先月の謎において、秋田市のチョモランマについて紹介したばかりだが、

隣県である山形県にも、別の意味で大きな山があることを知っているだろ

うか?

 

それがこの、山形市のそば屋「やま七」の「あいもり天()」だっ!

 

まず解説せねばならないが、あいもり天の「あいもり」とは、やま七では

そばと中華麺とのコラボレーションを示す。

普通盛りであれば、そばと中華麺とが文字通り一つのせいろに相盛りされ

て出てくる訳だが、「大」=大盛りの場合は、量が多すぎて一つのせいろ

にはとても乗り切らない。

 

このため、それぞれ400500グラムはあろうかという、超大盛りのそばと

中華麺とが、二段重ねのせいろに別盛りにされて登場するのだ。

これに更に、ちょっとした天ぷら定食用ではないか?というぐらいの量の

ゲソ天が、追討ちを掛けるように供されるのが、「あいもり天()」なの

である。

 

やま七のテーブルマナーとしては、まずはそばを通常のめんつゆと薬味と

で完食し、その後、テーブルに置いてある、酢やラー油といった調味料を

めんつゆに追加投入して中華ダレを自作する。そして、改めて中華麺に挑

むというのが基本作法らしいが、ここで一点注意しなければならない。

 

そばを完食後、中休みで中華ダレを自作している最中に、猛烈な満腹感と

達成感とが襲ってくるのだ。これはきっと、吹雪の山で眠気が襲ってくる

のと同じ原理に違いない。

ややもすると、中華麺に手をつける前に「ごちそうさま」と言いたくなっ

てしまうのだが、決してここで眠ってはいけない。まだまだ中華麺はおろ

か、大量のゲソ天も目の前に聳えているのだから。

 

さぁキミも、己の力の限界を知りたいのなら、まずはこの「やま七」で、

炭水化物という名の険しい山に挑んでみないか?!

 

 

 

チョモランマといえば、誰もが知るヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山で

あるが、実は秋田県某所にも存在していたことをご存知だろうか?

 

それがこの、秋田市はずれの山奥にひっそりと佇む食堂『山の五代』の名

物メニュー、焼肉丼(チョモ)だっ!

 

この焼肉丼(チョモ)、器は、通常の飲食店でラーメン(大盛)用として

使われている丼である。

そこにまず、丼の縁と同じ高さまで、白飯がぎゅうぎゅう詰めにされてお

り、その上に肉と、原型がないほど炒められて何かはよく分らない野菜類

とが、これでもかと正に山のように乗せられている。

炊飯ジャーの中は別として、1人分でこれだけの量の白飯は、これまでお

目に掛かったことがない。

 

チョモとは言わずもがな、チョモランマの略であるが、ここ山の五代にお

いては、焼肉丼に限らず、普通盛り→大盛り→チョモ(=特盛)という風

に、丼もの・麺類・定食問わず、あらゆるメニューを増量させることがで

きるのだ。

 

あまりの量に、途中3回ほどギブアップしそうになって、涙目になりなが

らやっと完食したこのチョモであるが、さらにその上を行く「Wチョモ」

もあるというのだから、やはり山は果てしない。

 

ちなみに、定食でチョモにした場合は、めしはんの「中」など軽く凌駕す

る、見たこともないような白飯が丼に盛られてくることになるので、その

量もさることながら、食べ進める上では、おかずとのバランスにも注意が

必要だ。

 

さぁキミも、この山の五代に行って、周りから「なぜそんなに辛い思いを

してまで、デカ盛メニューに挑戦するのか?」と聞かれたなら、「そこに

飯があるから」と答えてみないか?!

 

 

 

先日、青森市に出張に行った際、同行していた同僚某氏から、せっかく青

森に来たのなら、地元民なら誰もが食っているイロモノ的ではあるが味は

絶品の名物ラーメンをぜひ食ってみた方がいい、と胡散臭くも大いに薦め

られた一品がある。

 

それがこの、青森市にあるのになぜか『味の札幌』の看板メニュー、その

名もなんと『味噌カレー牛乳ラーメン』だっ!

