離島シリーズ
沖縄の島々

 

★大東諸島の島々



絶海の孤島...

台風情報とかでよく登場する南北大東島。沖縄本島から東方向に約390km行ったところの太平洋上に浮かぶ、まさに絶海の孤島である。
これは、東京から岐阜くらいの距離に相当する。

南北2つの島は距離にして12kmほどしか離れていない。今では両島を結ぶ飛行機の定期便があるが、私が行った当時は月に数便の船便を待つか、地元の漁師さんに頼んで船で渡ってもらうかしかなかった。

ここへ行く船の便は、沖縄本島那覇港から1ヶ月に4〜5便のみ。
飛行機那覇空港から南大東に1日2便、北大東には1日1便、39人乗りのプロペラ機が飛んでいる。

でも、これでもだいぶよくなった方である。

私が行ったときは、南大東に1日1〜2便北大東に至っては週5便、それも19人乗りの飛行機であった。
これだけ小さい飛行機でこれだけ距離の長い路線だと、いろいろ制約(重量制限)があるようで、往路は12人、復路は17人しか客を乗せなかった。往復で乗せる客数が違うのは燃料と荷物の重さの関係とのことである。
こういう状態なので、飛行機は常に満席。予約を入れるにも、だいぶ早い段階から満席になってしまっていた。
それでも、急に島に渡ったり、逆に島から本島へ行く用事がある人もいるわけで、そういう人は1日数席出るキャンセル待ちをすることになる。しかし日によっては全くキャンセルが出ない日もあり、「残念でした、またあした〜」となる。まあ、それで通用するのんびりしたところがあったんだけど。
それに、飛行機自体が小さかったので、ちょっと天気が荒れるとすぐ欠航。私が行ったときもそれで予定が狂ったものである。



度重なる沖縄渡航で合計10回近く乗っているDHC−6型飛行機。定員19人。
現在では大東路線には就いていない。 北大東空港にて。
この当時はまだ南西航空(現在のJTA)のマークが残っていました。
 

今は飛行機の定員も倍になったし、便数も増えたし、そんなことはないんだろうなあ。いずれにしても、また行ってみたいところである。

 

北大東島

大東諸島には3つの島があり、そのうち2つの島が有人島。その小さい方の島、北大東島。私がはじめに訪れた島である。
人口は約500人。ほとんど起伏のない平べったい島だが、海岸線は切り立った崖になっているので、島内にいると海の気配がなく、ここが絶海の孤島であるような感じがしなかった。
もっとも、そういう地形のおかげでまともな港を作ることができず、船はきちんと着岸できないので、人も貨物もクレーンにつり上げられて上陸するという光景が展開される。



ワイルドな港です。


那覇から約1時間半のフライトを終えていかにも離島の空港らしい北大東空港に着くと、民宿二六荘のおじさんが話しかけてきた。島には宿がこの1軒しかないので、島の人につてがない限りはこの宿に泊まることになる。宿のおじさんからしてみれば、そういう人はすぐ見分けがつくだろうから、客を見つけるのが楽である。



北大東空港。のんびりしてます。
 

この宿のおじさんは、宿「も」経営しているという感じで、本職はサトウキビ農家。島内でトラクターを運転しているところを何度か見かけた。だいたい島内はほとんどサトウキビ畑と言ってもいいほどで、南大東とあわせ、戦前までは製糖会社が島のすべてを運営していたとかいうことである。

島内には、レンタカーとかレンタバイクとかの店はない(需要がないので)。ただし、宿の人に断りを入れれば、宿の周辺にとまっている車を自由に使うことができるという、すごい世界であった。
宿に着いて最初に借りた車は、近くの土建会社の人の車で、「貸してあげるからガソリン入れてきて」とお金を渡された。ここ以外では考えられないような出来事である。

この島では1泊して帰る予定が、翌日飛行機が欠航して2泊するハメになった。大東諸島は天気がまあまあなのに、沖縄本島の天気が悪かったらしい。なにしろ390kmも離れているのである。
その日はホントにやることがないので港に行ってぼーっと景色を眺めていた。穏やかな海を眺めていると、何で飛行機が飛んで来ないのか不思議なくらいであった。

 

南大東島

本当は北大東島とセットで行くはずが、上記のように足止めを喰らってしまったため行くことができず、2年後再び機会を作って行った南大東島。
北大東島より大きく(約1.6倍)、人口も多い(約1,400人)。大きいとは言っても5.8km×6.5kmというくらいの大きさである。

地形的には北大東島とほとんど同じ。周りが切り立った崖になっていて、むしろ内部の方がくぼんでおり、その中心部は池が多く点在している。よってここも島内にいる限りは孤島にいる感じがしない。



島内の景色。ホントに島の中にいるという気がしてきません。 
 

見るべきものがあまりない北大東島に比べ、この島の中心部には鍾乳洞があり、その周辺は一応公園として整備されている。ただ管理人が常駐しているわけではなく、鍾乳洞内部に入るには村役場に行ってカギを借りてくる、という手順をふむことになっている。

島内で一番大きな集落である「在所」というところには、宿から飲食店から娯楽施設から、ひと通りそろっている。自動車修理工場では原付も貸していて、ここで原付を借りて島内を走り回っていた。
また私もここにある宿に泊まったのだが、いかにも夜が遅い沖縄人の気質らしく、夜中までけっこう騒がしかった。

 

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