海外の鉄道もの

モスクワの地下鉄


モスクワの、というかロシアの地下鉄については、過去何人かから話を聞いたことがあり、実際のところどんなもんなんだろう、と出かける前から楽しみにしていたもののひとつである。



地下鉄駅の外観
どこもこんな感じで豪華
 

ガイドブックには、どこまで乗っても均一料金で、1回用のコインと、回数券があると書いていた。しかし、モスクワの場合、1回用についても厚紙でできたカードで(4ルーブル)、あと5回用と10回用の、材質が同じでプリペイドカードのような回数券(それぞれ15ルーブル、30ルーブル)があった。すべて窓口での手売りであり、最初は窓口の人と言葉に苦労しながら買っていたが、途中から紙に用件を書いたものを見せて買うようになった。(私が行った'99年9月現在で1ルーブル≒5円。)

改札口はすべて自動改札で、日本と違い最初は開いている。ふだん青いランプがついていて、何か間違ったカードでも入れると赤いランプに変わって改札が閉まる。改札にカードを通すと裏に乗った駅のコードと時間が表示される。ちなみに改札機があるのは入り口だけで、出口は改札機がなくそのまま外へ直行となる。そしてその先にものすごいエスカレーターが控えている。

そのエスカレーターであるが、聞いていたとおりものすごいスピードで、ガーガーいいながら動いている。手動運転らしく、エスカレーターの下側に制御室があり、常に監視員がいた。そして、これだけのスピードでも走り降りる人が多い。というのも駅のホームがどこも非常に地下深いところにあって、これでもかなり時間がかかるのである。自分もこのスピードに慣れてくると、だんだんまどろっこしくなってきて、走り降りるようになった。

駅のホームはどこも美術館のように装飾や照明に凝っていて、思わず写真を撮りたくなるが、基本的には撮影禁止のようである。まあ、撮っても何も言われなかったかもしれないが、警備員が常にホームを歩き回っていて、非常に撮りずらく、結局1枚も撮っていない。そのかわり駅舎の写真は何枚か撮った。駅舎は外観が聖堂のような荘厳な建物の場合が多く、地下鉄を示す「М」のマークがなければ地下鉄の駅とは思えない。

駅名は非常に長い名前が多い。ロシア文字にそろそろ慣れてきたとはいえ、路線図と駅名標を必死に見比べては乗り換える。路線ごとに色を変えるとかいうことをしないので、余計である。

電車は、全路線統一で2種類。両方とも濃い青色の車体で、照明が白熱電球のタイプと蛍光灯のタイプの車両があり、白熱電球の車両は、昔の銀座線のように、駅に近づくたびに一度電気が消える。車内放送はすべてテープで、「閉まる扉にご注意下さい」というような放送もする。そして、ものすごい勢いでガシャンと扉が閉まる。イメージとしてはギロチンのようである。

各路線とも運転間隔は非常に短い。各ホームの一番前寄りには電光のタイマー時計があり、前の電車が行ってから何分たったか示しているが、どんなに開いても3分以内には次の電車が来た。1分以内に来ることもしばしばであった。

 



1回用乗車カード
 



10回用乗車カード
5回用はこれとまったく同じ柄
 



裏に印字される文字
駅のコードらしきもの2つ、日にち、時間、残回数の順

 

 

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