離島シリーズ
沖縄本島周辺の島々

 

●渡名喜島(となきじま)

粟国島、久米島、慶良間列島に囲まれた位置にある渡名喜島。周囲8km、人口500人余りの小さな島である。
那覇港と久米島を結ぶフェリー(1日1往復)が渡名喜島に寄る。これがほぼ唯一の公共交通で、同じ航路の高速船が立ち寄る時期もある。


久米島の兼城港を出航した那覇行きのフェリーは、まずは渡名喜島に向かう。港から外に出ると、海が荒れていてとたんに揺れ始める。船に乗っている客は地元の人たちばかりで、これくらいの揺れは何でもないのだが、風が当たるところでは海水がガンガン飛んでくるので、甲板にいる人も風が当たらないところに避難していた。
やがて渡名喜島に近づく。船はスピードを落とし、揺れもおさまる。



渡名喜港に入港
 

久米島から1時間30分ほどで渡名喜港に着岸。5人くらい降りて、30人くらい乗る。私は下船すると、ターミナルのベランダみたいなところから出航まで眺めていた。積み下ろしの貨物がやたらと多くて、20分以上とまってから那覇に向かって出航していった。

そこから歩いて今日の宿に行く。この島の集落は全体がフクギの木で覆われていて、白い砂の敷き詰められた道は細く、どこも同じような景色なので道に迷う。ということでかなり大回りに宿に着く。
宿に荷物を置いて再び港に行く。ちょうど那覇からやって来た久米島行きの船が入港していた。今日渡名喜島にやって来る船はさっき私が乗ってきた船とこの船の2便だけである。
その船が出航していったあと、久米島で出航前に買っておいた弁当を食う。この島には食堂がなく、先日宿に電話したときに「昼飯は久米島で買ってきてね」と言われていた。

今日の午後はひたすら島の中を歩いた。島の中には自転車などを貸してくれる店があるわけがなく、また島全体があまり大きくないので、十分歩ける。

まずは集落を見下ろす位置にある小高い丘の上に登る。先ほども述べたように集落全体が風除けのためフクギの木で覆われているので、家々の屋根が見えるかどうかという感じである。



丘の上から見た渡名喜の集落
全体がフクギの木で覆われているので、家がよく見えません
ちなみに手前の黄色い建物がこの日の宿
 

その後集落の中を歩く。集落内のいたるところに住居表示板(案内板)が建っているが、細い道が碁盤の目のように入り組んでいて、しかもそれが完全でないために余計にわかりにくい。結局島を離れるまでに一部しか理解できなかった。



集落内いたるところにある住居表示板
これを見ながら歩いてもやっぱり道に迷います^^;
 



集落内はどこを歩いてもこんな景色です
道に迷う理由がおわかりと思います(苦笑)
 

そんな中の民俗資料館に行く。1階が老人福祉センター、2階の半分が図書館で、その図書館に顔を出すと管理人の人が残る半分部分の資料館を開けてくれた。

渡名喜島の地形は、おおよそ北側が平地で南側が急峻な山地。集落、というか人間が住んでいるのはその北側の平地部分だけで、南側には林道のような道が走っているのみである。
その南側部分にも行ってみた。ずーっと上り坂を登っていくと、見晴らしのよいところに出る。ガケの下に見えるのは、地図によれば島の南端クルグ崎らしい。さらに進むと、道が途中で終わっていた(この先道路工事をしていたので、現在は1周道路になっているかも知れない)。

集落のある北側部分は細くなっていて、幅が5〜600mくらいしかない。その西側は港で、東側は砂浜になっている。夕方、すっかり歩き疲れてしまったのでその砂浜にすわってぼーっとしていた。



先ほどの丘の上から見た
集落東側の砂浜
 


夜、集落内を歩いてみた。集落内はすっかり静かになっていて、また晴れていたのできれいな星空が見えた。私の住む辺りではなかなか見られないきれいな星空を見るのも、離島の旅の醍醐味の1つである。

 

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