イタリア共和国とチュニジア共和国編

旅行第6日目 その1

トズールの中心部方向へ歩く

丸2日間滞在するトズールの第1日目。
今日はあまり広くない町中を歩いて、夕方になったらオアシス見学に行こう、と漠然と考えているのみである。

ホテルを9:45に出発。とりあえず町の中心部まで歩いてみようと思う。
私たちの泊まっているホテルをはじめ、ホテルのかたまっている地域は町の中心から少しはずれたところにある。地図で見る限り距離的に7〜800mくらいだったので、「まあ何とかなるだろう」と思ってホテルを出た。

日焼け止めをたっぷり塗り、帽子をかぶって外に出ると、もうすでにかなりの高温であった。「ムム、あなどれないな」という感じである。
ホテルから、その前を通っているアブール・カセム・シェビ通りを東方向に歩く。通りの右側は建物や空き地の向こう側にオアシスが見え、左側にも建物がぽつぽつ並んでいるが、いずれも非常に乾燥した景色である。



アブール・カセム・シェビ通り
写真の向こうの方がトズールの中心部方向
ちなみに道の右側に何台かとまっているのがカレーシュです
 



乾燥した景色ですね
 

途中何軒かカフェのような店がある。どの店も客層はおじさんばっかりでほぼ満員、一種異様な雰囲気である。あまりに暑いので、何もする気が起きなくてここにいるような感じである。ただしこういう店にクーラーはついていない。と言うより、クーラーのついた建物自体をほとんど見かけない。

また、通りの途中にカレーシュという観光馬車のたまり場がある。主にオアシス見学に用いる乗り物なのだが、この暑さで観光客も少なく、このたまり場だけでなく通りのいたる所にいて、歩いているとやたら声を掛けられる。夕方利用するつもりでいるので断り続けていたが、だんだんそれすらうっとうしくなってくるのであった。

 

ハビブ・ブルギバ通り

通りは市役所の前で90°左に曲がっている。ここから先がハビブ・ブルギバ通りという、町のメインストリートである。

先ほどまで比較的閑散としていたのに対し、この通りは店が建ち並んでいて人通りが多い。ただし、なぜか大半がみやげ物屋さん。それに対して、観光客らしき人たちはほとんどいない。彼らはこれで商売になるのだろうか、と思ってしまう。まあもっと涼しくなれば観光客も増え出すとは思うけど。



ハビブ・ブルギバ通り
よく見るとみやげ物屋ばかりです
 

通りの中間地点付近がロータリーになっていて、この周りだけふつうの商店が集まっている。
暑いので休憩したくても、カフェはおじさんばっかりで私たちが入るような雰囲気でなく、そこにあった商店のひとつで缶ジュースを2つ買い、その店の前にたまたまイスが2つあったのでそれに座り込んで飲む。商店の人がサービスでストローをつけてくれたが、飲んでみたらちっとも冷たくなかった。

ちなみに、この時点でデイバックからぶら下がっている温度計を見たら、なんと38℃を指していた。さすがは砂漠の中の町。こりゃあ暑いはずである。

 

トズールのメディナ地区

このロータリーの東側が、旧市街地のメディナである。この地区の中は、細い路地の両側に日干しレンガで作られた家が建ち並んでいて、その壁には独特の模様が入っている。



メディナの内部
 

その中に伝統民族工芸館というのがある。周りと同じような建物なのだが看板があるのでそこだとわかる。内部ではこの地方の生活用品などが、まるでこの辺りの一般家庭に紛れ込んだような感じで展示してあった。

メディナ地区は外部との出入口が少なくて、ちょっと道に迷ったこともあって地区内をウロウロ。いたるところにある小さな広場には、地元の人たちがけっこういて、何かしらやっていた。

 

ホテルの近くのレストラン

メディナ地区から出てくると、もと来た道をホテルに戻る。この時点で気温は40℃を越え、ただひたすら黙々と歩いてホテルに逃げ帰ったというのが本当のところである。

ホテルの部屋はクーラーが効いていて、ここだけは別世界。
約1時間ほど休憩して、昼食を食べに出かけた。ホテルを出たところにレストランや商店が何軒か並んでいて、そのうちの1軒のレストランにはクーラーが入っていたので、ただそれだけの理由でその店に入った。

このレストランはテーブルが5つほどの、おじさんとおばさんが2人でやっているこぢんまりとした店だった。
チュニジアで使われている言語はアラビア語とフランス語、さてどうなることやらと思ったら、なんと店のおばさんが持ってきたのは
日本語メニューであった。それも誤字も脱字もない完璧な日本語。おばさんは地元の言葉しかしゃべれないようであったが、このメニューのおかげでなに不自由なく食事を取ることができた。以後このレストランは数度利用することになる。

 

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