海外の鉄道もの
ЭР200 「エル200」と読む
ロシアを訪れた際、モスクワからサンクト・ペテルブルグまで列車で往復した。
その時サンクト・ペテルブルグからモスクワまで戻るのに乗ったのが、ロシア版新幹線ЭР200形電車。
型式がそのまま列車名になっていて、電光掲示板にも「ЭР200」号となっていた。ペテルブルグとモスクワを週1往復している。
ペテルブルグ-モスクワ間は、ほぼ東京-大阪間の距離と同じで、夜行をはじめ多くの列車は、そこを8時間半くらいで走っている。それに対して、この電車は約5時間で走破する。日本でいえば、在来線と新幹線の中間ぐらいの所要時間である。そういえばロシアでは珍しい長距離「電車」である。往路の夜行寝台では、何カ所か停車したような気配があったが、この電車はノンストップで走る。
一番上。157列車 モスクワ行き「ЭР200」号
ЭР200形電車
電車は10両編成で、各車両2人掛けの座席が左側は前向き、右側が後向きの固定式になっていて、私の席は幸運にも前向きシートの窓際であった。
各車両、客室の前後には、電光式の時計があるが、走り出すとスピードも表示するようになる。さすがに速さが売りの電車である。
列車の入口
車内の様子
私の車両(3号車)は満席のようであったが、あとで車内を歩き回ったところ、後ろの方の車両にはけっこう空席があった。
12時5分、定刻通りペテルブルグを発車してすぐ、ワゴンがやってきたので、昼食を買って食べる。パンの上にサラミやイクラを乗せたシンプルなものであった。
このころから町を抜け、原生林になる。考えてみれば往路は寝てるうちに着いてしまったからほとんど景色を見ていない。その景色を食い入るように眺める。沿線には意外と集落が多く、そのつど駅がある。電車は、最高180㎞/hくらいのスピードで突っ走る。スピード表示しているからよくわかる。
2時間ほどして、電車内の探訪に出かける。10両編成のうち、両端の2両はビュッフェになっていて、そこでコーヒータイム。地元の人はビールやウォッカを飲んでいる。
昨夜あったという列車事故と関連があるのか、徐行する区間がときどきある。特にそのうちの1ヶ所は、長いデットセクションがあり、しかも単線になって工事中のような雰囲気の区間が30分くらい続いた。
モスクワに飛行機で着くときに、その周辺に湖が多いという印象があったが、この列車もモスクワが近づくと湖のほとりを走ることもあった。
とにかく原点が鉄道旅行好きの自分にとっては、実に飽きのこない5時間強であった。
さすがに徐行区間が多すぎたのか、モスクワには定刻より30分ほど遅れて着いた。