イタリア共和国とチュニジア共和国編

旅行第2日目 その1

ローマの市内観光に向かう

明けて2日目。今日は1日ローマ滞在の日である。いろいろ見どころが多い街なので、めんどくさいから持参したガイドブックに書いてあるモデルコースを元に市内観光することにした。

まず向かうのはバチカン市国。ローマ市内にいきなりある独立国家である。ホテル近くのテルミニ駅からは、地下鉄のA線に乗って6つ目のオッタヴィアーノという駅で降りると近いらしい。

ローマの地下鉄はA線、B線の2路線があり、テルミニ駅で交差している。
改札口の近くに切符の自動販売機が並んでいて、そこで1日乗車券を買おうと思うのだが、機械がうまく動かない。周りにいる世界各国からの観光客たちも首をかしげながらやり直している。何度かやっているうちに、どうやら細かい釣り銭を切らしているらしいということがわかってきた。
そうやってようやく手にした1日乗車券は、味も素っ気もないただの切符であった。



これなんです。
…つまんないっすね(^^;)
 

改札口は自動改札なのだが、有人ところもフリーパス(しかも係員がいないことが多い)で、何だかてきとうである。
そうやってホームに降りると、落書きだらけの電車がやってくる。特にA線はまともな電車がひとつもなかった。しかも冷房がついてなくて非常に蒸し暑い。おまけに故障なのか、駅に着いても開かない扉もあったりした。なかなかな乗り物である。



よく見ると落書きだらけの電車

 

バチカン市国

地下鉄のオッタヴィアーノ駅で降りる。「バチカンへはどの出口から出るんだろう」と思う間もなく、この駅で降りた客の大半は明らかにバチカンに行くと思われる観光客ばかりで、彼らと同じ方向に向かう。

外に出たところにある四つ角から、路面電車が通っているオッタヴィアーノ通りをまっすぐ南下する。
しばらく歩いて、その路面電車が折り返している広場の先から右側が城壁のようになり、地図によれば通りの中央をイタリアとバチカン市国との国境が走っている。



右側の建物がバチカン美術館
この道の中央を国境線が走っています
 

そしてその突き当たりがバチカン市国の領土(?)となるサン・ピエトロ広場である。この広場はカトリックの総本山、サン・ピエトロ大聖堂に面した広場で、世界各国から来た観光客たちでにぎわっている。もちろん日本人も多数見かける。



サン・ピエトロ広場から見たサン・ピエトロ大聖堂
向かって右側のあたりから近づいて行く
 

バチカンと言えばバチカン博物館も有名だが、ガイドブックによれば見学に非常に時間がかかることと、私たちが美術品にあんまり興味がないこともあり、省略して大聖堂だけ見ることにする。

で、さっそくそのサン・ピエトロ大聖堂に入る。本当にざくざくと観光客が押し掛けていて、入場制限をしている。
そして簡単な手荷物検査と金属検査があって内部へ。建物内部へは建物正面の真ん中から入るのだが、この地点は毎週日曜日になるとローマ法王が演説をする場所らしく、ここから広場に向かって観客席のような構造になっていた。
大聖堂内部は「荘厳」のひとことに尽きる感じで、周りにいくつもある礼拝堂も凝った造りになっている。実際にミサを行っている礼拝堂もあった。



内部です
 

建物内部への入口の右隣が「クーポラへの入口」となっていて、そのときは何だかわからなかったがとりあえず行ってみる。大聖堂そのものは入場無料だがここは有料で、「階段は3ユーロ、エレベータは5ユーロ」。迷わず2人で10ユーロ払う。
そのエレベータで上がった先は大聖堂の屋上で、その先の階段を上がると大聖堂内部の天井付近に出る。さっき歩き回った大聖堂内部をはるか上空から見下ろす恰好となる。
それだけで終わりと思いきやまだ続きがあり、ここからはひたすら階段をぐるぐる登っていく。ヒーヒーいいながらようやくたどり着いたところは屋上にあるドームのさらにてっぺんで、ローマ市内を一望できる非常に眺めの良いところであった。



てっぺんから見たサン・ピエトロ広場とその向こうのローマ市内
眺めはいいけど、この地点にたどり着くまでが大変でした(^_^;)

 

ナヴォーナ広場

サン・ピエトロ広場からガイドブックのモデルコースどおり東方向に歩く。途中ローマ市内を流れるテヴェレ川という、どぶ川のように汚い川を渡る。

この時点で天気は晴れてきて気温はなんと34℃、さっきパラパラとにわか雨が降ったせいで異様に蒸し暑い。これでは日本の夏と同じで、そんな中歩き回るのはかなりしんどい。

途中休憩しようにも、時々見かけるバール(軽食店のような店)はオープンタイプでクーラーのない店がほとんど。イタリアでもこのあと向かうチュニジアでも、暑いからといって安易にクーラーで涼むことをしないのは国民性のように思われる。
ようやくクーラーの入っている店(でも効きは悪い)を発見、コーラを飲む。この後よく冷えていない飲み物にちょくちょく出くわすのだが、この店のはギンギンに冷えていてかなり生き返った。

そんなことで直線距離にして1kmくらいのところを30分以上かかって、ナヴォーナ広場に着く。周りを建物に囲われた楕円形の広場である。広場の周囲にはいくつものオープンカフェがあり、噴水も3つあって賑わっている。



ナヴォーナ広場
 

そんなところをブラブラ歩いていると、2人組の兄ちゃんが「ナカタ、イナモト、フレンド」とか何とか言い寄ってきて、いきなり私の指を使って手際よく編み物のようなものを始めた。「フリー」とか言いながらにこやかに作業して、「やばいな」と思うヒマもなく完成。いきなり「材料はフリーだけど加工料が25ユーロだ」とかふざけたことを抜かす。そこで「ノー!」と強く言いながら強引に逃げてきた。追いかけられたらやばいと思ったけどあまり追ってこなかったので助かった。

時間的にももうお昼なのでここのオープンカフェで昼食でも取ろうと思ったが、結局この広場を後にするハメになった。

 

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