心霊スポット
埼玉県在住のはすらぁさん提供
『 ‘霊感’ のない人達、’恐怖体験’未だ経験のない人達へ…』
誰かに聞いた話・読んだ文章・画面の向こうの映像…今ひとつ現実味のない‘恐怖’に
物足りなさを お感じでは? 『真実?』『リアリティー?』『肌身で?』『感じたい?』
分かりますよ その気持ち。 知ったような事を述べましたが…私には ‘霊感’ というものはありません。 ソノテの話題に
好奇を寄せる、声を上げて騒ぎ立てる、ごく普通の一般人です。(基準がわからない+変な日本語) 8年ほど前の 真夏の夜でした。 ---------------------------------------------------------------------- 当時私は 週末ともなると必ず集まる仲間達と つるんで遊び回っていました。イベント好きのやつらばかりです。 内の一人が今夜の‘ネタ’を提案します。 −「 肝試し 」− 夏の定番、風物詩ですね。皆大賛成でした。 集まったのは 10人くらいだったでしょうか、男ばかりの大所帯です。 別の不安がよぎります。夜遅くの大人数での移動、話を聞けば 現場は地元、住宅街の ど真ん中。 「通報され 警察沙汰にでもならなければよいが…」 その家で起こった惨劇…今から数えると 20年数年前の事になるでしょう 『 ご主人が仕事で出張中の、その隙を狙って強盗が押し入り、奥さんと 2人の幼い娘 ( 娘さんは1人?おばあさんも? 家族構成の記憶が不確かです。友人に確認すれば すぐにでも分かりますが、あえて確かめません。私の記憶では… ‘女性ばかり3人’ ) が刃物で惨殺された。1階居間の 畳 壁には、飛び散った血のあとが 今でも残っている…』 と いうのが その事件、現場の説明でした。 ---------------------------------------------------------------------- 2台の車に分乗し出発しました。 その付近の家並は 密集隣接しており 道も入りくんで いるため、少し離れた所に車を止めることに。近所に気付かれないように声をひそめ 深夜の住宅街を歩いて向かいます。 「こんなに近くに… 今までなんで知らなかったのだろう」 現場の家を目の前にして、私は戸惑いました。 「 ここへ?入る…の!?」 とても 立派なたたずまいです。 鉄筋コンクリート建築の2階建て。 建てられた当時としては 多分めずらしかったのではないでしょうか。 ゆとりのある庭付きの一戸建て、豪邸では ありませんが、外見から かつての住人の裕福さが うかがえました。 なぜでしょう… 庭に面した1,2階の窓は 雨戸を閉めずに 内側からベニヤ板でふさがれて いました。その光景がとても異様に思え 深く印象に残っています。 確かに人は住んでいないのでしょう。しかし 見た目に朽ちているわけでもなく、そして近隣 と同じように その家は在るのです。 今にも人が出てきても おかしくないほどです。 ( 時間帯も 記憶に自身がありません あしからず )遅い時間にもかかわらず 周辺の家々 には、ぽつり ぽつりと明かりが灯っていました。 −不法侵入− その言葉がよぎります。 しかし男ばかりのこの集団 もう歯止めが効かなく なっていました。 行為の理不尽さが 異様な興奮と緊張を増幅させていきます。 「 やばすぎる!!」 と 「 こしぬけには なるまい!!」 その葛藤。 動揺を悟られぬよう 私も行動に続きます。 侵入経路は 裏手にある勝手口。 ブロック塀との間を中腰で進みます。塀のすぐ向こうには 隣の家の庭、閉められた雨戸の隙間から明かりが漏れています。 扉の前。 ドアノブに手をかけます。 カギはかかっていますが、この事件の噂が私達の所に 届くまでにも、たくさんの好奇心を 引き寄せてしまっていたようです。 すぐ上のガラスは ちょうど 手を忍ばせる分だけ割られ、内側から薄い板があてられているだけ…。 直しても直しても またすぐ破られる…簡単な修復には、管理者( 身内の方?)の 諦めの感 が受けて取れました。 たやすい事!とばかりに板を強く押しやります。 『 バキッ 』 隙間に腕をすべり込ませ 内側から 『 カチャ 』 カギが開きました。先頭のソイツが 皆に合図 「アイタ!ハイル!?」 今更…ここまで来たら、 もう引き返せるタイミングではありません。 私は何番目だったでしょう… とうとうその一歩を踏み入れてしまいました。 ダイニングキッチン… 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 その時の衝撃をどう表現したらいいのでしょう。 全身を何かが貫きました。 「 !!!!!!!!!!絶対 人がいる!!!!!!!!!!!」 まず そう直感したのです。 人がいる… 『 ‘意志’ のようなもの… 空間全体がそれを 圧倒的に持って、 拒んでいた… 』 暗闇… 肌にぴったり空気が止まっていました。 『 ピ---------------------!!!!!!!』 凄まじい耳鳴り!!まるで警報機が感知した時の音のよう!! 『 ピィィィィィィィィィィィィィ--------------------!!!!!!!!!!!』 