■2001年7月1日〜8月31日
□8月14日(火)
いつも『PHANTASY STAR ONLINE』をプレイしている面子を集めてプチオフ会。
Humarの私(♂)、FOnewearlの「S」(♀)、FOmarlの「Y」(♂)、HUcastの「I」(♂)の4人で、オフ会とはいっても元々知り合いで集まって遊んでいたので、初対面なのは「Y」と「I」だけ。近所の韓国焼肉屋で飲み食いしてから私の部屋でゲーム大会。
まずは『カルドセプト・セカンド』を初期ブックで対戦プレイ。私と「I」はサターン版をプレイしており、「S」はセカンドでストーリーモードをプレイ済み、まったくの初心者である「Y」が不利かと思われたが、結果を見てみれば、私と「Y」が同一ターンで目標値を達成したものの、最後に「フライ」を引いてくる引きの強さを見せた「Y」がトップでゴール。獲得魔力では「Y」を上回っていた私は2位に甘んじる結果となったのでした。というか、「S」と「I」は飲み過ぎでまともなプレイになっていなかった……。
続いて『PowerSmash』や『SONIC ADVENTURE 2』の対戦モードをだらだらとプレイ。「Y」は翌日出勤なので途中で帰宅。残りの面子もわりと早い時間に沈没して、そのままなしくずしに終了。
それはともかく、この日のためにSEGA/OVERWORKS『ぐるぐる温泉2』を買ったんだけど、これってオフラインだと1人プレイ専用なんだね……。知らなかったよ。前作と同様、多人数プレイができると思っていたので激しくショックだった。
やっぱりゲーム雑誌は定期的に読まないと駄目だね。
□8月12日(日)
●乙一『天帝妖狐』★★★
「A MASKED BALL」と「天帝妖孤」の2編を収録した中編集。淡々とした色気のない文章(悪口ではないです)で、かっちりと構成された過剰な枝葉のない物語を語る作家、という印象。既刊については『夏と花火と私の死体』のみ読んでいます。
トイレの落書きを介したコミュニケーションを軸に、暴走する悪意(善意?)を描く「A MASKED BALL」。少しずつ人間でなくなっていく男が得た安息と絶望を描く「天帝妖孤」。どちらも、話の骨格としては非常にありがちなんだけど、過不足なく非常にうまくまとまっています。
しかし、このままだと地味な技巧派、という位置に甘んじてしまうのではないかという危惧を抱かせますが……。とりあえず他の既刊本を読んでみます。
ちょっと思うところあってスティーヴン・キング(リチャード・バックマン)『ハイスクール・パニック』を再読中。
遅ればせながらSEGA/AM2研『バーチャファイター4』を初プレイ。ジャッキーでCPU戦を1プレイしたのみの印象だけど、『3』とは操作感・技の性質が一変していて、ほとんど別のゲームのようでした。
ちなみにシリーズのプレイ履歴を書いておくと、『2』の末期にサターン版をプレイしてはまり、本格的にアーケードで遊ぶようになったのは『3』から。バイト帰りに足繁く池袋のゲーセン(GIGOではない)に通って対戦したものの、あまり強くはなりませんでした。
で、肝心の『4』は、高田馬場によいゲーセンがあればはまるかも、といった感じ。格闘ゲームは家で遊んでもあまりおもしろくないからねぇ(いや、もちろんPS2で出たら買うけど)。
□8月9日(木)
●恩田陸『ドミノ』★★★
ちょっとしたことをきっかけに事態が連鎖的に拡大していく……という構造の作品を期待するよね。このタイトルだと。残念ながらそういうのとは微妙に違う物語なので、注意。
よくも悪くも軽い語り口で、よくも悪くも漫画的な登場人物たちが、相互に影響し干渉しあいながらひとつの事件に収束していくという構造の物語。小ネタ大ネタとりまぜたサスペンスを複数配置して読者の興味を引きつけながら、細かな場面転換でラストまで突っ走る。
確かにおもしろく読めたんだけど、どうにも作りが粗っぽい。登場人物やプロットはもっとしぼり込めるはず。様々なスタイルに挑戦するその心意気は買うが、どれも練り込み不足の印象が拭えない。まあ、その粗さも恩田陸という作家の魅力のひとつではあるといわれればそうなんだけどね。
□8月8日(水)
●舞城王太郎『煙か土か食い物』★★★★
3月に購入したのになぜ今まで読まなかったのかというと……たんに部屋の中で行方不明になっていたからなんですが。
それはさておき。予想以上におもしろかった。竹本健治っぽい無駄に広範な知識を要求する脈絡のない謎解きと壮絶を通り越して笑いを呼ぶ過剰な暴力がミックスされた物語をとりとめのない饒舌な文体で語る、これもまた新本格の変種の一種だろう。
