霊の住む土地
埼玉県在住のみろくさん提供
場所は個人宅

 15年前のはなしです。
10年前に今の家に引っ越してきたのですが、その引っ越す前の自宅で体験しました。
その当時、小学生相手に文房具屋を営んでおりました。
その店を中心にして真中に廊下が 突き当りまであり、右側には六畳の居間、六畳の部屋に四畳半の部屋。廊下を挟んで反対側に は店のほうから、お勝手があり風呂場にトイレ、そして四畳半とまぁ、こんな家でした。 
その頃にはすでに父親はなく、私と妹、母に祖母の四人暮らしでしたので、六畳に母と祖母、 そして四畳半は1人づつ寝られたわけです。

母と祖母の部屋には床の間があり、大きな蛇がとぐろを巻いた掛け軸が飾られてあったの を覚えています。

私が中学生の頃だったと思います。
寝苦しくて何気なく布団から足を出したら、いきなり誰かに蹴飛ばされました。
びっくりして何事かと電気をつけたのですが、誰も居ません。
そのときは訳がわからず、 すぐに親のところへすっ飛んで行き
「いま誰かに足を蹴られたよ!」と訴えたのですが、 寝とぼけたんだろうと相手にされませんでした。

その後、妹と部屋を替わったんですが、朝に突然妹が泣き喚くので、どうしたと聞くと
「たった今、黒い影だけの男の人が足元に立ったとたん金縛りにあって、そしたら覆い被さってきた。」
そうです。それを聞いて〔あの時やっぱり誰かが蹴っ飛ばしたんだ!!〕と確信し、雨戸をあけて、 全身総毛立ちながら「出て行け」と怒鳴りました。その時に九字をきったのですが、 素人のそんなものは通用しかったばかりか、逆に刺激して別のものを呼んだんじゃぁないかなぁと、 今では思います。〔まだ姿までは見たことはなかったんですが・・・。〕
そのあと大変な目に合わされました。
その頃から、家全体のかもし出す雰囲気が、いつもと違 うような、鳥肌が立つような気持ち悪さに恐怖感を感じる事がありました。

ある夏、時間は二十二時を回った頃だと思います。
寝床に就くとき、何が原因だったか、つまらない事で母と口喧嘩してしまった事があります。
その時、不て腐れて寝てしまおうと横になろうとした時です。
部屋の入り口の方でいつもと違うものを感じてそちらを見たのですが、別に変わった様子がないので、 そのまま横になってしまいました。
ところが、床についたとたん、足元から一気に金縛りに!
気が動転しながら辺りを見回すと足の先になにやら白いものが・・・。
部屋は真っ暗だったのですが、はっきりと人そのもののように見えました。
やがてその白いものは人の姿になり、白い着物を着て髪を振り乱し、年は四十五才ぐらいの女で、押入 れの襖を背にしてすっと立っていました。
私は、あまりの恐怖に心臓がバクバクしていましたが、 ある事を思い出していました。

自分に恨みの無いものは顔が見えない。
とっさに思い出し、勇気を振り絞ってゆっくり目線をあげていきました。
その女の顔は面長で、私を見据えるその鋭い視線、と思った瞬間、目が合ってしまいました。
目を合わせるのと同時に、私のほうに覆い被さってきます。
「うわわわわっ」と叫んだつもり が声になってない。
私は、あまりの怖さに全身の力を振り絞って、うつ伏せになりました。ものすごく体が重く感じた とたん、すっとその気配は消えてしまったのです。
「うぁぁぁ」と頭はパニック状態。
しかしこれで終わってはいませんでした。
お経を読むお坊さんの読経が聞こえ、 突然電話が『りりりりりん』と鳴り出しました
あんな体験をした後なのに、気が つくと電話に出てしまいました。
でも、相手は無言です・・・・・。
ぞおわーとする悪寒が全身に走ります。 受話器を切ると今度はガラッとお勝手の玄関が開く音がします。でも、よく見ると鍵がかかっているんですよ。 この玄関、普通に開けようとしても渋くて開かないのに・・・・。
この家では、私だけではなく家族中で恐怖体験をしています。
その話しは、別の機会に。

それから、これは余談ですが、怖い思いをしたからでなく、いい物件が手に入って引越しをしたのですが、 この土地を買った人は、例の家に一週間と居られなかったらしいです。

その後、3年ぐらいして、何故更地にしたのかは解りませんが、取り壊されて更地になっていますけど、 10年以上にもなって未だに家が建っていないんですよねぇ〜。

蛇の掛け軸はなにも関係ないようですよ。
もともとこの土地柄で、自縛霊が住んでいたところへ、人間が勝手に家を建てて住んでしまったみたいですね。
始めは悪さする事もなく、共存していたのに・・・・・
まあ、もともとこの土地にいた自縛霊は、さほど悪さをする部類ではなかったみたいですが、どこからか舞い込んできた のは・・・・・。悪さするかもね・・・ってされたのよね(^^;

ここには家を建てないほうがいいですね。