これまで自分たちの好き勝手な旅行記を中心に書いてきましたが、これから旅行を計画される方にとっては甚だ不親切なものになっていることを反省して、少しまとめておこうと思います。但し、ベースとなっているのはあくまで私たちの体験・感想なので、ご承知おきください。
プランの立て方
カナダは広い!っていうことを頭の中に入れておく必要があります。主な観光地としては、
@バンクーバーを拠点としたエリア(ビクトリア、ウィスラー含む)
Aバンフ・ジャスパーを中心としたカナディアンロッキー
Bトロント・ナイアガラ地方
Cモントリオールやローレンシャン高原のあるケベック地方
D「赤毛のアン」で有名なプリンス・エドワード・アイランド
が代表的。その他にも、風光明媚なオカナガン地方(BC州)、オーロラで有名なノースウェスト準州などがありますが、だいたい日本から旅行を計画するとなると上記の@〜Dの中からメインエリアを選んで組み立てることになるでしょう。で、日本から仕事を休んで行くとなると、1週間程度が標準でしょうから、この広い国をいくつも回るのは不可能というものです。よくツアーなどで、「ナイアガラ&カナディアンロッキー○日間の旅」というのがありますが、中1日は完全に移動(飛行機&バス)で終わってしまいます。ですから、私としてはメインエリアを絞ってプランを立てることをお勧めします。メインエリアの中にも数え切れないほどの観光ポイントがありますから、十分楽しめますよ。
このホームページは「Golden Rocky」ですから、勿論Aのカナディアンロッキーの話題が中心となります。
ツアーか個人旅行か
さあ行こう!となると、ツアーにするか、個人旅行にするか決めなくてはなりません。ツアーの場合、飛行機や宿、移動手段、乗り継ぎの案内、送迎などがセットになっているので、細かい心配は何も要りません。飛行機の遅延時の対応などトラブル発生の場合、スタッフに任せておけばいいので、安心です。値段だって、飛行機&宿込みで考えると、個人旅行で同等の宿に泊まった場合に比べてそんなに変わりません。かえって安い場合もあるのではないでしょうか。また観光ポイントの説明も日本語でやってくれますので、情報収集も楽。従ってツアーにするメリットはかなり高いといえます。でも、逆に難点としては、ツアーは代表的な観光ポイントは連れて行ってくれるが、その他のところにはなかなか行けない、団体行動なので時間に制約がある、というところがあります。カナディアンロッキーの場合、静寂に包まれた大自然を楽しむことが最大の目的なので、人ばかりの有名観光ポイントだけ行くのでは魅力が半減してしまうといっても良いでしょう。ツアーの場合、自由行動の日が何日かあるコースを選ぶなど、上記のデメリットを緩和するような方法も考えられます。
個人旅行の場合は、飛行機の手配から宿の予約など、自分でやらなければなりませんが、ルートの選定など考えていること自体楽しいですし、何より自分の好きなところに行けるという自由度の高さが何より最大のメリットです。また格安航空券やユースホステル・バックパックの利用で経費を安くすることも可能です。予約が思うように入らなかったり、現地にいって飛行機遅延とかのトラブルにあったりしてストレスを感じることもありますが、それらをセットで旅として考え、乗り越えて旅を楽しむという姿勢が大事になるでしょう。私たちは、カナディアンロッキー初年はパックツアー、2回目は飛行機と宿だけがついたツアーでそれ以降はすべて個人旅行で行っています。
個人旅行
飛行機(航空券)の手配
まずは、ここからです。その前に「休みを取る」っていう大仕事もあるんですが。これは世の中でノウハウがいろいろあるので、あらためて説明は要しないと思いますが、通常料金で行くというお金持ちは別にして、「格安航空券」か「PEX」か、ということになります。最近では「PEX」もかなり安くなってきて、格安に迫るようになってきたみたいです。ロッキーの拠点の町はバンフですが、ここへはカルガリーまで飛行機で来るのが通常です。日本からカルガリーへの直行便はチャーターを除いては飛んでいないので、西海岸のバンクーバーで乗り継いで入るのが便利となり、そうなると航空会社は「JAL」か「エアカナダ」です。アメリカの航空会社で、サンフランシスコやミネアポリスなどを経由する方法もあります。この場合、値段は少し安いみたいですが、到着までにかなり時間を要することを覚悟しなければなりません。で、私たちは通常、「PEX」を利用しています。JALなので、いわゆる「悟空」というやつです。
