日本列島縦断バスの旅

 

【9日目】 函館→長万部→岩内→札幌

やっと北海道に上陸。しかしまだ先は長い。特に函館から札幌までの間は夜行便しかなく、昼間行こうと思えば普通の路線バスを乗り継ぐしかない。



 函館駅前。
もうじき建て替えられるらしい。
 

まず乗るのは長万部行きの函館バス。もちろん駅前も通るのだが、「函館バスセンター始発」となっているので、わざわざタクシーに乗ってそこまで行く。どうでもいいことに凝るよなぁ・・・。

「バスセンター」と言っても、そこはただのバス営業所で、7:02出発。市内の道を大回りに走って函館駅に12分もかかって着く。
このバス、この先七飯町の藤代というところ(JR函館線仁山駅のちょっと手前)まで急行で、そのあたりまでは結構乗り降りが多い。そこを過ぎるとすいてしまう。
この先、森町内の営業所前で5分休憩。森からはほとんど海とJR函館線に沿うようになる。人家はあまりなくて、たまに集落がある程度だが、八雲が近づくと、バス停ごとにうじゃうじゃ客が乗ってくる。八雲町内に入ると反対にどんどん客が降りていって、最後には何と私1人になった。
この先も似たような景色がつづくが、今度はあまり混んで来ずに、10:09長万部駅前に着く。このバスは町内の営業所行きだが、ここで降りた。

長万部駅前(と言っても国道沿い)には、函館バス、ニセコバス、道南バス、北海道中央バスの4本もポールが立っていて豪華だが、数えてみたら4社あわせて1日18本しかバスがない。
当初、ここからニセコバスの寿都行きに乗り、そこで乗り換えて岩内に行く予定だったが、北海道中央バスに1本だけ岩内行きがあるのを発見、ちょうどいい時間だったのでそれに乗ることにした。

11:35、駅前から岩内行きのバス発車。車内の客は2人だけ。このバスは長万部町内から国道5号線→道道9号線→国道229号線と走って岩内に向かうのだが、特に海沿いの229号線に出るまでの間は雪深いところで天気も吹雪いており、見えるものすべてが白かった。



こんな状態でした。
 

とにかく人口密度の低いさびしいところを走り続けるので、結局途中の客の乗り降りはなかった。久しぶりに家が多くなったな、と思ったら岩内の町だった。12:58岩内バスターミナル着。

岩内バスターミナルは、かつて廃線となった国鉄岩内線の旧岩内駅跡地に作られたと見え、新しい建物であった。ここからは、札幌行きのバスがそれなりに出ている。

13:40、札幌行き発車。トイレ付きのハイデッカー車であった。また雪が多くなる。途中で国道5号線と合流。仁木町、余市町と、けっこう栄えた町を通る。その後、海沿いのトンネルの多い道になり、その状態のまま小樽市内に突入。小樽駅前で、時間調整を兼ねた休憩がある。

ここから札幌までの間は、10分ヘッドダイヤになる。私が乗っているような遠距離バスもその中に組み込まれているので、ぞろぞろ客が乗ってくる。
小樽市内から、札樽自動車道を走る。この自動車道は距離が短い上にすいているので、30分くらいで札幌西I.C.で降りて、駅前のバスターミナルを通って終点札幌バスターミナルに16:20到着。

函館から札幌まで、こういう風に行く人ってあまりいないだろうな・・・。

 

【10日目】 札幌→稚内

縦断旅行としてはいよいよ最終日。札幌から稚内までは一転して直行バスがあり、楽である。

札幌から稚内までは宗谷バスと北都観光あわせて5便の直行バスがある。共同運用というわけではなく、それぞれの乗り場はばらばらである。

で、今回は宗谷バスに乗る。現在は両社のバスともに札幌駅前ターミナルから出ているのだが、当時は札幌東急ホテルの前が出発地であった。
といってもちゃんとしたバス停になっていない。ホテルの前は札幌周辺のスキー場に行くスキーバスの出発地にもなっていて、板を抱えたスキー客がわんさといる。そして次々にバスがやってきて、それらの客を乗せていった。
そのバスのいずれもが、市内の溶けかかった雪で汚れている中、ぴかぴかに車体が洗われた稚内行きのバスがやって来る。なんとバスガイドさんまで乗務していた。



ラストランナーわっかない号
 

8:40、札幌発稚内行きの宗谷バス「わっかない」号発車。
国道12号線や275号線で郊外に出て、札幌I.C.から道央自動車道を走る。完全に圧雪状態になった道を、バスは何でもないようにスピードを出して走る。雪がめったに降らないところに住んでいる私には怖くてできない芸当である。
9:45、滝川I.C.で高速を降りる。滝川市内をつっきって石狩川を渡ったところから国道275号線に入る。そこが新十津川町で、その次の雨竜町内にある日の出ドライブインというところで、何と20分も休憩。10:40出発。
その先で国道233号線へ。途中からJR留萌線と並行する道である。このへんから吹雪いてくる。ちょうど稚内を8時に出発した札幌行きとすれ違ったので、「雪の状態は?」などと無線で交信しあっていた。
留萌市街のちょっと手前でこんどは国道232号線。すぐに日本海に出る。ここからは、廃線になった旧国鉄羽幌線に沿った区間で、海岸線が100km以上続く(すごいスケール)。すこしウトウトしていたところ、小平町と苫前町の境付近にあるシーサイドドライブインというところで2度目の休憩。
そこから先は、人っ気のない海岸線にときたま町が現れる、という感じが果てしなくつづく。
バスは天塩町からやっと内陸に向かい、13:35頃国道40号線と合流。それからもサロベツ原野という何にもない白い大地の中を走る。
その先、国道238号線と合流するあたりから、稚内の市街地、という感じになる。乗客の中には、稚内に住んでいて札幌に行った帰り、という人もいて、通り沿いの路線バスのバス停で降りていく。

そして、14:35に終点の稚内バスターミナルに到着した。
めでたくこれで目的達成したのであった。



大雪の稚内駅前

 

旅はこれで終わったわけではなかった。その後、稚内→宗谷岬→紋別→網走→屈斜路湖→摩周湖→阿寒湖→羅臼→納沙布岬 とのたれ歩き、結局帰宅したのはさらに1週間後であった・・・。

 

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