カナディアンロッキーでモバイル!
はじめに
せっかくの休暇を過ごすのだから浮世のしがらみから解き放されたいという声もありますが、緊急時の連絡用と友人への暑中見舞い、HPによる情報収集のため必要最低限利用するということで、今回は現地でのモバイル(電子メールとHP閲覧)に挑戦することにしました。
事前準備1(機材)
マシンはウィンドウズCE搭載のNECモバイルギアR530(モバギ)です。モデム内蔵でかつ携帯電話との接続もコード1本で可能ということで選びました。但し、このマシン、ややマニュアルが不十分でいろいろ試行錯誤しました。
プロバイダは、日本でOCNを利用しているので、OCNが提供するローミングサービスを利用することにしました。これはGRICというプロバイダ(?)と提携し、世界各国のアクセスポイントにダイヤルアクセスが可能となるものです。大手プロバイダでは大多数が何らかの形でローミングサービスを提供していますが、OCNでは、申込時工事料2000円と、利用時1分18円です。この料金はプロバイダによって異なるようです。
カナダではアメリカと同様、モジュラージャックの形(RJー11)や電源プラグの形が日本と同じなので、特にアダプターは用意しませんでした。また、モバギは電源コード(ACアダプタ)も100V〜240Vの電圧対応となっているため、110〜120Vのカナダ(日本は100V)でも心配は入りません。
ただ、日本でもそうなのですが、ホテルの部屋の電話ではPBXとの関係でモジュラージャックに通常より大きな電圧が流れている場合があり、それをそのままモデムに接続するとモデムが壊れてしまうという危険があります。また、ジャックに流れる電流もモデムとはプラスマイナスが逆(極性が反転)だったり、外側2つを使用している(4つある線のうち、通常は内側2つを使用するが、ジャックのタイプによっては外側2つを使用しているものもある)場合もあります。そこで威力を発揮するのがモデムセーバーです。これは海外モバイルの必需品。私は通信販売で、ロードウォーリアーズ社のモデムセーバーLTを購入しました。これはモジュラージャックに接続し、緑のランプがつけば接続OKというもの。緑と赤が両方つけば、極性反転等をスイッチにより切り替えることができます。
モデムセーバーでは対応できない場合(過大電圧やそもそもモジュラージャックになってない場合)は、インライカプラや音響カプラーが有効とは聞いていましたが、そこまでする必要はないだろうと思い、その時はあきらめることにして、用意しませんでした。
あとは、電話コード(両側がオス)を用意。
事前準備2(設定)
次は設定です。現地であたふたしないように、当然日本で設定していくことにします。カナディアンロッキーでの滞在先は、Banff, Fairmont Hot Springs, Jasper, Calgaryの予定ですが、GRICのアクセスポイントはさずがにCalgary以外のところにはありません。自然を楽しみにいこうっていうんだから当然だとは思いましたが。そこで、Calgaryまでの市外電話で対応することにし、Calgaryへの設定一つで済ますことにしました。
GRICのHPには、接続ウィザードみたいなものがあるみたいですが、CE対応ではないため、一つ一つ自分で設定です。アクセスポイントの情報をHP上から入手し、電話番号やDNS等の情報を入力していきます。そんなに複雑ではないので、私でもスムーズに入力。発信元の情報を日本(国番号81)で、接続先の情報を1(アメリカ、カナダの国番号)に設定し、日本から国際電話でトライ!
(ついでにモバギは国際電話を001でかけるように初期設定されていたので、0033に変更。)
なんとかつながり、メール受信は可能となりました。その後、外線発信の番号を「9」に決めうちし、その後に「,」もいれときました。あとは必要に応じて現地で微修正です。
問題はメール発信です。最近はspam mailというジャンクメールを流す輩がいるらしく、その対策としてローミングサービス等を利用してメール発信するときは、POPサーバの認証を得てからでないと(もしくは一度メールを受信して回線を切断することがない状態でないと)メール発信できないことになっているらしい。
モバギは受信、送信毎に回線を切断する設定になっており、送受信コマンドも先にメールを送信することになるので、受信を先にするという要請を満たしません。そのため、いちいち回線を切断しない設定にして先に受信し、その後送信した後手動で切断するっきゃないのかなあ、と思っていました。そんなはずはないと思ってはみるものの、モバギのマニュアルには載ってないし、気を付けないと電話料金も心配だなという頭で、いろいろいじくっているうちに、ありましたありました。インターネット設定の「送信」タブの中に「メール送信前にPOPサーバの認証を得る」というオプションが。このボックスをチェックし、あとは現地へ!
