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<私の観劇記>

「エリザベート」
(2004年10月27日 博多座にて)

出演者:一路真輝(エリザベート)  山口祐一郎(トート)  石川 禅(フランツ・ヨーゼフ)
     高嶋政宏(ルイジ・ルキーニ)  初風 諄(ゾフィー)  浦井健治(ルドルフ)  
     村井国夫(マックス)  春風ひとみ(ルドヴィカ)  他
<山口トート閣下の千秋楽を観るぞ!>
 かねてから観たかった山口さんの千秋楽。1月に「レ・ミゼラブル」を夫と観た後、「エリザベート」は山口さんの初日と千秋楽に行こう!と意見が一致し、楽しみにしていたのだが、初日は娘の運動会の前日ということであきらめ、財政難ということもあり楽日1本に絞ることにした。少々不安と未練もあったのだが・・・。
 チケット取りはかなり気合を入れた。泊まりは家庭をもつ身ゆえ無理なので、せめて始発にと、4時半起きで行ったのだが、なんとロビーは超満員!!!みんな、すごいよ・・・(~_~;) 本を6冊持っていっていたのだが、8時の整理券配布前までになんと3冊も読破してしまった(笑)。7時には友達も来てくれて、おしゃべりしながら楽しく待つことができた♪そして、整理番号は、なんと200番台^^; とほほ。それからいざ購入までが長いのだが、友達とお茶して14時頃無事ゲット!!!折角の千秋楽だから本当ならA席で見たかったのだが、極貧ゆえ、我慢我慢。C席だ(涙)。
<なんで、修学旅行生が??>
 当日は、夫と行くため早めに行ってぶらぶらすることもままならず(-.-)、真面目に開演前に到着。劇場内に入ってみると、な、なんと、ずら〜〜〜っと学生服をきた中学生が。え・・・。そ、そんな・・・。私の心の中では、この1回限りの「エリザベート」、かなり気合をいれ、すべての精神を集中して見ようと力も入っていただけに、修学旅行生が自分たちの後ろに座っているというのが、ものすごくショックだった。夫に、「やっぱりA席とればよかったよ(>_<)」というと、夫が「まあ、そうだけど、白い靴下履いてるし、男は坊主やから大丈夫違うか」と。確かに、気を取り直して落ち着いて学生くんたちを見ると、きちんとしている。下手に、足をぶらぶらさせるちびっこよりいいよな、と思い、これから始まる舞台に気持ちを集中した。
 ちなみに立見席もいっぱい。当たり前だけど。始発でチケットとっておいてよかった(^o^)
<気になる部分>
 今回は「エリザベート」再演ということで、前回(2001年)も観た私は、あまりよくないうわさをちらほら聞いていた。ネット上でも、「前回がよかった」というレポを見たり。ううむ・・あまり期待できない演出なのかなあ。でも、自分の目で確かめないことには、と思っていた。
 とっても気になる噂は次の3つ。

 1.棺おけからシシィ(エリザベート)が登場
 2.「私だけに」の大きな扉がなくなった
 3.電飾

 特に、「3.電飾」に関してはあちこちのサイトで不評で、さっぱりイメージがわかず、怖いもの見たさというのか、逆にどんな電飾なのか気になって楽しみにさえなってきた。 
<電飾(@_@;)>
 幕が開いてしばらくは、いつものように興奮が一気にやってくるので、詳細が落ち着いて見られない(笑)。しばらくして、以前はあったトートダンサーズの踊りがなくなったな、と気付いた。そして、ほんとにシシィが棺おけから出てきてびっくりした。まあ、他のみんなも棺おけから出てきたし、わかりやすいのかなあと、「1.」はクリア。
 そして、庭のシーン(マックスパパとエリザベートのシーン)あたりから、なんとなく舞台の奥の方になにかが灯っているのに気がついた。??なんだろう???よ〜く見てみると、シカのような動物が見えて、木らしきものも見えた。も、もしかして、あれが「噂の電飾」?そうだった。電飾だった。驚いている間に、シシィがブランコから落ちる姿がアップになる。一路真輝さんの顔がドアップになった!

 しばし絶句してしまった。不評なのがよくわかった。その後も、後ろの方でチラチラ光っているのが見えると、何の絵なのか目をこらさないとわからないので参った。ドットが荒すぎて、3階席の斜め方向から見ると、ぱっと見ではわからないのだ(*_*;

