朝鮮民主主義人民共和国
+  中国国境地帯編

旅行第3日目 その2

金日成広場から本屋さんへ

万寿台から車に乗って金日成広場へ。きのう行ったチュチェ思想塔の、ちょうど大同江を挟んで向かいにある。



金日成広場
 

広場そのものは、周囲にあるモニュメントを除けばふつうの広場なので、見るものは特になく、そこから歩いて本屋さんへ。期せずして市内の散歩になる。

このあたりを含め、市内はどこもなんか景色がアジアっぽくなくて、東欧的である。というのも、平壌は朝鮮戦争で完全に破壊させられて、その後旧ソ連の支援で立て直された町だからである。完全に破壊されたなら、じゃあさっき行った万景台の金日成の生家は? と言いたいところだがまあ置いておく。



街角の様子
これもガイドさんがいるから撮れた1枚。
 

着いた本屋さんは、一般市民が利用する本屋のわけがなくて、予想通り外国人用であった。本屋と言っても、本だけでなくて、絵はがきとか、ポスターとか、絵とか、いろいろ売っている。いかにもこの国ならではの、ある意味あじのある品物が並んでいたので、かなり大量に買い物をする。

この店でもウォンではなく日本円建てであった。しかも細かいおつりまであった。こういうところで少しでも外貨を得たいんだろうね。

 

冷 麺

今日のお昼は朝鮮名物の冷麺。平壌で有名な冷麺屋さんといえば大同江沿いにある「玉流館」と、いろんな文献に書いてあるが、私たちが向かったのは東平壌地区の住宅地の真ん中にある、その姉妹店(張さん曰く)であった。

冷麺と言っても、それはメイン料理であって、その前に朝鮮風石焼きの焼き肉とか、その他いろいろ朝鮮料理が出てくる。今回も張さんが私たちのテーブルに同席した(洪さんはとなりのテーブルで運転手さんと食べていた)ので、いろいろ雑談しながら食べた。

最後にメインの冷麺が出てくる。冷麺と言えば、日本では盛岡の冷麺が有名である。そちらの方を食べたことがないので比較できないのだが、ソバとかラーメンとかの麺とは明らかに食感が違った。味付けも簡単に言えばキムチと同じ味で、けっこう辛い。酢を入れるとマイルドな味になる。



朝鮮式冷麺
 

ところで、昼食中となりの空いていたテーブルに、変な帽子をかぶって半分メガネがずり落ちた、怪しい日本人が彼のガイドと一緒にやってきて、我々と同じメニューを食べていた。この人はきのうサーカス場にもいたし、さっきの本屋にもいた。
しばらくして、向こうの方から話しかけてきた。「
日本の方ですか私誰だかわかりますか宅八郎です」。
これには驚いた。でも、「北朝鮮で宅八郎」というシチュエーションが妙にしっくり来て、まったく疑わなかった。
あとで彼に聞いた話では、自身が日本でちょっと有名人であると言うことをガイドさんが信じてくれなくて、それを証明するために私に話しかけてきたらしい。で、我々のリアクションを見てガイドさんも信じてくれたそうだ。

 

平壌の地下鉄

昼食後、平壌の地下鉄に乗りに行くことになった。今回の北朝鮮行きで、特に楽しみにしていたもののひとつである。

平壌の地下鉄には路線が2つある。ふつう、どんな町の地下鉄でも、駅名といえば、地名とか、通りの名前が付くものだが、平壌では「統一」とか「凱旋」とか「革新」とか「勝利」とか、スローガンが駅名になっている。なんなんだろうね、これは

私たちが向かったのは「復興」という駅。2つあるうちの片方の路線の起点駅である。
改札は自動改札。改札機は入口のみで出口は何もなく外へ直行。切符とかそう言うものはなく、改札機に10チョン玉(0.1ウォン)を入れると通れるようになっている。日本円でいえば5円ちょっとというところである。
私たちのような観光客は、ガイドさんが一言係員に言っただけでフリーパス。

改札機の先に長ーいエスカレーターがある。そしてホームは装飾とかものすごく凝っている。

改札からここまでの感じは、以前行ったことのあるロシアの地下鉄に非常によく似ている。

ロシアでは1枚も撮れなかった地下鉄の写真であるが、ここではガイドという味方がいるので、とにかく撮りまくった。こんなこと韓国でもできないと思う。



壌の地下鉄の写真については、
鉄道もの」にてバシバシ載っけています。
 

電車は結構頻繁な間隔で運転していた。共産国にしてはきれいな、というか居住性の良い車両である。車内の照明もそんなに暗くない。ただ、車両の両端に金親子の写真が並んでいるところは、さすがにこのお国柄である。

1駅乗って、「栄光」という駅で降りる。この「復興」と「栄光」の間が、外国人が唯一、それもガイドと一緒でのみ乗れる区間である。
というか、北朝鮮の国民が使っている通貨を外国人は手にできないので、勝手に乗ることが物理的に不可能なのである。

 

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