実践編
Banff編
ちゃんと電話機にデータポートあり。そこに件のモデムセーバーを接続してチェック!すると緑と赤が同時についていたので、極性反転ということで「X」に切り替えOK。外線発信番号も「9」。それでそのまま接続してみようとすると、おっとっと「0033」から始まる国際電話になってしまいました。
ここは微修正要ということで、接続先の国番号を「81」(日本)に。ホントなら発信元の国番号の設定を「1」にするのが筋ですが、マシンは「ここはカナダだから1じゃないと嫌だ。」といって作動しないというようなことはなく、要は発信元と接続先の国番号を同じにしてやればいいのです。そうすればマシンは国内通信として認識し、国際番号をダイヤルしないことになります。
次に気を付けることは、BanffもアクセスポイントのあるCalgaryも市外局番は「403」であるという点です。でも実際に電話をかけるときは市外通話となり、「403」をまわす必要があるのです。従って、モバギの設定を「常に市外局番からダイヤルする」という設定にしておくか、発信元の市外局番を「0000」(モバギの初期設定のまま)にしておきます(私は後者)。これで、接続はOK。海外モバイル見事デビューを果たしました。
バンフのホテルの電話(右側側面にポートがついている)
Fairmont Hot Springs & Jasper編
両方とも電話機にデータポートがちゃんとあり、特に設定を変えることなく問題なく接続。ただ、極性が反転しているところもありましたが、モデムセーバーLTの活躍によりスムーズに行きました。
Calgary編
さて、アクセスポイントのお膝元、Calgaryにやってきました。ここは電話機にデータポートがついてなかったのですが、電気スタンドに電源とデータポートがありました。そこに接続して、一発OKといきたかったところなのですが、そうはいきませんでした。実はBanff編で記した、「市外局番が同じである」という問題がここでも効いてきたのです。つまり、このホテルからアクセスポイントにかける時は「市内通話」扱いになるのですが、その場合、市外通話の「1-403」を頭にダイヤルしてはいけないのです。例えば東京では、市外局番の03区域から03区域に電話するときに、「03」をダイヤルしてもしなくてもつながりますが、カナダでは市外局番をダイヤルするとつながらないのです。そこで、発信元の市外局番の設定を「0000」から「403」に設定する(「常に市外局番からダイヤルする」というオプションも解除しておく)ことにより、無事接続することができました。
料金
各ホテルからの料金をまとめると以下の表の通りとまりました。対地はカルガリーです。
バンフ BestWestern 29 Siding Lodge |
料金 $1.48 + GST $0.10 |
コメント いずれも1分以内でした |
フェアモントホットスプリングス Farmont Hot Springs Resort |
料金 $2.85 + GST $0.20 $3.98 + GST $0.28 $6.22 + GST $0.44 $3.40 + GST $0.24 $3.20 + GST $0.22 |
コメント かける毎に料金が微妙に違う (3番目以外は通話時間はあまりかわらない) それだけ料金設定が細かいってことでしょうか |
ジャスパー Mt. Robson Inn |
料金 $2.48 $11.55 $4.37 |
コメント いずれも税込み かけた時間は、各々1分、25分、6分 25分の時はベッドの上で操作していたのでついうとうと・・・(皆さん気をつけましょう) |
カルガリー Delta Calgary Airport |
料金 $0.35 |
コメント 35セント!安い!さすが市内通話 (おそらく何分使っても同じ?) |
まとめ
基本的に今回行ったところは先進国カナダで、しかもリゾート地だったこともあり、比較的スムーズに接続できたと思います。しかし、何回か回線状態が悪く、接続中に切断されてしまうこともありましたが、ローミングで市外通話だったことも考えれば、いたしかたないと思います。これにより、何人かの友人に残暑見舞いのカナディアンロッキーの涼しげな画像付きメール(下の写真参照)を送付したり、仕事関係のメールがほとんど来なかったことを確認することができました。
残暑お見舞い画像