イタリア共和国とチュニジア共和国編
旅行第7日目 その1
4WDに乗ってサハラ砂漠へ
今日は、昨日ホテルからチャーターしてもらった4WDに乗ってサハラ砂漠に向かう。
その車は朝9時にホテルを出発すると聞いていたので、それに間に合うように準備していると、8:40ごろフロントから「車が来ました」と電話がかかってくる。
ホテルの前で待っていた4WDは新車に近くて、車内はクーラーが効いていた。灼熱の世界を想定してミネラルウォーターを2人で4リットル以上準備してきたので、やや拍子抜けのような気もするし、ホッとしたような気もする。
運ちゃんはふつうの恰好をしていたが、出発する前に頭にターバンのような布を巻いた(制服なのかな)。
今日1日お世話になった4WD
トズールのエージェンシー前にて
ホテルから5分ほど走って、この車が所属する地元のエージェンシーに一旦立ち寄り、今日の代金を支払う。そして改めて出発。
めざすはサハラ砂漠の北東の端、タメルザ渓谷とそこに点在するオアシスである。
トズールに接したエル・ハンマという集落をすぎると、いよいよ一面の砂漠の中に出る。実際には最初のうちはショット・エル・ガルサという大きな塩湖が干上がった地域らしいのだが、とにかくこの景色を見たいがためにわざわざここまでやって来たのである。
運ちゃんが砂漠の中にラクダがいることに気づいて、
車を停めて写真を撮らせてくれました
オアシス@ シェビカ
そんな中を40分以上走っていくと、向こうに見える山のたもとにオアシスが見えてくる。これがタメルザ渓谷周辺にある3つのオアシスのうちの1つ、シェビカである。
シェビカが見えてくる
シェビカを含めタメルザ渓谷にある3つのオアシス村は、いずれも約30年前の大洪水で壊滅してしまい、現在は新しい村が作られて住民はそちらの方で生活しているらしい。一方、観光スポットになっているのはその旧村の方である。
道から外れその旧シェビカ村の入口の所まで来て車を降りる。
駐車場の辺りには簡単なカフェやみやげ物屋が何軒か並んでいて、車から降りるとすかさずガイドさんがやって来る。ガイド料10ディナールとのことで、お願いすることにする。
もう「とうとうサハラに来た」ということだけで気分が大きくなってしまい、それくらいの出費は何とも思わなくなってしまう。
そのガイドさんに案内されて斜面に建っている旧村の廃墟跡を歩く。家々は土のレンガを積み上げているだけなので、洪水が起これば簡単に崩れてしまうわけである。そして斜面を登りきったところからはオアシスとその向こうに広がるサハラ砂漠が一望できる。ガイドさんがいなければ、さっきの廃墟跡あたりで折り返してしまったかも知れない。
廃墟となった旧村とオアシスとその向こうに広がる砂漠
斜面の反対側を降りていくと、このオアシスの源となっている泉がある。その光景としては涼しそうな感じなのだが、泉から続いている川の水をさわってみると生ぬるい。
その川に沿ってさっき車を降りた地点まで帰ってくる。そこにあった売店で缶ジュースを買い、休憩。
店の壁に掛かっていた温度計を見たらすでに42℃だった。
タメルザ渓谷
シェビカを出発すると、道は山道にかかる。と言ってもそこはサハラで、荒涼とした岩山である。この辺りがタメルザ渓谷のようだ。
車は途中、グランド・カスカドという滝に立ち寄った。私たち2人と同じように4WDでやって来た欧米人がたくさんいる。
グランド・カスカド(向こうの方に見える滝がそれなんですけど)
トズールを出発してからというもの、団体さんの乗るような観光バスは全く目にせず、その代わりにこのような4WDをやたらと見かける。仮に団体さんが来ても、ここでは4WDに乗り換えて砂漠の中を走り回る、というのを売りにしているのかも知れない。
先に来ていた欧米人たちは、みんな水着に着替えて滝の下にある大きな滝壺で水浴びをしていた。その水をさわってみると、やっぱり冷たくなかった。
オアシスA ミデス
グランド・カスカドから先は道がやや平坦になった。その先にタメルザというオアシス集落があるが、後で寄るらしく通過。
さらに15分ほど走ると、もう一つのオアシス、ミデスに着く。ミデスは国境の集落で、運ちゃんはすぐ近くにある山を指さし「あそこはもうアルジェリアだ」と言った。ついでだから行ってみたいが、そんなこと言ったら運ちゃんに何を言われるかわからない。
車は広いオアシスの中を通り抜けて、再び砂地の所に出て停まった。ここで車を降りる。
そこは切り立った渓谷の上であった。底が見えないくらい深い渓谷で、非常に荒涼とした景色である。けっこう有名な映画のロケでも使われたことがあるという。
ミデスの切り立った渓谷