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茂森あゆみさん ファミリーコンサート

(99.8.30 福岡サンパレスにて)

 NHK教育TV「おかあさんといっしょ」の歌のお姉さんとして、6年活躍された茂森あゆみさんの、番組卒業後の初単独コンサートということで、うれしくも、福岡であると聞き、楽しみにでかけた。

 さて,当日会場に向かうバスには、親子連ればかり。平日ということで、パパは少なく友達同士で来ているらしい母子の姿が,多かった。入り口でA4サイズ二つ折りのプログラムをもらう。
「出演者への花束・プレゼントはこちらでお預かりします。」との案内に、子連れでも持ってくる人がいるんだろうか?と思いつつ、私も持ってくればよかった・・・などとミーハー根性が顔をのぞかせた。
 早くもトイレは長蛇の列。サンパレスのトイレは少なく、いつも女子トイレにはなかなかは入れない。
 
 開演前に、妙な声でコンサート開始後の注意を子ども達に語りかけていた。でも内容は、「けいたいでんわやPHSをもっているひとは、きらねばならぬぞ。さもないと・・・」のように、どう考えても大人向けだった。

 前から6列目という素晴らしい席で、今か今かと待ち、予定より5分ほど遅れての開演。幕が開いた途端、うさぎとくまの着ぐるみにはさまれた、ぴちぴちのギャル発見!あゆみさんの前座か?と思いきや、それがあゆみ姉だった。歌のお姉さん時代には見られなかった、へそ出しルックに濃い化粧。ピンクのカウボーイハットみたいな帽子に、ジーンズのショートパンツで太ももはむき出し。ロングのソックスにブーツ(だったような)、まるで、アイドルのコンサートに来たかのような錯覚を覚えた。
 後ろでは生バンドが演奏しており、まずはおなじみの「だんご3兄弟」から。聞きなれた伴奏やテンポとは一味違っていて、子どもたちも戸惑っているよう。しかし、このうさぎとくまの着ぐるみの踊りが、チラシに書かれていた「着ぐるみの寸劇」なのか・・・?それは、あんまりじゃないかい?という気がしたが、あゆみさんの元気なジャンプが、そんな思いも吹き飛ばしてくれた。(結局,寸劇と言えるほどの劇はなかったなあ。)
 あゆみさんの「お久しぶりです。お元気でしたか。」という、懐かしい挨拶を聞き、会場の子どもたちや大人から歓声がわ〜〜〜っとおこった。その後、「アイアイ」「ポップンポップコーン」「すてきな言葉」「もしも季節がいちどにきたら」を歌い、うさぎとくまは、そこで退場。
ここまでで、あれっと思ったのは、NHKでの伴奏とは違っていたこと。著作権の問題なのかわからないが、少し違和感を感じた。やはりおなじみの曲は、おなじみの伴奏がいいなあと思ったが、あゆみさんのセクシーな肩のラインと、すらっと伸びた生足、そしてキュートなおしりが、すべてを許してくれた(おやじみたい^^;)。
 次に、「くものしま」「ちいさなおふね」。「くものしま」では、舞台後ろの白いカーテンのような布切れを、くものように見せたいのかふわふわさせていたが、なんだかさびしかった。「ちいさなおふね」は、この場にけんたろう兄がいない寂しさを、いっそうかきたてた。
 ここで、舞台が明るくなって、先程のうさぎとくまが登場。子どもたちのムードがちょっと高まる。「公園にいきましょう」は会場が一体となって「ハイ、ハイ、ハイ」の掛け声。「ゆめをひとさじ」は5月の新旧兄姉交代のコンサートを思いだした。「夢のなか」はしっとりと、ひとつひとつを丁寧に歌うあゆみさんに、うっとりしてしまった。
 そして、うさぎとくまは退場(これで出番は終り)。あゆみさんの、曲の説明の後、ディズニー映画「ピノキオ」から「星に願いを」。最後の高音を期待していたら、さすがあゆみ姉。サービス満点の、素晴らしい高音を惜しげもなく出してくれた。そして、前半最後の曲、ミュージカル映画「メリーポピンズ」より「チム・チム・チェリー」を、優雅に歌ってくれた。聞きながら、あゆみさんが宝塚の娘役だったらどうだったろう?と思いをめぐらせていた。

