の尾瀬  秋は秋霖の時期と秋晴れの時期があります。
 9月に入ると、大陸の冷たい高気圧と夏の暖かい太平洋高気圧の狭間にできた前線が日本上空で停滞し、長雨の時期となります。また台風もこの時期に頻繁に発生します。尾瀬では、暴風雨や集中豪雨などの荒天に見舞われることがあります。
 その後は移動性の高気圧と低気圧が交互に現れ、10月半ばになると、移動性高気圧により尾瀬でも好天が続くことが多くなります。
四季の記録 尾瀬の秋
秋の冷え込み

 下のグラフは1,976年から2,000年における霜と氷点下の初日、終日を調べたものです。おおよそ9月終わり頃から霜が降り初め、氷点下の気温がみられます。早い年では9月上旬に霜が降り、氷点下になることがあります。
菊地慶四郎著「 尾瀬の気候」(上毛新聞)のデータから作成
秋の長雨と梅雨

 9月にもなると夏の太平洋高気圧が南へ移動し、大陸から冷たい高気圧がやってきます。
 この2つの高気圧の間に停滞前線ができます。これが秋の長雨(秋霖)となります。
 梅雨前線は、オホーツク海高気圧の停滞によって、太平洋高気圧との間に前線ができることによって発生します。一方、秋雨前線は、シベリア大陸からの移動性高気圧が日本の北に張り出してくることによって、太平洋高気圧との間に前線をつくることで発生します。
秋の長雨
梅 雨
秋の集中豪雨と台風

 9月に入ると台風が日本列島に上陸するコースをたどりやすくなります。秋雨前線が停滞している時期に台風が接近すると、前線が刺激されて、広い範囲で大雨となり、集中豪雨も各地で発生します。
 一方、梅雨の時期の集中豪雨は、梅雨前線に熱帯の湿った空気「湿舌」が入り込んで大雨をもたらします。
台風と秋雨前線
梅雨と湿舌
参考とした文献等
 ・気象庁HP(http://www.jma.go.jp/jma/index.html
 ・城所邦夫著「山の気象学」(山と渓谷社)
 ・木村龍治監修「よくわかる気象・天気図の読み方・楽しみ方」(成美堂出版)

 ※天気図等はペイントソフトにより作者が作成したものです。