 「私だけに」の扉がなくなったのは、とっても残念だったが、まあ、今回のベッドの上で歌うというのは、あれはあれでよかったのだと思う。ん〜でも、扉好きだったんだけどな〜。解放されたい気持ちをよくあらわしていたんだけどな。
<久々の山口トート閣下>
 1月の「レ・ミゼラブル」では、穏やかな歌が多かった山口バルジャンにちょっと消化不良気味だったが、この「エリザベート」はまるでトート閣下の歌謡ショーとでもいうばかりに、朗々と歌う山口さんが見られるので嬉しい♪今回も本当に楽しそうで、しかも、千秋楽ということで客の拍手が長いっ。長すぎ。その気持ちはわかるが、トート閣下が歌い終わるたびに、拍手がのびて閣下の歌い終わりのポーズも一時停止状態(笑)。次の動作に移りたい山口さんと客の拍手とどっちが勝ちか、みたいな場面が何度もあって笑えた。
 でも、なんにせよ、かっこいい(*^。^*) あんな死神さまに誘われるのなら、何度でもついていきたい気分だ。背丈が同じくらいの夫に、トート閣下の白いロングヘアのかつらをつけさせて、黒いロングコートを着せ、家でその後姿を眺めたい衝動にかられた(爆)。
<苦手な歴史背景>
 実は前回もよくわからないまま見ていたのだが、今回もまったくお手上げ状態だった。高校時代世界史習ったんだけど、聞いてなかったもんな〜。興味がないから、頭に入ってこない。エルマーの出るシーンは、頭の中でついついカットして見てしまっていた。もったいないことをした。つくづく、今度からこういう歴史的背景がある物語を見るときは、少し勉強していこうと思った。
 しかし!!ハンガリーといえば新婚旅行で訪れた土地。第2幕の戴冠式の行われたマーチャーシュ教会は、まさに10年前に訪れたところだった!!!なぜか前回観たとき気付かなかったな。初めて見るトート閣下に目を奪われていたからだろう。ハンガリー、素敵な街だったな。また行きたいものだ。
<新しい出演者>
 今回はフランツ皇帝を石川禅さん、ルドルフを浦井健治さんで初めて観た。石川さんは友達から聞いていたとおり、あったかいフランツ皇帝だった。歌もはっきりしていて、好きだったな。そして、ルドルフの浦井くん。仮面ライダーに出ていたそうで、いまどきのイケメンくんか〜と思っていたら、声も通っていて、純粋な青年というイメージにぴったりでよかった。オペラグラスで見たら、汗びっしょりでがんばっていた浦井くん。若いっていいなあ(^^) 
<カーテンコール〜山口さん千秋楽バージョン〜>
 今回のメイン(爆)、カーテンコール。期待通り、とっても満足だった。
 石川禅さんも最後ということで、まずは石川さんから挨拶されたのだが、おちゃめなおじちゃんって感じで笑えた。
 続いて山口さん。会場全体に熱気がもうもうとたちこめているのがわかる。すんごい拍手でそれを何度も一本締めする山口さん♪何を言っていたかはすっかり忘れちゃったけど、博多をほめてほめあげて、その後、ご飯もおいしいからおなかが少し膨らんだというようなことを言って爆笑の渦。さすが!一路さんが一生懸命山口さんを立てていたのがあったかくて素敵だったな。
 次回からも楽日ははずさないでおこうと心に決めた!それに今度こそはやはりB席かA席で観たいな(^_^;)
<それにしても・・・>
 あの電飾、やっぱりいただけなかった。舞台を広く使うためにああなったのかもしれないけど、舞台を観に来るのは舞台の上で繰り広げられる空間を見たくて来ているのであって、「映像」ではないのだ。そこんとこわかってもらいたいんだけどなあ。どんなにお粗末な舞台セットでも、立派な映像よりはぬくもりがあって、舞台のおいしさを味わえるんだけどな。ショックだった。これからも、ああいう電飾がはやるんだろうか?「レ・ミゼラブル」にも電飾が登場したりしたらどうしよう・・・。
<素敵なパンフレット>
 博多座のパンフレットしか持っていないが、一路さんのインタビューのほかに、夏に行われたプレミアムトークショーの模様も入っていて、かなり楽しめた。このトークショー、行きたくて仕方なかったのだが、A席チケットとセットになっていたため、泣く泣くあきらめたのだった。貧乏はつくづくつらいもんだ。
 かなり笑わせてくれるこのトークショー、山口さんのコメントに爆笑しまくってしまった。一度でいいから、お話してみたい。この摩訶不思議なペースにのせられてみたい。そう思った^m^
<今回思ったこと>
 私はどうも1回観るだけでは理解できない人間のようだ。今回も、結局トート閣下に目を奪われ、電飾に目をこらしているうちに、終わってしまった。堪能するには、2回観なければならない、そう確信した。なので、次回からは、たとえ家計が苦しくても2回観に行くことにする。(って、別に宣言しなくても・・・^_^;)
 3年前に観たときと自分の環境が変わっているからか、今回は以前ほど「エリザベート」に自分を重ね合わせることはなかった。でも、やっぱりルドルフが亡くなるシーンは涙してしまった。。子どもを亡くした母親の姿を見るのは、たとえ演劇上でもつらくてたまらない。
 電飾は気にいらないが、また「エリザ」熱が復活した我が家は、よく「エリザベート」初演版のCDを家や車の中でかけるため、家族みんなで「それがいい、エリザベィトゥッ!」などと歌っている。娘もすっかり主要曲は覚えたようなので、次に博多座に来た時は、娘を連れて行く予定だ(~o~)。
<番外編>
 夫の職場に、チェコ人がいる。観劇の翌日、夫が職場で彼に「ミュージカル『エリザベート』を観て来た」と話したのだが、ぽかんとしていたので、「ハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフの・・・」と説明しかけたら、「ああ、シシィね。」と言ったらしい(笑)。あちらでは、シシィという名のほうが有名なのか??

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