 歌が終ると、「あゆみちゃ〜ん」となれなれしく呼ぶ声。ライトが客席前方左(私の席のすぐそばだった)にあたり、ゲストのケント・フリックが登場。テレビで何度か見たことはあったが、やはり顔も体も細長くひょろひょろであった。流暢な日本語で、「では、汽車に乗って・・・」とか言いながら、汽車の音まねを早速披露。すごい!!TVで聞くより,迫力満点であった。「あゆみちゃん」は、着替えに行ってしまい、ケントとバンドの方々だけが、舞台に残る。
 挨拶を客席と交わした後、まずは海の様子を音まね。波の音。砂浜を走る音。海に飛び込んでもぐる音。子どももびっくりだったようだが、大人も「ほう〜」「はあ〜」とか驚いていた。次に山のせみの鳴き声。そして、雨の音から雷の音に。このあたりで、子どもたちは怖がってしまい、会場のあちらこちらから、泣き声がしてきた。とどめに、花火の音まね。私の前の席の子は「こわい、こわい」と泣き叫んでいた。最後に、SLに乗った様子を、客席と一緒に。ケントが乗員になるのだが、途中トイレに行く様子まで音まねを。ズボンのファスナーを上げ下げする音まで披露。結構母たちにはうけていた。そして,退場していった。この後あゆみさんが登場するまでの,ほんのちょっとの間、会場は子どもたちの泣き声の嵐だった。(雷と花火は小さい子には無理だよね。)私は、ケントの持っていたマイクを、この後誰か使うのだろうか、気になって仕方がなかった。(なんてったって口の中に押しこんでたもんね。マイク。)

 いよいよ後半。白いロングドレスに着替えて、エレガントな雰囲気で登場。最初はバイオリンとピアノの伴奏で、「ハンガリー舞曲第5番」を「おかあさんといっしょ」時代の歌詞で歌った。かなりの早口歌詞に、音がとぶ曲なのに、涼しい顔で歌っているところが、偉大なるあゆみ姉。そして、オペラ「ジャンニスキッキ」よりあの有名な「お願いお父さん」。とっても好きな曲を、あゆみさんが歌ってくれて天にも昇る気持ちであった。あんな声で「お願いお父さん」なんて歌われちゃあ、許すよなあ,と思いつつ、あゆみさんのお父さんがなんだかうらやましくなってきた。しかし、子どもの泣き声は共鳴しあうのか、歌の合間にあちこちで聞こえ、心なしか大きくなってきたような気が・・・。ファミリーコンサートだから仕方がないけど、集中できなかったのが残念。でも、あんななかで歌えるあゆみさんはやっぱりすごい!
 そしてSMAPの「夜空ノムコウ」。高級感あふれる「夜空ノムコウ」だった。「Lovin' You」でまたまた美しい高音を聞いた後、このコンサートのためのオリジナル「Believe In Dreams」ちょっと長かったが、意味深な歌詞だった。そして、とうとう最後の曲「上を向いて歩こう」。間奏になると、にこやかに手を振りながら挨拶をされるあゆみ姉。ああ、これでしばらくは会えないのかと思うと、涙が出そうになった。そんな私の思いなど知るよしもなく、非情にも幕は下りてしまった。大きな拍手が続き、「アンコール」という男性ファンらしき人達の声にもかかわらず、客席の照明がつき、「終了いたしました。お帰りください。」といった内容の場内アナウンスが流れる。ええっ??アンコールないの?そんなそんな、とかすかな期待を抱きつつ拍手を続けたが、ほとんどの客はすっと立ちあがった。どうして、どうして、みんなそんなにあっさりなの?と不思議だったが、よくよく考えれば、泣き喚く子どもをとにかく外に出したい人ばかりだったわけで、アンコールどころではなかったのだ。

 来年は託児付きの大人向けコンサートをぜひぜひして欲しい。ファミリーコンサートにするのなら、もっと子どもが楽しめるものでないと厳しいなあ。
 個人的には、アリア特集がいいけどな♪

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