朝鮮民主主義人民共和国
+  中国国境地帯編

旅行第2日目 その1

平壌の朝

2日目。朝7時に張さんからモーニングコールが入る。でもそれで起きたわけではなく、昨夜F氏と示し合わせて、7時過ぎにホテル周辺の散歩に出かける。

ホテルは、市内を流れる大同江という川の中州(羊角島 ヨンガンド)のとったんに建っている。市の中心部に行くにはかなり回り道をして橋を渡らなければならない。まあ悪く言えばこういうところに隔離されてしまったと言えなくもない。
なお市内にはもうひとつ、駅の近くに「高麗ホテル」という国際ホテルがある。そちらは市の中心部にある。



ホテルから南側を見る。市の中心とは逆方向。
ホテルが大同江の中州にあることがわかる。
 

でも逆に言えばそういうところだから当局も管理しやすいのか、ドアマンの人に「散歩に行ってきます」というようなことを言えば、「どうぞ」と返事が返ってくる。そして大同江の向こう側にある平壌の市街地を見ながら散歩した。ガイドさんが言っていたが、この季節の平壌は朝のうちはいつも霧がかかっているそうで、今朝もそんな感じであった。

7:30から昨日と同じところで朝食。外国人向けに作っているのか、味も量もほどほどである。主食はお粥であった。

その後、O氏とI氏のグループは8:10に出発していった。一方私たち2人はその10分後出発となる。なぜずらすのだろうか。

 

板門店へ向かう

私たちが乗ったライトバンは、東平壌地区を通り、市外に出ていく。この東平壌地区のメイン通り(統一通り)はものすごく幅が広い。軽く100mはあると思われる。しかし車通りはまったくと言っていいほどない。通りの両側に、たくさんの乗客を乗せたトロリーバスが走っている。沿道には巨大なアパートが建ち並んでいる。

しかし、トロリーバスの路線がないところまで来ると、人々はひたすら歩いている。車は一気に郊外に出て、南へ向かう高速道路を走る。「高速道路」と言っても、こちらの場合「≒幹線道路」という感じで、道の脇を人が歩いている。そんなところを100km/h以上のスピードを出して突っ走る。路面の状態がそんなに良くないので、結構揺れる。



車通りほとんどなし。
代わりに人が歩いている。
 

そこから10分も走ると完全に農村地帯になった。この時期だから田畑には何も植わっていないのはしょうがないとして、その田畑が向こうの山の上の方まで続いているので、非常に緑が少ない。これでは大雨が降れば洪水も起きるよな、と思ってしまう。



こんな景色
写っているのは国営の住宅
 



途中でよく見かけるスローガン
ちなみにこれは「党と革命隊伍の一心団結を強化しよう!」と書いてあるらしい
 

ホテルを出て約1時間、車は板門店までのほぼ中間にあるパーキングエリアのようなところに着く。ここで休憩。
あまりにも車通りがないので、道の中央に出て記念写真を撮る。
ちなみにこのパーキングエリアがあるところ、ガイドブックには「瑞興」と書いてあったが、洪さんは「水穀」と言っていた。どちらが正しいかよくわからない。



パーキングエリアの建物
 

ここから先、板門店までの間に検問所が4箇所ある。うち3箇所は、補助席に座っていた張さんが監視員に何か言うだけで通過したが、1箇所だけ何やら手続きしなければならないらしく、その間休憩時間となる。
国内を移動するだけでこんなチェックがあるなんて、江戸時代の関所みたいである。



検問所の裏の方にあった農家

 

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