 

この味噌カレー牛乳ラーメン、地元ではやはり有名なラーメンのようで、

味の札幌の前には昼前後は行列が絶えず、且つ、店内の壁にも、名立たる

有名人・著名人のサイン色紙が所狭しと飾られている。

また、それら色紙の多くには、「絶品」「おいしい!」といった、味噌カ

レー牛乳ラーメンを食べた、著名人直筆の感想が書かれている。

 

だが、ここは正直に言おう! この味噌カレー牛乳ラーメン、確かに、確

かにそんなにマズくはないが、大して美味くもない。今回はラーメンだけ

に、同僚某氏から「一杯食わされた」としか言いようがない。

 

言われてみれば、味噌バターラーメンを食って誰もが美味いと感じるよう

に、味噌と乳製品である牛乳との相性は、予想外に良いのかも知れない。

だがしかし、辛うじて調和を保っている、味噌と牛乳のコラボレーション

をさえも、カレーの風味が台無しにしているとしか思えないのである。

 

更に、トッピングはチャーシュー1枚に、メンマ、もやし、ワカメとあり

きたりながら、普通盛で850円とそこそこ値も張るため、言葉を選ばずに

言わせてもらえば、久々に「大盛にしなくてよかった」と思えるラーメン

であった。

 

なお、店の名誉のためにも改めて誤解のないよう述べておくが、決してそ

んなにマズくはない。

 

さぁキミも、青森でこの味噌カレー牛乳ラーメンを食した後は、お口直し

のデザートとして、ドリフ大爆笑でお馴染みの「マヨネーズ牛乳正露丸ス

イカ」でも食ってみないか?!

 

 

 

思えば、この頃すこし図に乗っていたのかも知れない。

 

完食すればタダになるようなものは別として、大概のデカ盛系メニューで

あれば食いきれると。

 

そんな折、幼き人類の慢心を悔い改めさせてくれる、神の鉄槌とも呼べる

メニューに巡り会った。

 

それが、この山形市にある洋食屋『ろかーれ』の定番メニュー、チキンド

リア大盛だっ!

 

まずこの器だが、直径が30cmほどある上、深さも45cmあり、皿ではな

くこれは完全に鍋。中身のドリアも4人前はあるだろう。

 

出された瞬間から、視覚的にも苦戦は予想されたのだが、食っても食って

も鍋の底からとめどなく湧き出てくるホワイトソースと、唐揚げ肉級のゴ

ツい鶏肉が、食い進むほどに胃袋と精神を責め立てる。

 

果たして、若かりし頃に初めてcoco壱の1.3kgカレーに挑戦したとき以来

ではないか?というほどの、半分近い量を残してギブアップしてしまう結

果となった。

そして誓ったのである、初心に返ろうと。

 

さぁキミも、周りで「最近こいつ調子こいてるな」と思うヤツを見かけた

ら、迷わず『ろかーれ』に連れて行って、人間とはいかにちっぽけな存在

であるかということを、思い知らせてやらないか?!

 

 

 

かつて、ドイツの詩人カール・ブッセは、そこに行けばどんなデカイ肉も

食えるという、誰もがみな行きたがる幻の肉屋の存在を、自らが編集する

詩集に記したという。

 

その遥か遠い店に一度は行ってみたいと願ってから苦節10年、とうとう自

分にも伝説の肉屋に辿り着く日がやって来た。

 

お待たせしました! それがこの、山形県米沢市にある食いしん坊のユー

トピア『ビッキ石』だっ!

 

このビッキ石、これまで数々のブログで写真を見るなどして、基礎知識を

十分蓄えた上で訪問したつもりだったが、いざ着いてみると舞い上がって

しまい、店の入口がどこかも分らない有り様。

きっと、唐代に初めて天竺へ足を踏み入れた玄奘三蔵法師も、斯様な体験

をしたに違いない。

 

そして、ビッキ石といえば、ジャンボカツカレー(2500円)が泣く子も黙

る看板メニューであるのだが、あんなデカ盛りはとうてい食える訳がない

ので、今回はカレーだけに華麗にスルー。

ここは純粋に、とんかつのボリュームを『ぐるめ茶屋』と比較する意味も

込め、念願だった「ジャンボかつ定食(1850円)」を注文することに。

 

ぐるめ茶屋ほどではないものの、待たされること暫し。

特大の皿に盛られて出てきたとんかつは、やはりデカイ! さすがはビッ

キ石と唸らせるだけの貫禄を備え、見た目の重量感としては、ぐるめ茶屋

と甲乙つけ難い。

 

がしかし、幻想もここまでであった。

一切れ口に運んでみると、肉屋だけに、肉自体はぐるめ茶屋よりも良質の

物を使っていると思われるものの、叩いて大きく引き伸ばされている感が

否めない上、カツの衣もそれなりに厚く固いのだ。

 

確かに、このゴールドクロス並みに強靭な衣を纏ったとんかつが、ひとた

びカレールーを吸えば、膨張して計り知れぬ破壊力のカツカレーになるこ

とは想像に難くないが、とんかつ単体、あるいは中身の肉のボリュームに

関しては、ぐるめ茶屋に軍配を上げざるを得ないというのが、今回の正直

な感想である。

 

とはいえ、食後の満腹感としては、ぐるめ茶屋と同等であったということ

は、店の名誉のためにも付け加えておこう。

 

さぁキミも、この総括を読んだ後にビッキ石を訪れた上は、迷うことなく

ジャンボカツカレーにチャレンジしてくれたまえ!

