イタリア共和国とチュニジア共和国編

旅行第3日目 その3

シチリア島内を走る

16:05、シチリア島のメッシーナ港に着岸。しばらくすると、機関車に引っ張られて船内からメッシーナ中央駅に移動する。ここではバックとかはしないで、まっすぐ走るとホームである。

さっき船に積み込まれるときに、船の長さの関係で2つに分割されたが、メッシーナからはそれらがそのままパレルモ行きシラクーザ行きに分かれる。ということで、私たちの乗っている5両がパレルモ行きになるのである。

そのパレルモ行きは16:30出発。結局遅れは1時間20分のまま。
パレルモ島内は、先ほどまでのように軽快というわけではないが、80km/hくらいのスピードで走る。単線の区間も多い。

ここも海岸線では海水浴をしている人たちをよく見かける。明らかにリゾート地、という感じのところもあった。かと思えば一面畑の中の農村地帯を走ることもある。

海岸線です
 

一方、農村地帯です
 

この列車はものすごい遅れで走っているが、他の列車は比較的時間通り走っているようだ。詳しい時刻表を持っているのでそのへんのことはよくわかる。
ただ単線区間では、対向列車が駅でこちらの列車を待っていることが多い。相変わらず周りの列車に迷惑をかけながら走っているのであった。

18時頃から立て続けにミラノ行きの寝台列車と2本すれ違う(パレルモからミラノなんて、ほとんどイタリアの端から端ですね)。
そして18:45、チェファルの駅ではローマ行きの寝台列車ともすれ違った。こちらもローマを出て11時間近く走っているわけで、これからローマへ行けばもう明日の朝である。

昼食を食べた食堂車はさっき船に積み込まれる前に切り離されていたが、そのウエイトレスさんたちは車内販売員としてそのまま車内に残っていた。そして彼女たちは最後の停車駅・テルミニ(ローマのテルミニ駅とスペールが同じ)でワゴンごと降りていった。ここに営業所のようなものがあるのだろうか。

そのテルミニ駅からは複線区間となり、列車もスピードを上げた。
ちょうどその頃、同室だった夫婦のおじさんの方が「パレルモはあまり治安の良い町ではありません。どの辺に泊まるんですか(これも英語)」と聞いてきた。パレルモには旧市街と新市街があり、
旧市街の方が夜間治安が悪くなるらしい。私たちが泊まるホテルは新市街の方で、ガイドブックの地図でそのあたりを指すと、「それは良かった」と言った。

そして19:38、実に1時間33分遅れで終点・パレルモ中央駅に到着した。始発駅ローマからの所要時間は11時間42分。



パレルモ中央駅に到着
 

列車旅大好きの私は大いに楽しかったが、それに付き合わされた相方の方は列車が大幅に遅れたこともあってイライラしていたようだった。

 

正統的なピザを食する

パレルモ中央駅は旧市街にあり、私たちが泊まるホテルのある新市街とは少し離れているのでタクシーに乗る。「イタリアのタクシー」→「白タクにつかまる」→「ぼったくられる」というイメージがあるのだが、駅の案内看板ですぐタクシー乗り場が見つかり、そろいのロゴのタクシーが並んでいた。

やたらと人の良い運ちゃんに道沿いの建物や施設とかを案内されながら、10分ほど走ってホテルに着く。すごく高級なホテルで、あまりに軽装な私たちは思わず恐縮してしまう。

部屋に荷物を置いてから、すぐに夕食を食べに行く。ローマではオープンレストランがいくらでもあったので、ここでもすぐに見つかると思った。
地図で見るとホテルから歩いて5分くらいのところにカステルヌオーヴォ広場というのがあるので、そちらの方に歩いてみた。しかし確かに人通りも多い広場なのだが、周辺はなぜかブティックばかりで食事をとるような店がない。そのうちに日も暮れて暗くなってしまう。

さんざん歩いてリベルタ通りというところまで来て、ようやくオープンタイプのピッツェリア(ピザが基本のレストラン)を見つける。当然のことながらメニューはイタリア語のみで、ピザの種類がいろいろ並んでいるのだがよくわからず、てきとうに注文する。
イタリアに来て初めて口にする正統的なピザ。しかし1つが大きくて、それを2つも注文してしまったので食べきれない。でも周りで食べている人たちを見るとそれ1つが基本的に1人分のようだ。みんなよく食べるなあ。



出てきた瞬間「うっ大きい」と思ったシロモノ
 

しかもピザというものはもともと味がくどくて、しかも蒸し暑い中クーラーのないところなので、余計に食が進まないときている。もっと涼しい時であれば状況は変わっていたかも知れない。

 

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