海外の鉄道もの

ニューヨークの地下鉄


ニューヨークを訪れた際、移動の足となったのはもっぱら地下鉄であった。というか、イエローキャブと呼ばれるタクシーには結局一度も乗らず、ひたすら地下鉄を乗り継いでいた。

ご存じのように、ニューヨーク市はマンハッタン、ブロンクス、クイーンズ、ブルックリン、スタテンの5つの区からなっており、そのほとんどの地域に地下鉄がくまなく複雑に走っている(マンハッタン以外では地上を走っている区間の方が多いけど)。そのため総延長はものすごく長い。こいつを乗りつぶそうと思えば、相当な時間と体力と勇気が必要と思われる。

治安の悪さの代名詞のようなニューヨーク地下鉄であるが、周りにそれなりに客がいる限りは特にそんな感じはない。よく聞くような車内の落書きもない。ただし、ガラスの部分は傷だらけ。また、夜間の人影の少ない地下鉄はまさに身の危険を感じる不気味さであった(自慢じゃありませんが体験しました。あの体験はもういいです(^^;) )


ニューヨークに最初に降り立ったペン・ステーションがあるのは、マンハッタンの34丁目というところで、地下鉄のA,C,E番と1,2,3,9番のそれぞれ 34th Street駅に地下道でつながっている。このようにニューヨークの地下鉄の駅は通り名がそのまま駅名というのがほとんどなので、ある意味わかりやすい。



駅の入口
緑色の
は24時間営業の入口ということを示す。
 

改札口の近くにコンテナくらいの大きさの駅員がいるボックスがあり、ここでメトロカードを買う。メトロカードにはプリペイドタイプ、回数券タイプ、乗り放題タイプの3種類があるが、デザイン的には1種類しかない。カードの磁気部分に書き込まれる情報によって、1つのカードがどんなタイプのものにもなるのである。
一番お得な乗り放題タイプには1日間、7日間、30日間用の3種類しかなく、私は足かけ4日間しか滞在しないが7日間用を買った。それだって12回乗れば元が取れる計算である。ちなみに、
1回だけ乗れるトークンというコインもある。



メトロカード
1回用のトークン以外を買うとみんなこの柄。
 



その裏面
使用方法が書かれている。
 

改札はすべて自動改札。ニューヨーク地下鉄の自動改札の場合、カード類は投入するのでなく、クレジットカードのように磁気部分をスライドさせる。スライドさせる溝は歩く方向と平行にあるので、慣れてしまえば歩くスピードをまったく落とさずにスムーズに改札を通過できる。



改札口
 

改札を入り、ホームに降りる。古くて、ごみごみしている。マンハッタン内ではほとんどの路線が複々線で、内側の2線が急行用、外側の2線が鈍行用として使われていて、急行停車駅では島式ホーム2面、そうではない駅は相対式ホームと形が統一されている
ちなみに最初に乗った路線では1,2,3,9という4つの路線が同じ線路上を走っているのだが、このうち2番と3番が急行、1番と9番が鈍行である。このようにマンハッタンではたいがい1つの線路上に複数の路線が走っていて、路線ごとに急行か鈍行かが決まっている。そして郊外に出るとそれぞれの路線に分かれていく。



ホームの様子
だいたいどこもこんな感じ。
 

時刻表というものはない。運ちゃんの独断で、てきとうに走っているようにしか思えない。だから運転間隔はバラバラである。最初に乗ったのは2番の急行だったが、前との間隔があいていたのか、ものすごく混んでいた。
ただし、どんなにボロい車両でも、
冷房率100%なので、暑くてしょうがないということはない。そのかわりホームには空調設備がないので、駅によってはこの時期でも暑かった。

 

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