耳鳴りと圧力は 歩みと共に激しさを増します。 そして私の意識状態は… ダイニングキッチンひだり角まで来て、 とうとう…動けなくなってしまいました。 !!!!!----子供部屋-----!!!!!! その位置から対角線に その部屋は見通せます。 半開きのドア越し ひときわの暗闇の中に 浮かび上がる… ―‘ オルガン ’― 「 うあ…!」 皆の声がいっせいにあがります。 同様にふさがれた、窓際にありました。 『ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!』 どこへ明かりを向けても強烈すぎる… そむけるように居間に戻します。 次の 瞬間に任せ、身を投げるように!覗き込みました!! 「 !? あ…」 何が あったと 思います?… ―『 位 牌 』― 「…うああぁぁっっ!!!だめだめだめ やばいってっ!!見るなぁっっ!!!」 (数がいくつあったかは…) 一瞬の事ですが、まぎれもなくそこにありました。予想外… ---------------------------------------------------------------------- 遠くで会話を聞いています。「 なあ…2階…どうする? 」 「 行ってみる…? 」 見上げた階段の踊り場… その天井から… 洋服が吊り下げられていました。 「 地下室があるはず…」 ぽっかり 真っ黒な口を開け 飲み込まれそう… 何ばかなことを! これ以上いったい!! ---------------------------------------------------------------------- 「…!?」「??」 「…どうした!?」 にわかに様子が変わります。 そして… 「 見つかった!」 「 逃げろ!!」 大きな声に、今までの引きつった恐怖が 砕け散りました!! もう何も かまう必要ありません!! 狭いドアから争うように飛び出します!! ( 室内に 全員は入っていませんでした。 中に5人。 その他は外で見張をしていた。) 振り返りざま 隣の家の雨戸が ガタガタと開き、逆光に人のシルエットを見ました。 深夜の住宅街を 走って、走って… ---------------------------------------------------------------------- 「 …だいじょうぶ?」皆心配そうに顔をうかがいます。顔面蒼白 声も出ない。私だけが… 極限の恐怖… 全力疾走… 全身、とくに頭が痛いほどしびれています。 開放された安堵、脱力感、それ以上に後悔の念で うなだれて… 『 ああ… 何と言う事をしてしまったのだろう…』何度も何度も 心の中で…謝っていました。 「 踏みにじる様な行為 お許し下さい。 自分達を心から恥じています。 ごめんなさい…」 ---------------------------------------------------------------------- これが私の体験談です。大げさのないように、記憶をたぐり 言葉を選んで記しました。 私は自分を‘霊感’の無い ごく普通の人間だと思っています。 複雑に感情が交錯しています。 どう この気持ちを伝えていいのやら… 『 立ち入ってはいけない場所は必ずある 』 想像してください ‘恐怖’ ‘心霊’ などとという言葉 出来れば使いたくありませんでした。 ‘命’を失った時、この意識はいったいどこへ行ってしまうのでしょうか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私が伝えたい事 理解してもらえたでしょうか。 どうお考えにまりますか。あえて記しますが… これはあくまで 私の中のイメージだと 捉えてもらって結構です。 陰ながら 最愛の人たちを失った、ご主人 ご遺族に、心よりお悔やみ申しあげます。 ---------------------------------------------------------------------- 後日談として…事件現場を知る 別の友人に、「 2階にいかなくてよかったね 」と言われました。 ( 殺害現場は2階の?寝室? 1階の居間に 私は ‘血の痕’ を見ていない…) そして、やはり数年前の事になりますが、偶然にもテレビのニュースに ‘あの家’ を見ました。 どうやら何か、事件に終止符がうたれた…という報道のはずです。 (私は興奮してしまい、その周りにいた友人に説明しつつ、キャスターの話がよく 聞き取れませんでした。 短いニュースでした。) そこに もう ‘家’ はありません。 それを期に 取り壊されたようです。 長い間そこにあったのは、「‘現場の証拠保存’のため 」 だったそうです。 1つだけ、そうであってほしくない事があります… それは、私達が忍び込む際を、犯人の 行動とだぶらせた時−現場が 事件当時のままに、完全に残されていたのだとしたら… ‘勝手口の割られたガラス’ は犯人が割った時のものだったのでしょうか… そこから 同じように手を入れてしまったのでしょうか… 確かめる手立ては もうどこにもありません。 |