 

 

 

私はかつて、淑やかな娘を嫁にもらいたいと願った。

然して、ついぞそのような娘と巡り合うことはなかった。

 

あれから十余年、私は超デカいとんかつを食ってみたいと願った。

果して、私はついにそのようなとんかつと巡り合うことが叶った。

 

それがこの、宮城県黒川郡大衡村の食堂『ぐるめ茶屋』が誇る、とんかつ

定食(特大)だっ!

 

このとんかつ定食(特大)、運ばれてきた実物を見るや、その大きさは山

形県内でかつて栄華を誇った『とんかつ三州屋』のジャンボとんかつ定食

や、仙台大盛りの殿堂『亀鶴庵』の日本一ヒレカツ定食のカツと比較して

も、やはりひと回り以上大きく、自分がこれまで目にしてきたとんかつの

中では間違いなく最大。

 

そもそもメニュー表にも、M(150200グラム)、L(250300グラム)

そして特大(400450グラム)と、値段ごとの肉の重さが良心的に明記し

てあるだが、昨今「ジャンボ」とは言いつつさほど大きくもないとんかつ

を出す店も多い中、ぐるめ茶屋に関してはその数値に偽りなし! 理化学

研究所の所員に爪の垢を煎じて飲ませたいほどの、数値の忠実さである。

 

ちなみに、ぐるめ茶屋では食後のサービスとして、アイスコーヒーかアイ

スクリームを選べるのだが、デカ盛りメニュー中心の店に似付かわしくな

く、アイスコーヒーはお猪口かビールで言うところの「ぐい飲み」サイズ

程度の量しかなく、アイスクリームに至っては、ホームランバー1本が出

てくるだけということは、誤解のないよう予め申し添えておこう。

 

さぁキミも、このぐるめ茶屋のとんかつ定食(特大)を食って、それでも

まだ満腹にならないと言うのなら、もはや米沢のビッキ石に向かうしかな

いことを肝に命じておくべきであろう?!

 

 

 

4月のとある昼下がり、岩手県一関市の森の中で、グリム童話「ヘンゼル

とグレーテル」に出てくる魔女の棲むお菓子の家ならぬ、老女が営む食の

殿堂を発見した。

 

それがこの「かあちゃんの店、お食事処草刈場、かあちゃんラーメン」こ

と人呼んで「かあちゃんラーメン」だっ!

 

まずはこのかあちゃんラーメン、店名からして「かあちゃんラーメン」な

のか、あるいは「かあちゃんの店」なのか、はたまた「草刈場」なのかす

ら判然としない。

 

そして、スキー場のロッジを思わせる店に一歩入ると、まず出迎えてくれ

るのは玄関に置かれた家庭用の冷蔵庫2台。きっと厨房に収まらなくなっ

たのだろう。冷蔵庫の奥には座敷らしきスペースも見えるが、食堂なのか

自宅の居間なのか分からず、怖くて進めない。

 

座敷とは反対側に目をやると、喫茶店か古びたスナックのようなスペース

と、いくつか木製のテーブルが並べられており、どうやらこっちが食堂ら

しい。

そのスナックスペースのレーザーディスク?カラオケの前には、店で飼っ

ている犬と、かあちゃんの孫と思しき写真が所狭しと飾られ、本当に食堂

なのか、更なる不安に襲われる。

 

すると、看板のかあちゃんの似顔絵とは程遠い人相のおばちゃんがテーブ

ルに水を置きにきた。水といっても2Lのペットボトルで、コップに注い

で飲めということらしい。

テーブルにメニュー表も置いていないため、飯を食ってる他の客の頭越し

に壁に張られたメニューを凝視しつつ、これでは味も期待できないだろう

と、一番安いラーメン(\500)を注文しようと思ったが、やや気を使って

大盛り(プラス\100)にすることに。

 

待つこと暫く。運ばれてきたのは、なななんと予想を大きく上回るすり鉢

に入ったラーメン! 器がすり鉢なだけで、ただスープが多いだけのラー

メンも世に多いが、こちらは一切の誤魔化しなしというか、逆に麺が多す

ぎて塊りになっているほどで、3玉以上はあるだろうか。

しかも、単にかあちゃんが切るのが面倒だったのか、大盛りゆえのサービ

スなのかは分らないが、二郎系ラーメンのような極厚煮豚も一切れ入って

いるではないか!?

 

更に追い討ちで、看板にもあった無料餃子と、サービスの漬物、小皿と小

鉢(この日はモツ煮と冷奴)があとに続く。これで\600とは脅威のコスパ

だ、かあちゃん恐るべし!

