撒き餌に群がる鶴集団から離れて、田圃の奥の方へ歩いて言ってみる。一区画に4から6羽程度のツル達がおとなしくしている。おそらくは一家単位なのであろう。中には他のツルよりも二周りほど体の小さいツルがいる。肌色の頭をしていて、親鳥の間で歩くのもままならないようである。雛鳥なのであろう。カメラを持ってゆっくりと後ろから近づくと、それに気が付いた親達は駆け足で逃げて行く。しかし、足の遅い雛鳥は、彼らのペースにはついて行けない。田圃の端まで来ると、親鳥たちは、雛鳥を振り返りながらゆっくりと飛び立って行く。まだ飛べない雛鳥は、もう一周、田圃の中を駆けめぐる。
また、5羽程度の群でツルが餌をついばんでいる風景を思い出してみる。4羽はみな同じく嘴を田圃の中につっこみ、機械作業のように餌をついばんでいる。しかし、残る1羽は必ず周囲の様子を見張っているのである。本当に警戒心の強い動物である。もともとではなく、人間との古い突き合いの中で生まれた猜疑心なのであろう。それにしてもここは寒い。
真鶴の親子@出水:左が生まれたばかりの子供の鶴
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