何故「悟空」なのか
今ではそうでもありませんが、以前は直前になって行けないことがあるかもしれないっていう考え(結局行けなかったことはないのですが)があって、悟空のほうが直前キャンセル料金の打撃が少ないっていうのが大きな理由でした。格安はツアー扱いなので、直前になると旅行代金の50%とかのキャンセル料がかかりますから。その他にも、事前にチケットが貰える(格安の場合、当日団体カウンター前に集合してそこで引換券と引き換えにチケットを貰う場合が多く、頼んだ旅行代理店が出発日前に倒産するというリスクもないというわけではない)、座席の指定が可などのメリットがあります。
乗り継ぎについて
ということで、バンクーバーでの乗り継ぎで行っているんですが、ここで一つアドバイス。日本からバンクーバーを経由し、カルガリーまでの飛行機を予約すると、予約コンピュータはありがたいことにバンクーバーでの乗り継ぎは「最低乗り継ぎ時間(MCT)を超えるもっとも短い時間」で設定してくれます。日本からの便のバンクーバー着の時間とカルガリーへのバンクーバー発の時間が1時間30分くらいしか離れていないという具合です。ところが、ところが。旅行者のピークを迎える8月では、そんな時間、あっという間になくなって、カルガリー行きに乗り遅れることが(私の経験では)ざらにあります。要因はいろいろ(成田での搭乗客待ちによる出発遅れ、バンクーバーでの入国審査、厳しく入念なセキュリティチェック)考えられますが、昨年(2003年)は成田発がそもそも2時間遅れてたぞ(でも台風だったので、飛んでくれて感謝)。私たちは、2000年から2002年までの3回中2回乗り遅れたので、昨年から「バンクーバーでの乗り継ぎ時間は最低3時間とる」ようにしています。よって成田発が2時間遅れても当初の予定通りの便に乗ることができました。
乗り遅れたらどうするか
話がずれてきましたが、この際書いておきましょう。バンクーバーでの入国審査をおえ、バッグをピックアップして税関の書類を渡すと正面に航空会社のカウンター(エアカナダ:JALでもカナダ国内はエアカナダになります)があるので、そこで「飛行機が遅れて予定の便に乗り遅れた」と伝えます。係員にチケットを見せて何かそれらしきことを言えば、すぐに伝わります。そうすると、係員は搭乗可能な便をチェックし、私たちに「スタンバイ」のチケットをくれます。バックはそこでチェックし、指定された便の搭乗口に向かいます。「スタンバイ」というのは、そのチケットを貰ってもまだ席が指定されていません。最初からその便に乗る予定だったお客さんが時間になっても搭乗口に現れなかったときにはじめて乗れる「直前キャンセル待ち」みたいなものだと思っておけばよいでしょう。搭乗ゲートの付近で他のお客さんがボーディングをした後、そこのカウンターからスタンバイの人たちを呼び出すアナウンスがあります。自分たちの名前が呼ばれるのを待ちましょう。この場合、同行者との席が離れてしまうこともありますが、乗れるだけで満足しましょう。スタンバイの人数分その飛行機に空きがでなかったらどうなるかは心配なところですが、何回かの経験上、乗れなかったことはありません。バンクーバー=カルガリー間は頻繁に飛んでいるのでそう慌てなくてもいいですが、帰りの太平洋便はそうもいかないので、乗り遅れたら翌日!ということも容易に考えられます。とくに帰りはバンクーバーでの乗継時間は1時間ということもあるので、なるべくなら予約の際、リクエストして時間を空けてください。そもそも1時間じゃ時間通りに飛んでも免税店を覗いてる暇は全くありませんよ。
宿の予約