 

深夜作業明けで、且つ心の準備が出来ていなかったこともあり、想定外の

デカ盛りラーメンをなんとか完食した後、支払いに行くと、レジにちりち

りパーマにメガネをかけた婆さんが立っており、こっちが「本物」のかあ

ちゃんだと知る。

 

連れが看板にあった下宿について訊ねると、泊まるのはこの店ではなく、

歩いて数分の所にある、かあちゃんの自宅なのだとか。謎は深まるばかり

である。

 

さぁキミも、一関市で連泊の折は、このかあちゃんラーメンで食事のみな

らず宿泊もお願いして、ぜひ、かあちゃんラーメン「奥の院」について報

告をしてくれたまえ!!

 

 

 

つい先月のことである。青森県八戸市が誇る市場「八食センター」にお

いて、私は思いがけないものが売られているのを目撃した。

 

それがこの、氷でキンキンに冷やしたワンカップ大関・・・ではなく、

人呼んで「流氷の天使」ことクリオネだっ!

 

クリオネといえば、ひと頃某企業のCMに起用?されてTVでは見てい

たものの、実物を目にする機会はなく、何とはなしにヒイカぐらいの大

きさの生きものを想像していたのだが、まさかこんな、5ミリにも満た

ないものだとは、想像だにしていなかった!

 

しかも、市場でサケ・タラ・サバといった通常の鮮魚類の隣でビン詰め

で売られるとあっては、天使もへったくれもあったものではない。

 

さぁキミも、青森県で八食センターに立ち寄ったなら、ほどよく冷えた

流氷の天使のワンカップを一気に飲み干し喉の調子をよくして、「天使

の歌声」ウィーン少年合唱団に入団してみないか?!

 

 

 

一昨年秋の転職以降、勤務先が店から遠いことが主たる原因で「たいやき

ラーメン」を食す機会が極端に減ってしまい、肉の摂取が不足がちだった

今日この頃。

栄養不足を危惧された「肉の神」は、終に仙台市中心部において、我々に

新たな肉摂取の可能性を与え給うた。

 

それがこの、仙台市青葉区は本町の居酒屋『蒼天をいく』が誇る人気ラン

チメニュー『炭火焼豚丼(メガ盛り)』だっ!

 

この居酒屋『蒼天をいく』であるが、今や、青葉区本町エリアにおいて、

NHK仙台放送局向いの老舗だんご屋『藤や』と並び、高コストパフォー

マンスめし屋の2大巨頭と言っても過言ではない。

 

炭火焼肉丼以外にも、チキン南蛮丼やソースカツ丼をはじめ、デフォルト

で盛りが良く、且つメガ盛り(ごはん・具とも普通盛りの約2倍の量)対

応可能な丼メニューを複数取り揃えており、しかも、いずれの丼もすべて

同じ金額(普通盛り650円、大盛り700円、特盛り750円、メガ盛り850円)

というのだから食いしん坊には嬉しい限り。

 

あくまで自身の健康を引換えにすればではあるが、毎日違うメガ盛り丼を

食べつつ、ランチに1週間通い続けることも不可能ではないのだ。

 

さぁキミも、『蒼天をいく』向かいにあるラブホテル「ファンタジー」に

入店して行く肉食系男子たちを尻目に、炭火焼豚丼メガ盛りを完食して、

真の肉食系とは何かを世に問うてみないか?!

 

 

 

それはとある冬の午前のこと。出張先での深夜作業を終えて新幹線で帰仙

しようとしていた折、秋田駅構内にある土産物店に、そのとんでもない品

はあった。

 

それがこの、秋田県名産の稲庭うどんと、伝説のバンド『アリス』のコラ

ボレーション、その名も『冬の稲庭』だっ!

 

この『冬の稲庭』、発見したときは一瞬、夜勤明けで睡魔が襲うわが目の

錯覚かと疑ったが、パッケージの写真はどう見ても、アリスのヴォーカリ

ストにして、代表曲『冬の稲妻』の作曲者でもある、堀内孝雄本人だ。

 

昨今は、プラチナチケットと化しているアリス復活コンサート全国ツアー

等で、さぞや潤沢な収入を得ていると思いきや、こんなところでも小遣い

稼ぎをしているとは、さすがアリス解散後から歌謡曲に転向するまでの長

い間、なかなかヒット曲に恵まれなかった苦労人だけに抜け目がない。

 

ちなみに、同じ土産物店では、ビニール袋に無造作に詰められた「普通の」

稲庭うどんが1キロ800円程度で売られており、わざわざ高い『冬の稲庭』

を買おうとは思わなかったことを報告しておこう。

 

さぁキミも、秋田県を訪れた際にこの『冬の稲庭』を買って、お家に帰っ

たら、「私の心」ではなくビニールの包装を稲妻のように引き裂いてみな

いか?!