離島シリーズ
鹿児島周辺の島々

 

種子島を1周した翌日、今度は屋久島に向かう。
種子島から屋久島へは、昨日も乗ったトッピー号の他に、島の南方・南種子町の島間というところから出ている上屋久町営のフェリーがある。昨日と同じトッピー号で行くのも面白くないので、後者のフェリーで行こうと考えていた。
しかし、今日も昨日と同じくらい強風で海が荒れまくっているのが宿からも見える。海の荒れに強いジェットフォイルはともかく、フェリーはちょっと怪しかったので、電話で問い合わせたところ「定刻通りです」との返事だったので、フェリーで行くことにした。

まずは西之表から南種子町の上中に行く路線バスに乗る。
日曜日の朝だったので、車内にはカーラジオで「全国子供電話相談室」(子供の頃よく聞いたなあ)が流れていた。それによると今日の東京は朝から大雪らしく、全国放送なのに大騒ぎしている。ちなみにこちらは快晴なので、「みなさん気をつけてくださいね」といわれてもなぁ…。全国放送なのに、自分のところの事情だけで発言するのは何とかしてほしいものである(地方を旅していると時々思う)。
バスは基本的に昨日も走った国道58号線を走るが、国道から少し外れた旧道を行ったり、空港に寄ったり、路線バスらしい走り方をして、1時間半ほどで終点上中バスターミナルに着いた。ここからはバスはないのでタクシーに乗る。道は引き続き国道なのでよく整備されている。途中正面に海が一望できる区間があり、1隻の船がこちらに向かっているのが見え、「あれがフェリー太陽(これから乗る船)ですよ」と運ちゃんが言った。

 

●屋久島(やくしま)

島間港は貨物港のような感じでコンテナ類の陰に隠れるように小さな券売所兼待合室がある。10:10頃、大揺れしながらフェリー太陽が入港してくる。その時だけ岸壁がややにぎわった。



フェリー太陽
海が大しけで揺れたのなんの
 

こちらに来る便には20人くらい乗っていたのに、折り返しの便の客は私を入れてたった3人であった。10:45出航。港内から出たとたん猛烈に揺れ始める。私も何度かしけた時に船に乗ったことがあるが、そんな中でも1番の揺れ方だったと思われる。
海が大しけの上に風上に向かって進んでいたため、10分ほど遅れて12時に屋久島・宮之浦港に着岸した。


屋久島は中央に九州最高峰の宮之浦岳(標高1,935m)がそびえるほぼ丸い島。島の
北側半分が上屋久町南側半分が屋久町となっている。
ちなみにこの島の沖合に
口永良部島(くちのえらぶ)という島があり、ここも上屋久町に属している。私が乗ってきたフェリー太陽は、宮之浦港から種子島の島間と口永良部島に1日1往復ずつしているのである。
この島のメインの港は上屋久町の宮之浦港。空港も上屋久町内にある。一方屋久町の方にも、安房(あんぼう)港というトッピー号もやって来る港がある。


港には、昨日のレンタカー会社の宮之浦の営業所の人が待っていた。曰く、「今日は揺れたでしょう。私も、車の輸送とかでたまにこの船を使いますけど、こういう日は乗りたくないですね」。今日は営業所に向かう。ただし手続きに必要なデータはすでに来ているらしく、書類関係はできあがっていて手続きはすぐ終わる。しかも支払ったのは基本料金だけで、保険料、消費税、延長料金(24時間以上乗る分)、乗捨料金(空港で乗り捨てるため)はすべてサービス。昨日のおじさんには感謝である。

出発。屋久島は丸い島なので、1周道路がほぼ1本道なのでわかりやすい。その道を時計回りに走り出す。
10分ほどで空港に着いて少し立ち寄り、さらに15分ほど走ると屋久町に入り、最初の集落安房の先で山の方へ向かう道に入る。5分ほど登ると町立の屋久杉自然館がある。要するに屋久杉をテーマにした資料館で、あたりには研修センターや、環境庁の世界遺産センターなどがある。

そこからさらに上に向かう。道は途中から簡易舗装の林道になる。そんなところを30分ほど走っていくと、屋久杉ランドの入口に着く。
中に入るとき、「森林環境整備推進協力金」という名目で300円取られる。内部は要するに屋久杉が多く含まれている原生林の中の遊歩道といった感じで、時々巨大な屋久杉が現れる。いろんなコースがあったようだが、「最もポピュラーな」コースを歩いてみたら35分くらいかかった。



こういう感じの遊歩道
 

その後さらに上にある紀元杉へ行く。途中からデコボコ道になり(こんなところで観光バスとすれ違う)、15分ほどで着く。ホントにでかい杉で、周りを1周する遊歩道もあった。



紀元杉。大きすぎて、根元しか写っていません^^;
 

ここから、まっすぐ今日の宿のある尾之間というところに向かう。屋久町の町役場があるところである。
宿に着くと、主人から「夕食までの間、この近くに温泉がありますので、もしよろしければどうぞ」とのことなのでさっそく行ってみる。その温泉は地元の人たちで大にぎわいであった。



宿の近くにあった尾之間温泉
 


私の泊まった宿の客は私以外全員釣り客だったようで、翌朝6時には全員出かけていってしまった。そのせいで目が覚めて、私も比較的早く宿を出発した。再び島の1周道路を走り出す。
このあたりは滝が多い。宿のある尾之間の上の方にある千尋滝や、さらに行って再び上屋久町との境目付近にある大川の滝(日本の滝100選)に立ち寄る。



千尋滝です
 

上屋久町に入ると、しばらくは山が海に迫って人家のない区間が続く。このあたりでは野生の猿をやたら見かけた。
40分ほどで島の西端・屋久島灯台がある。海の向かいには、時間があと1日あれば絶対行っていた口永良部島が見えた。

10分ほど走ると久しぶりに集落があって、ここから先は道も平坦になり砂浜に沿って走ることもある。途中、志戸子という集落の中にあるガジュマル園に立ち寄る。さらに進むと、昨日のスタート地点。宮之浦である。


この時点でお昼。帰りは飛行機で帰ることにしていて、その時刻は夕方。午後は、これまた景色のよい白谷雲水峡というところに行こうと思っていたが、途中の林道が土砂崩れで行けない旨が昨日の世界遺産センターの掲示板に書かれていてやることがなくなってしまい、港に出入りする船などを眺めて時間つぶししていた。

 

今までずーっと地面(と海上)を這いずってきたこの旅行だが、帰りは一気に飛行機で、鹿児島経由で羽田に向かった。
午後4時台という比較的早い時間帯の飛行機に乗ったので、夜10時前には自宅に着いた。



屋久島から鹿児島に飛んだYS11型機

 

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