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天皇手術

[2003.01.18 : PRI]
天皇陛下が東大附属病院で前立腺摘出手術、成功。

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 東大付属病院(東京都文京区)で18日朝から始まった天皇陛下の前立腺全摘手術は、同日午後零時52分に無事終了し、陛下は全身麻酔から覚めた同2時過ぎ、手術室を出て新入院棟14階の特別室に戻られた。医師団は同日夕、記者会見し、「摘出は成功裏に終わった」と発表した。複数のがん細胞が見つかった前立腺や、周辺のリンパ節は病理検査して転移の有無を確認するが、肉眼では見られなかったという。陛下は医師団の報告を受け、感謝の言葉を述べられた。経過は順調で、20日から歩行訓練を始められる。

 陛下は午前7時54分、病院中央診療棟4階にある手術室に入られた。全身麻酔の後、午前9時12分から、がんを取り除くために、下腹部を開いて前立腺やリンパ節などを摘出する手術が行われた。手術は3時間40分かかり、午後零時52分に終了した。

 手術の状況は、同5時半から、宮内庁の金沢一郎・皇室医務主管や、医療チームの垣添(かきぞえ)忠生・国立がんセンター総長、北村唯一(ただいち)・東大医学部教授ら4人が、記者会見して発表した。

 金沢医務主管は「手術は無事終了いたしました」と切り出し、前立腺などの組織を全摘出し、出血は予想以下で、輸血が事前に採った自己血で十分だったこと、麻酔の目覚めも順調だったことなどを説明した。

 手術にあたった垣添総長は、「転移を疑わせる所見はない。やれることは100%やった」、北村教授も「肉眼的にはきれいに取り切れた。経過もよい」と話し、完治への自信をのぞかせた。

 陛下は20日の歩行訓練で問題がなければ、数日で普通に歩かれ、食事もおかゆから通常食に戻るという。1か月ほどで退院し、皇居・御所で静養される。