メロドラマとしては申し分ない。帯に付された福田和也の「安っぽいけど心情あふれるカタルシスがグッとくる」というのは嘘ではない。あとは世界を破壊するような驚きがあれば、というのは贅沢な望みなんだろうけど、この作者にはぜひそれを達成してもらいたいなぁ。
(8/21追記)この作品の結末では世界の全面的な肯定を打ち出しているのにもかかわらず、「世界を破壊するような驚き」を求めるのは見当違いなのでは? と思い、打ち消し線を入れました。
□8月7日(火)
西村しのぶ『RUSH』2巻を読む。
冒頭に載っている「SCENE7」は1997年3月発表、次の「SCENE8」以降は1999年6月〜と2年のブランクがあるせいか、明らかに作風が変わっている。西村しのぶの作品の魅力のひとつに、過去に依存しないキャラづくり、というのがあると個人的には思っていたんだけど、どうもそのあたりが崩れてきている様子。いや、確かに『RUSH』にかんしては設定からしてちょっとやばいな、とは思つつ、少なくとも1巻では物語の表層にはあからさまに顔を出していなかったから安心してたんだけど。今後がちょっと不安です。
……ところで、ジョーンズってゲーオタだったんですね。
舞城王太郎『煙か土か食い物』を読了。感想は明日か明後日に。
□8月4日(土)
ほったゆみ/小畑健『ヒカルの碁』13巻を購入。
相変わらず原作者のストーリーの構成と、漫画家の画力が非常に高いレベルで維持されています。
以下は、『ヒカルの碁』からはちょっとはずれた話なんですが……。
プロの漫画家には、最低限、画力によって構図が制限されることがないだけの腕を持っていてほしいなぁ、と思います。自分があるレベル以上の絵が描けないから余計に痛感するんですが、苦手な構図を避ける、あるいは、苦手な構図を描くとあきらかに絵の質が落ちるマンガは見ていてつらいものがあります。プロでもそういう漫画家は結構多いです。もっとも、それが味になっている漫画家も中にはいるし、ジャンルによってもその印象は異なるんでしょうけど。
小畑健の絵は言うまでなく画力によって構図が制限されることがなくて、そういう当たり前のことが当然のようにできているところがすごいなぁ、と思ってしまうわけです。で、逆に構図が不自由な漫画家の例をあげると、『探偵学園Q』のさとうふみやとか(本格ミステリとしては致命的だよね)。
しかし、こんなこと書くと、自分のイラストをアップしづらくなるな……。
□8月3日(金)
愛蔵太さんの「HEY BULLDOG」で2000年11月6日の日記が「本日の言葉」として引用されました。これで4回目になります。わ〜い。
そのうち2回に金井美恵子の名前が出ていますね。いや、だからどうだというわけではないんですが。
□8月2日(木)
富沢ひとし『ミルククローゼット』3巻を購入。
「母さん、全然わかんないわよ!」って感じです。
気になるのは、『エイリアン9』ではかなり衝撃的だった身体の欠損表現が過剰になりすぎて、もはやほとんど意味をなくしてしまっていることでしょうか。そもそも、ミルク隊は最初からしっぽ族によって取り込まれて再生されている以上、『エイリアン9』の主人公たちが人間/エイリアンの境界線近くに配置されていたのに対して、とっくに境界線を踏み越えてずっと先まで突き進んでしまっているわけで、このへんは、作品内の世界設定における日常/非日常の関係もまた同様で、まあ、そういう意味では確かに『エイリアン9』よりもさらに先鋭化しているといえなくもないんだけど、もうちょっと何とかならないかなぁ、というのが正直なところ。
とりあえず、次巻で完結らしいので、それなりに期待しつつ待つことにします。
□7月30日(月)
いいかげん、今年の日記を別ファイルにしないとなぁ、と思い始めています。て、遅いですか。
●佐藤哲也『ぬかるんでから』★★★★
第5回ファンタジーノベル大賞を『イラハイ』で受賞した著者による、初の短編集。1994〜1996年にかけて「小説すばる」などで発表された作品に未発表短編1編をくわえた全13作を収録。
……しかし、1993年デビューでこれが3冊目の著作というのはどういうことなんでしょうか。
かくいう私は、この作者の名前を佐藤亜紀の配偶者として知ってはいたものの、作品は未読でした。今、なぜもっと早く読まなかったのかと激しく後悔しています(デビュー作の『イラハイ』と第2作の『沢蟹まけると意志の力』はすでに絶版。お〜い、新潮社!)。
まず、何よりも文章が素晴らしい。曖昧なところのない明晰な記述。一人称ながら、語っている「私」と語られている「私」は適度に距離をおいているので、過剰に内省的になることもなく、全体にほどよいユーモアが満ちている。それでいて、荒唐無稽とも馬鹿馬鹿しいともいえる物語においてなお、文章からは緊張感が途切れることがない。
