離島シリーズ
 八重山諸島の島々

 

●与那国島(よなぐにじま)

他の八重山諸島の島々とは少し離れ、石垣島から約124km沖、沖縄本島からは約500km離れた位置にある、正真正銘日本最西端の島、与那国島。ちなみに台湾までは111kmしかなく、台湾の方が近かったりする。
周囲は約27.5kmで人口は約1,700人。島全体が与那国町という町である。

飛行機は石垣島から日本トランスオーシャン航空(JTA)のジェット機が1日1便。その他週3回、琉球エアコミューターのDHC−8型という39人乗りの飛行機が、那覇と石垣島それぞれ1往復ずつ飛んでいる。その他石垣島からのフェリーが週3便。
他の八重山諸島の島々とは違い、飛行機の方がメインになっている。

初めて行ったときには石垣島からYS−11型のプロペラ飛行機が1日2便だけ就航していた。悪天候に弱く、3便連続(つまり1日半)で欠航になり、だんだん意地になったものである。



石垣〜与那国線に最後まで残っていたYS−11。
この写真を撮ったときはすでにJTAになっていましたが、
引退するまで塗装はかつての南西航空のままでした。


八重山諸島の中では3番目に大きい島で、レンタバイクやレンタカーの店がいくつかある。私は2回行ったことがあるが、2回ともレンタバイクを借りて島内を走り回っていた。


この島はおおよそ東西方向に長い楕円形をしている。北東寄りに町役場のある祖納(そない)、西寄りに久部良(くぶら)、南寄りに比川と、3つの集落がある。ということで久部良は「日本最西端の集落」ということになる。フジテレビ系でやっていた「Dr.コトー診療所」のロケは比川集落のはずれの場所で行われた(今も建物が残っているらしい)。
また大きな港は久部良、空港は祖納と久部良の中間にある。



町役場のある祖納集落。

 

島をおおよそ1周する道がある。ただし特に島の南東側は起伏に富んだ地形になっていて、あまり海に沿っているわけではない。そのあたりにはサンニヌ台や立神岩といった荒々しい地形の場所がある。サンニヌ台はNHK大河ドラマ(琉球の風)のロケが行われた場所で、それの記念碑もある。



サンニヌ台付近から見た荒々しい景色。


島の東端は「東崎(「あがりざき」と読む。理由は太陽が「あがる」ところだから)」。ここは先ほどの場所の続きで海沿いは断崖になっていて、その上は一面芝生のなだらかな丘になっていて見晴らしがよい。ただし、野生の馬がたーくさんいる。



東崎灯台付近。
野生の馬がたくさんいる。 


その反対側、島の西端にあるのが「西崎(さっきと同じ理由で「いりざき」と読む)」。ここに「日本最西端の碑」がある。久部良の集落から、海に突き出た半島の先にあるのだが、そこへ続く道はいかにも亜熱帯ぽい植物が植わり、いかにも西の端に来たぞー、という気分になるのであった。
この久部良集落のはずれに、いかにも南国らしいオープンな雰囲気のカレー屋さんがある。最近こういう店があちこちにできつつあるが、その先駆けのような店で、非常に居心地がいい場所であった。



日本最西端の碑。
正面から撮った写真が残っていない^^;


今現在はよくわからないが、島内には町営の路線バスが走っていて、マニアな私はこいつを利用したことがある。島内にある3つの集落の間を行ったり来たりしていて(ただし本数は少ない)、料金は集落間100円。2回目に島を訪れたとき、宿をとった祖納から、久部良にある最西端の碑まで行くのに利用した(実際には雨が降りそうな天気で原付だと不安だったので、歩いて行ったというのが真相であるが)。
そのときは運行時間の関係で久部良では2時間ほど時間があり、のんびり最西端の碑まで歩いて行ったものである。行きは100円、帰りは比川経由だったで2集落間を走るということで200円であった。



日本最西端の碑から見た久部良港と集落。


ちなみにかなり余談になるが、島を訪れた2回とも、祖納集落にある同じ民宿に泊まった。
帰宅してしばらくしたある日のこと、とある仕事で取引先の人と打ち合わせをしていた。その人が沖縄っぽい名字だったので「沖縄の方ですか」と聞いたのがきっかけで、なんとその人の実家がこの民宿であることがわかった。
世の中って狭いなあと改めて思ったものである。

 

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