独身時代にはバックパックを担いでヨーロッパの安宿に泊まるというようなことをしていたときもありました。でも、今では年齢とか一応バケーションであるということもあって、夜はくつろげる普通のホテルに泊まっています。観光シーズンでは、カナディアンロッキーの宿は事前予約が必須となりますので、どうやって予約するか、以前は面倒くさかったのですが、最近ではインターネットが便利です。http://www.discovertherockies.com/index.htmlのようなページに登録されているホテルについては、空き室の照会もすぐできて、クレジットカードさえあれば予約も簡単です。他のホテルに泊まりたい場合は、ホテルに電話をかけて予約したり、日本の旅行代理店にお願いして日本払いのクーポンを購入するという方法もあります。予約の時期はなるべく早くすることに越したことはありませんが、時期が迫ってきても根気よく探せば、キャンセルが発生したりして空きがでることもありますので、諦めないようにしましょう。
レンタカー
飛行機・ホテルに加え、カナディアンロッキー個人旅行3種の神器の3番目は、そうレンタカーの予約です。バンフ・ジャスパーなどカナディアンロッキーの町はあくまでホテルやレストラン、御土産屋さん、スーパーマーケット等滞在と補給のための拠点であり、レイクルイーズ、コロンビア大氷原なのどメジャーな観光地でも主なポイントは郊外にあります。そこへは公共の交通手段はなく、ツアー会社が主催するツアーに申し込んでいくか、自分で車を運転する以外にはありません。マイナーなポイントやトレッキングのトレイルヘッドに向かうのも同様です。従って、レンタカーを借りることが必要になってくるわけです。個人で飛行機を手配する場合は、空港から借り出しましょう。カルガリー空港からバンフまで、約2時間です。ツアーで自由行動の日に借りるなら、バンフやジャスパーにいくつかレンタカー会社があります。予約は、ハーツやエイビスなど日本語で電話予約ができる会社は、大手でもあり、車の整備も行き届いているのである程度安心できます。バンフなどのレンタカーは車の保有台数もそんなに多くないみたいなので、8月などシーズンでは現地でいきなりレンタカーを借りたいと思い立っても予約で一杯ということになりがちです。是非日本から予約をして行ってください。海外の運転が不慣れで心配という方もいると思いますが、左ハンドルもすぐに慣れます。道も広く、何より大自然の中を走っていると、そんな心配はどこかへ吹き飛んでしまうことでしょう。この狭い日本で日常車を運転している人なら全くもって大丈夫です。但し、時差による眠気や脇見運転、スピードの出しすぎには気をつけましょう。レンタカー利用には、国際運転免許証(東京都の場合http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/gaimen.htm)、クレジットカードが必要です。だいたいの場合、オートマチック、エアコン、CDプレイヤー、クルーズコントロールがついて快適です。
その他
カナディアンロッキーについてもう少し。ここでは通常のガイドブックにたいてい書かれていますので簡潔に。
服装ですが、夏のカナディアンロッキーは温度差がかなりあります。晴れている日は30度近くになることもあって、半そで短パンでOKのときから、明け方で天気が悪いと0度近くになることも。重ね着できるよう、臨機応変さが求められます。空気は乾燥しているので、下着は数枚持っていけば現地洗濯ですぐ乾きます。アウトドア中心になると思いますので、身軽な格好を。現地で着飾っている人はほとんどいません。レストランも大抵ラフな格好で大丈夫です。
お金。大きな支出(ホテル、レストラン、レンタカー、お土産など)はクレジットカードで支払えば、キャッシュが必要になるのは、小物中心なので、そんなにたくさん持っていく必要はないでしょう。私たちの場合、1日あたり100ドルを目安に持ってはいきますが、そんなに現金は使いません。TIP用に1ドル硬貨・2ドル硬貨は常時持っておいたほうが便利です。
食べ物は、バンフやジャスパーなどの町では、レストランがいろいろあって、和食をはじめとして何でも食べることができます。アルバータビーフやサーモンが名物といわれてます。上記以外では和食はなかなか食べられませんので、インスタント味噌汁やカップラーメンを持っていくと時にはこの上なく美味しいものとして味わうことができます。昼食は私たちの場合、トレッキング中になりますので、スーパー等で買ったサンドイッチをパクつくことになります。これもグッド!
どうでしょう、少しはお役に立ちましたでしょうか。