イタリア共和国とチュニジア共和国編

旅行第5日目 その3

チュニジアのチュニスへ

出発時間の15分前、18:05に搭乗開始。ところが搭乗口でいちいちパスポートのチェックをしていて、機内に乗り込むのに時間がかかる。



チュニス航空のチュニス行き
ブラインド越しに撮ったのでちょっと写りが悪いんですけど
 



搭乗するところ
入口のところで係員がパスポートチェックしています
 

チュニジアの航空会社なので、機内に入るとそこはアラブの世界。BGMはアラビア系の音楽だし、公用語がアラビア語なので機内の表示もビローンとしたアラビア文字である。こういう雰囲気を味わうのは初めてなので、「来たぞー」と思わずにいられない。
座席は7割方埋まっているのだが、私たちの後ろの列に双子の小さい女の子がいた。わーわー騒ぐし、イスはけっ飛ばすし落ち着かない。

18:32出発。50分離陸。
ローマから見るとパレルモもチュニスもほとんど同じ方向なので、さっき飛んできたのとほぼ同じコースを飛ぶ。機内のモニターでは飛行コースの表示をしているが、これがまたアラビア語である。
チュニスまで、飛行時間は1時間もないのだが、その間に機内食が出る。結果的にこれが今日の夕食になった。

 

チュニスの空港にて

今飛んでいるのが地中海。機内食が片づくころ、陸地が見えてきた。生まれて初めて見るアフリカ大陸である。一度空港上空近くを飛んで、チュニス市街地の上空でUターン。
時計が1時間早くなって18:44、チュニス・カルタゴ国際空港に着陸する。



チュニスの空港に着陸する直前
 

入国審査場が少し混んでいて、そこを抜けるのに15分ほどかかった。
その先がバゲージクレームで、すでにターンテーブルが回っていた。ローマで「荷物は最終目的地まで行く」と聞いていたので通り過ぎてもいいのだが、何となく眺めていると「あれ? あそこで回っている荷物、俺たちのじゃない?」。ローマで言われていたことは間違いで、一度ここで帰ってくるのであった。
もし鵜呑みにしてそのまま通過していたら、後々途方に暮れるところだった。まったく油断できない。

出てきたところが1階の到着ロビー。出てきたところに銀行のカウンターが並んでいて、ここでチュニジアの通貨に両替する。
ちなみにチュニジアの通貨はチュニジアン・ディナール(TD)1ディナールが約90円くらい。

チュニスから国内線に乗り換えて、トズールという町まで移動するので、2階の出発ロビーに移動する。搭乗口の入口らしきところへ行くと、そこにいた係員に「国内線はここではなくて1階です」と言われる。しかし1階に行ってもそれらしき場所が見あたらないのでもう一度さっきのところに戻って、その係員に案内してもらう。
1階フロアーの端っこまで行って、「この奥にあるよ」と指さされたところは、どう見ても職員用通路みたいな感じであったが、かまわず進んでいくと、こぢんまりした国内線チェックインカウンターのある部屋があった。
これは非常にわかりにくい。あの係員に案内されていなければ、いつまでたっても気がつかなかっただろう。



国内線用チェックインカウンター
非常にわかりにくいところにあります
 

これから出る国内線は21:45発のトズール行きと22:00発のジェルバ島行きのみで、この部屋にはまだだれもいなかった。しかも両便とも「定刻より30分遅れ」という表示がすでにしてある。
ちなみにこれから乗る「チュニス〜トズール」線は
チュニス発が21:45発のみ、トズール発が6:00発のみ(それも1週間に5往復だけ)という妙ちきりんなダイヤになっている。しかしサハラ砂漠方面に飛ぶ飛行便はこれだけで、あとはバスの便しかない。今日の移動がこんな時間になってしまったのはこのせいである。

やることもなくぼーっと座っていると、ぼちぼち乗客たちがやって来る。そんな中にガイドさん付きの日本人の女性4人グループがいて、思わずあいさつする。こんなところで日本人を見るなんて、お互いに思わなかったようだ。

 

夜間、トズールへ

20:45、ようやく搭乗手続きが始まる。ローマの係員が言ったことは結局みんな間違いで、ここでもう一度手続きすることになる。

それからまた間があって、21:35に搭乗待合室に入るための手荷物検査が始まる。搭乗待合室はクーラーの効きすぎで寒かった。

21:50に搭乗開始。バスに乗って、駐機場の端の方にとまっている飛行機に向かう。定員50人くらいのプロペラ機である。



トズール行きの国内線のプロペラ機
 

乗客は30人くらいなので、全員乗り込むのにそんなに時間がかからず、22:03に出発。その4分後には目の前の滑走路からすぐ離陸。表示していたより早い出発であった。

チュニジアは都市部を除けば乾燥した地帯で人口密度も低い。そんなところの夜間飛行なので、窓の外はほとんど真っ暗の闇で、たまーに明かりが見える程度である。
45分ほど飛んでいると、今まで以上に大きな明かりが見えた。これがトズールの町らしく、飛行機はUターンするようなかっこうで23:02、砂漠の中のトズール空港に着陸した。

規模の小さなターミナルビル前に停まって、飛行機から降りる。外はこの小さな飛行機が揺れるほど猛烈な強風が吹いていた。滑走路と並行に吹いているので着陸できたのだろう。

大きな荷物を受け取り、空港の外へ。そこにタクシーが2台停まっていて、そのうちの1台に乗ってホテルに向かう。町への交通はこれしかないので、もしいなかったら途方に暮れるところだった。運ちゃんによれば、空港からトズールの町までは10ディナールと決まっているようだ。

タクシーは明かりの全くない砂漠の中の道路を走ったあと、トズールの町の中に入る。あとあとわかってくるのだが、私の泊まるホテルのある地域は町の中心部よりも手前にある。しかしこのタクシーは大回りして町の中心部を経由した。これが翌日町を歩くとき役に立った。
そしてホテル着。砂漠の中のリゾートホテル、という感じであった。

部屋に落ち着いたのは夜11時半過ぎ。長い一日、お疲れさまでした。

 

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