大韓民国ソウルとその近郊編

旅行第2日目 その2

議政府駅で昼食

新炭里からの帰りの列車はあんまり混み合わず、私も4人掛けの座席を結局最後まで独占したままであった。まあ、私が乗っていた車両が一番前で、終点議政府駅の出口がホームの一番後ろだったせいだろうけど。

11:13、議政府駅着。次に乗る列車まで40分くらい時間がある。
議政府駅は、スーパーなどが入って駅ビルのようになっており、駅前にはバスターミナルなどもあり、大変にぎわっている。



議政府駅
 

切符売場と改札のあるフロア(2階)には、フードコートもある。長方形の長手方向の両側に店が並んでいて、片側はマクドナルド、ケンタッキー、サーティーワンなど日本でおなじみの店。もう片側には韓国家庭料理の店が並んでいる。



駅舎内2階にあるフードコート
 

ここで、ちょっと早いけど昼飯をとる。やっぱり韓国まで来たからには、日本でも食べられるものより、韓国料理の方にする。
今回はソルロンタンを食べる。こういう「湯(タン)」ものには、何も言わなくてもご飯がついてくる。また、韓国の場合何を頼んでもキムチが2種類以上出てくるので、これで必然的に「ソルロンタン定食」のようになる。



本日の昼食 ソルロンタン「定食」
これで4,000ウォン

 

ソウル郊外線

再び議政府駅の切符売場で、ソウル郊外線経由の新村(シンチョン)までの切符を買う。改札口には駅員がだれもおらず、鋏が置いてあったので勝手に入鋏して中に入る。



ソウル郊外線 議政府→新村の切符。
窓口係の人がベタベタハンコを押して、わけがわからなくなっている。
 

これから乗るのが、今日こんなに早起きさせられたソウル郊外線1日4往復、週末は1日3往復になってしまう超ローカル線である。このうち1往復はソウル駅発着の「ムグンファ」号で、実質的な鈍行「トンイル」号はさらに1往復少なくなる。

ホームには新炭里行きと新村行きの列車が並んで停まっていた。新村行きの列車は3両編成で、ほとんど客が乗っていない。まあ、これだけ本数が少ないんじゃあ利用しづらいし、それに沿線の人口密度も低いのかも知れない。

先に述べたように韓国では鉄道関係の写真を撮る場合は原則許可制である。が、最近これもかなり緩くなってきたようなので、このような大きな駅の構内で写真を撮る場合はわざと駅員等に見えるようにカメラを取りだし、注意されたらやめる、という戦法をとった。結果的にはこれで注意されたことは1度もなく、駅員も乗務員も見て見ぬふりをしていた。
で、今回もその手を使って車掌の見ている前で写真を撮っていた。すると、窓から顔を出したので、注意されるのかと思ったら、「この列車は新村行きですよ、新炭里行きじゃないですよ、いいんですか」というようなことを言われたみたいである。本数が少ない列車なので、知らないで間違えられては困ると思ったのだろう。少なくとも写真撮影についてはやっぱり「見て見ぬふり」であった。



ソウル郊外線 新村行きの列車。すいてた〜
議政府駅6番線にて
 

11:55発車。これが今日2本目の新村行きである。車内放送はテープではなく車掌がしていた。これだけ本数が少ないと、テープを作るほどのものでもないのだろう。
最初のうちだけ議政府の市街地のようなところを走るが、5分もすると周囲に家がなくなり、丘陵地帯のようなところに入っていく。まるで北海道のような大味な光景だ。かと思えば農村地帯のようなところにもなる。「都心に近いのに景色が田舎と言う意味で『八高線』のようだ」という文章を何かで読んだことがあるが、はっきり言って八高線沿線の方がまだ人口密度が高い。
これだけの路線であるから、車内はガラガラ。各駅での乗り降りもほとんどない。しかし
全駅無人駅かと思いきやそうではなく、2つ目の長興(チャンフン)駅には委託のおばちゃんがいたし、その次のこの線区で唯一すれ違い設備のある日迎(イルヨン)駅には駅員がいた。日迎駅構内には貨車が停まっていたので、貨物扱いがあるからだろうか。この先、駅が何かの作業所と一緒になっていて、その従業員がホームで昼寝している駅もあった。
最後の方は線路の向こうの方に団地群があって、線路の周辺は田んぼ、という光景が長く続いた。

12:45、田んぼの中に立派な複線電化の線路(一山電鉄線)が高架で現れ、その高架下の大谷(テゴク)駅に着く。この線のホームと地下鉄駅をはさんで向こう側に明日乗る京義線の大谷駅がある。出発するとすぐこれらの線路が田んぼの中で合流し、綾谷(ヌンゴク)駅。ソウル郊外線はこの駅までで、ここからは京義線に乗り入れる。

そこから先は左側がソウル市郊外の団地群、右側は田畑または空地、という区間が長く続く。人口密度はそれなりに高くなった。

大谷の次の幸信(ヘンシン)駅の右側には、現在ソウル〜釜山間で建設が進められている新幹線の車両基地があった。基地そのものはほとんど完成していて、開業間近いのかなという雰囲気であるが、そのソウル側では路盤工事が始まったばかりの区間もあって、「やっぱりまだまだ」という感じである。

終点の2つ手前の水色(スセク)駅の右側に、大きな車両基地がある。ソウル駅を発着するの列車のねぐらとなっている場所のようである。線路もここから複線となり、ソウル駅に出入りする列車と頻繁にすれ違うようになった。

13:14、終点新村着。3両編成の列車から降りた乗客はたったの9人であった。
新村駅はソウルの1つ手前の駅であるが、現在ソウル駅構内の工事の関係で、こことソウルの間の定期列車はほとんど走っていない。この区間の数少ない定期列車には明日乗る予定である。

 

新村(シンチョン)駅周辺

新村駅は、構内が広いわりにはホームは短いのが2面だけ。しかも改札からホームまでの移動は平面交差で、ちょっとひなびた感じがする。駅舎も必要最小限に小さい。



新村駅構内
繁華街の中にあるのにひなびた雰囲気
 

しかし、一歩駅の外に出ると、そこは新村の大繁華街である。というのも、このあたりは延世大学、梨花女子大学をはじめ、有名大学がそろっている地域で、要するに学生街なのである。ウィークデーの昼間から、主に学生たちで大変なにぎわいである。

新村駅から都心部方面に向かう場合、一番速いのが地下鉄で、地下鉄2号線の梨大(イデ)駅まで、この繁華街の中を突っ切ることになる。地下鉄の駅まで直線的に行く道がないことをいいことに、この街の中をブラブラ散歩しながら梨大駅に向かった。



新村・梨大地区の繁華街、というより学生街

 

2日目その3へ    目次に戻る