まず、このTさんは現在、娘さん、親戚の奥さん（Sさん）方のお父さん、お母さんと４人暮らしで、 職業はSさんのお父さん、お母さんと自宅で経営している、クリーニング屋でした。そのSさんは娘さ んを生み、１年で交通事故で亡くなったそうです。当然、娘さんは自分のお母さんのことはよく覚え てなく、写真でしか見たことがなかったそうです。
そして冬休み、Sさんのお父さん、お母さんを含める４人でグアムへ３泊４日の旅行にいったそうです。 １日目、２日目は何もなく、普通の旅行だったそうです。しかし、３日目の夜のホテルで、いよいよ明 日日本へ帰ると支度を少しずつしていた頃、Tさんの部屋のドアがノックされました。もう夜１０時く らいでしたから、ホテルの人ではないとTさん自身も思いながら、ドアを開けてみましたが、そこには誰 もいませんでした。きっと酔っ払った客か、小さい子がイタズラで叩いてみたのだろうと思い、あまり気 にしませんでした。しかし５分ぐらいしてから、またドアをノックされました。Tさんは、今度はドアを ノックする犯人を見つけようとドアの覗き穴(？)からドアの外の廊下を見ました。しかし誰もいなかった そうです。廊下に出ても、やはり人は１人もいなかったそうです。少し腹を立てながらも部屋に戻ると、 娘さんが泣き叫びながら泣いており、Sさんのお母さん（娘さんのおばあちゃん）が必死にあやしていた そうです。何があったのか聞いてみて、Tさんは驚きました。娘さんは、さっきのノックを聞いた瞬間に
「お母さんが･･･お母さん！」と叫んだそうです。
Tさん自身はノックの犯人のことで頭が一杯で全然気づいてなかったら しいのですが、娘さんはかなりの大声で「お母さん、お母さん」と泣き叫んでいたそうです。少し娘さんが 泣き止んできたので「どうしたの？」とTさんが聞いてみると「お母さんが来たの・・・。」と答えるだけ だったそうです。普段、かなり強い娘さんだったのでTさんも心配し、「大丈夫だからね。大丈夫だからね。」 と必死にあやしていたそうです。娘さんはそれからホテルのチェックアウトまでずっと目に涙を溜めていたそ うです。おかげでTさんは（もちろん娘さんも）その日はずっと眠れなかったそうです。 それから日本に帰り１週間ほどが過ぎ、そのホテルの夜のことをみんな忘れかけていた昼のこと、Tさんが自宅 のクリーニング屋で仕事をしていると、クリーニング屋のガラスのドアの向こうで、髪が長く、白い服を着た 女性が、髪を振り乱しながら、かなりの早さで通りすぎたそうです。仕事に集中していたTさんもその女性が 何度もそのドアを横切るので、かなり気になっていたそうです。その女性は「リング」に出てくる貞子に似た人 だったと言っていました。しかも、その女性は毎日、Tさんが仕事をしている時に、ドアの向こうを何度も横切 るのです。かなり恐くなったTさんは、Sさんの両親に思いきって言ったそうです。自分の前で女の人が毎日通り すぎることと、その女性が自分の妻であるSさんかもしれないことをです。すると、Sさんの両親は自分たちも実 はグアムから帰ってきて、この１週間、度々その女性を見かけていたと言うのです。
Tさんはまだこの事は娘さんに言ってないようですが、今でも時々、そのSさんが現れるので、Sさんはきっと娘 に何か言いたいのかなぁと思いながら生活を送っているそうです。

かなり長くなりましたが、ボクのこんなヘタな説明でわかりましたか？