至仏山 Mt. Shibutsu |
日本でもっとも古い地層といわれるのが秩父古成層。その地層で覆われる至仏山では数多くの種類の高山植物が見られる。 |
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至仏山は風化による土壌への変化がおきにくい岩質でできている。ほかの山々で見られるようなブナ林は発達せず、 湿原から直接クロベやコメツガなどの樹林帯が広がっている。また森林限界が非常に低く、燧ヶ岳が標高1,800m付近なのに対して、 至仏山の森林限界は1,700m付近となっている。尾瀬ヶ原側からみる姿は女性的で優美だが、反対の利根川側からみると、ごつごつした岩だらけの崖である。 |
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左の写真は、ホソバヒナウスユキソウ。(撮影
巻島秀男) ヨーロッパのアルプスで見られるエーデルワイスと似ている。 このほか、オヤマ沢田代から至仏山の稜線上では、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、タカネナデシコ、キンロバイ、 ミヤマキンバイなどの貴重な高山植物が岩場の陰に見られる。(巻島秀男撮影) |
至仏山登山(photo by HIDEO MAKISHIAM) |
●鳩待峠〜至仏山〜山の鼻の立面図 |
![]() ※←→はおおむねのタイム(分) |
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●尾瀬ヶ原からの登りは樹林帯の岩や木の根のごろごろする急登。
やがて岩石がごろごろする急登がしばらく続く。振り返れば、尾瀬ヶ原を眼下に望むことができる。
やがて高天原という岩の多い台地にたどり着き、至仏山頂上が間もなくの地点。高天原は高山植物がもっとも多く、ホソバヒナウスユキソウなどの群落が見られる地帯。 ※高天原から尾瀬ヶ原を眼下に望む。(望遠でとらえた牛首と中田代。巻島秀男撮影) |
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●鳩待峠からの登りは勾配もそれほどきつくなく、樹林〜湿原〜ハイマツ〜岩石とバリエーション豊かな登山を楽しめる。ハイマツ帯から珍しい高山植物も豊富に見られる。小山沢田代を過ぎると岩ばかりの世界が続く。(巻島秀男撮影) |
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至仏山山頂からは360度の大パノラマ。写真は巻機山、越後三山、平ガ岳などの上越国境の山々。この日はたちまち雲が山々を覆い始めた。(巻島秀男撮影) | 夏でも尾瀬ヶ原側の斜面に残る雪(巻島秀男撮影) |