特に気に入った作品は、「ぬかるんでから」、「きりぎりす」、「祖父帰る」の3点。逆にやや出来が悪いと感じたのは、「春の訪れ」と「つぼ」。
とはいえ、どの作品も独特の味わいがあって楽しめます。おすすめ。
□7月28日(土)

▲600×450(140K)
ふと思い立って久しぶりにイラストを描いてみる。線画をスキャナで取り込んでPhotoshopで色を塗ってから、以前にデジカメで撮影した画像と適当に合成したもの。行き当たりばったりで作業を進めたので、ほとんど意味不明のイラストになってしまった……。
上の画像をクリックすると、大きいサイズの画像を見ることができます。
思いのほか楽しく描けたので、また近いうちに描くかもしれません。
□7月24日(火)
●小林泰三『ΑΩ[アルファ・オメガ]』★★★★
一言でいえば、この小説は『ウ○○○○○』です。あるいは、柳田理科雄『空想科学読本』のハードSF的アプローチというか。
特に、主人公が飛び降りることによって変身しようとして、失敗する場面は爆笑もの。いわゆる「お約束」の微妙なはずし方が絶妙です。
ただ、オノマトペを多用することで描写のなまなましさが失われているのが惜しまれます。
□7月22日(日)
大宮ソフト『カルドセプト2』(DC)とスクウェア『FINAL FANTASY X』(PS2)を同時進行中。
『カルドセプト2』は、現在、ストーリーモードで地味にカードを収集中。オンラインには未接続。ちなみに、過去のシリーズは、サターン版のみプレイ。相変わらず細かいところまで神経の行き届いた職人的なつくりには頭がさがります。しかも、今回は猿楽庁によるチューニングがほどこされているとか。しかし、いくら終わったハードであるDCでの発売とはいえ、こういうゲームが初週3万本しか売れないのは悲しいことだな……。
『FINAL FANTASY X』は、プレイ時間7時間ほど。移動中の戦闘がうざくて早くも挫折の予感。個人的に、ターン制のコマンド選択型の戦闘システムを採用したゲームは、もはやプレイするのがしんどくなっているのだった。ちなみに過去のシリーズは、『IV』『VI』(SFC版)『VII』はクリア、『VIII』はドローを埋めることにこだわりすぎて途中で挫折、『IX』は友人に借りて30分ほどプレイしたのみ、という感じ。過剰な期待はしていなかった分、それなりに楽しめてはいます。ただ、ヒロインの顔のモデリングが一番できが悪いってのはどうかと思うけど……。
最近の読書。
●佐藤友哉『フリッカー式』★★★
●京極夏彦『ルー=ガルー』★★★(2001/10/21修正。以前は★★★★)
あと、 鬼頭莫宏『なるたる』を不意に思い立って全巻買って読んでみたりとか。加藤元浩『Q.E.D.』10巻は相変わらず良いなぁ、と思ったり。
現在、小林泰三『ΑΩ』を読書中なんですが、同種のハードSF小説としては山本弘『時の果てのフェブラリー』(もしかして、激しく勘違いしてます?)くらいしか読んだことがないわりには結構おもしろく読めているので、結構向いてるのかも。
□7月12日(木)
Mac OS XのOmniWebというブラウザで、フォントをヒラギノ明朝に設定すると、このサイトはこちらのように見えます。かなり重いので、注意!
□7月6日(金)
◆SEGA/ソニックチーム『ソニック・アドベンチャー2』★★★★
前作はDC発売直後でソフトのラインナップ不足の中に発売されたということもあって、あのひどい視点にもめげずそれこそサルのようにプレイしたものですが、今回は『CRAZY TAXI2』やら『PHANTASY STAR ONLINE ver.2』といったソフトなどと激しく時間を奪い合うことが予想され、果たして最後までクリアするんだろうか、という懸念を抱きつつ購入したわけですが(当然、バースデイ・パック)、気がつけば一週間ほどでエンディングを見ていました。
で、このゲームはスピード感を売りにしている分、ちょっとしたところで引っかかって止まってしまった時はひどくストレスを感じるし、勢い余って転落、ということも頻繁に起こります。しかし、それにめげずプレイしているうちに、コースを覚え、シビアな操作に慣れて、ノーミスでゴールできるようになった時の爽快感は、ちょっと他のゲームでは味わえないものがあります。
個人的には、前作のテイルスのステージが好きだったので、同種のステージがない点だけがちょっと残念。一部ではひどく不評なテイルスの声(リアル男の子?)はかわいくて良いと思います。
……『3』はゲームキューブでの発売かな?
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