殺人現場
館長提供
場所大阪市内の某公園

私の住んでいるマンションの近くの公園で、今年に入って殺人事件がありました。いつも子供と遊びに行っていた公園だったので、私自信こんな近くで殺人事件が起こるなんて・・・とショックでその公園に遊びに行かなくなっていました。

ある日私は仕事が休みだった事もあって、別の公園に遊びに行きましたが、その日その公園は綺麗に整備するために、入り口にロープを貼って入れなくなっていたため、仕方なく買い物をして帰ろうと思っていました。しかし子供にブランコに乗りたいとせがまれ、気持ちは行きたくなかったけれどいつも行っていた公園へ行きました。

殺人事件が起きてから約2ヶ月。良く遊びに行っていた時とそれほど人が減った様子もなく、子供達や親も楽しそうに遊んでいたので、私も気を取り直して公園内に入り、親達の輪に入って楽しい時間を過ごしていました。大体子供を2時間ほど遊ばせ、事件の事もすっかり忘れていた時です。一緒に話をしていたおかぁさんの1人がじっと一点を見つめているのに気が付きました。
「どうしたの?」
と私は彼女が見つめている先を見ると、浮浪者らしき男の人がジッと植木の下に座り込んでいるのが見えました。
「やぁ〜ねぇ〜。なんか気持ち悪い・・・・・。」
と言ったらその男の人に聞こえたのか、私達はその男の人と目が合いました。

「気味が悪いわね。そろそろ帰ろっかぁ〜!薄暗くなってきたし・・・・・。」
と言い出したおかぁさんの一人が子供を呼びました。
私もすぐ近くで遊んでいた子供に、玩具を片づけるよぅ促し、子供と一緒に片づけていると
「きゃぁ〜!」と誰かの悲鳴が聞こえてきました。すぐに顔を上げて周囲を見回すと、私といつも話をしているおかぁさんの一人が座り込んで、ガタガタと震えていました。私や近くにいたおかぁさん達が子供を連れてその人の所へ行き「どうしたの?」と尋ねました。
しかし彼女はガタガタ震えるだけで、何も言おうとはしません。困ったなぁ〜と思って彼女の見つめている方向を見て、また彼女に目を戻しました。
「あれ?」ある奇妙な事に気が付きました。なにげなしに周囲を見回したのですが、何かを見たよぅな・・・・・?
「あっ、あれ見て!」二人のおかぁさんが叫び、一点を指差して固まっています。
「なんだぁ〜?」私も彼女たちが見つめ、指差している方向を見ました。
”そぅこれだ・・・。私が可笑しいと思ったのは・・・・・。”じっと蹲(うずくま)っていた浮浪者の体が透けて見え、その体の背後の景色が見えていたんです。”もしかしてこの人が殺された人?”私はやっぱり来るんじゃなかったと後悔しながら、おかぁさん友達と子供を連れてサッサと公園から出ました。 なんだか嫌な気持ちになり帰ろぅとすると、一人のおかぁさんが怖くて一人で家に居たくないと言って半泣きしていたので、私達は喫茶店に入りボーっとしながら、子供たちのはしゃぐのを見ていると一人のおかぁさんがボソッと独り言を言うように話始めました。

「あの浮浪者毎日同じ場所でじっと一点を見つめて座ってたのよ〜。気持ち悪いとは思いながらも、近くだから子供連れて来ていたの〜。あの浮浪者が幽霊だったなんて・・・・・。もぅ二度とあそこの公園は行きたくない!」と・・・・・。

やはり事件があった場所には何かがあるのだなぁ〜と、実感させられました。