなども得意。 ■ ネズミを襲うとき、体をくねらせてダンスをして催眠術をかけるといわれるが、自身もショックに弱く、大きな音だけで死んでしまうこともあるほどで、飼育はむずかしい。 ■ オコジョは35以上の亜種に分類される。一般に哺乳類は寒い地方ほど大型化する傾向があり、ベルクマンの法則として知られているが、オコジョでは北方に生息するものほど小型化する傾向がある。 |
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尾瀬のオコジョ ■ 尾瀬のオコジョはホンドオコジョ。ネズミぐらいのちいさな体を木道の陰に目撃されることがよくある。 ■ 尾瀬の目撃情報でいちばん多いのは、山ノ鼻から鳩待峠までの山道。基本的に人を避けて行動するため、目に付きにくい動物。 ※左の写真(左上)は、山の鼻ビジターセンターに掲示されているオコジョ発見マップ(平成21年10月) ※写真(左下)は、発見情報を寄せた人に発行hしているオコジョ発見証明書。 ※ちなみに下は、平成19年10月1日に巻島秀男がもらった証明書。毎年デザインが変わるようです。 ![]() |
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オコジョは妖精か悪魔か ■ ヨーロッパでは、オコジョの毛皮を「アーミン」と呼び、王族の象徴とされた。ルネサンス期には、アーミンは純白の毛皮を汚されるよりも死を選ぶと信じられたため、「純潔の象徴」ともされた。 |
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■ ネズミやウサギの天敵となるため、古代ヨーロッパでも大切にされていたが、19世紀にニュージーランドなどに移入され、害獣の駆除と毛皮輸出に役だっている。 ■ 長野県や群馬県ではオコジョを山の神の使者であるという言い伝えがある。殺したりすると、オコジョがとり憑いて人が精神異常をおこすという。日本の妖怪・妖精などの一種である「管狐(くだぎつね)」はオコジョの別称としても使われる。また、関東地方の山村に伝わる「オサキ(オサキギツネ)」はオコジョであるともいわれる。 |
オコジョを捕まえたりすると・・・・・ ■ オコジョなどの動物に限らず、尾瀬全体の景観や形状、動植物に対する保護策として以下の規制がある。 @ 自然公園法による規制 尾瀬国立公園 37,200ha のうち、尾瀬ヶ原、尾瀬沼など9,386ha は特別保護区に指定されている。この区域内では、動物を捕えたり、殺傷したりした場合、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。 A 文化財保護法による規制 特別天然記念物である尾瀬で、動植物を痛めるようなことをすると、5年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金に課される可能性もある。 ■ 鳥獣保護法による規制 鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律。別名:狩猟法)第8条で、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」とされ、狩猟(銃や網、わなを使った猟)の許可を受けた場合のみ狩猟可能となる。 ちなみにオコジョは同法で定める狩猟可能な鳥獣に指定されておらず、狩猟することは禁止である。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金。 |
(※参照資料 : Wikipwdea、小学館「日本大百科全書」、環境省HPなど) |