長崎県対馬地方と大韓民国編
旅行第3日目 その2
トンイル号1222列車 続き
こういう日本の田舎と何ら変わらない景色の中を走っていきます
11:41、安東(アンドン)着。ここも乗り降りが多い。釜田から乗車してきた2人の車掌がここで交代する。となりのホームには、12:00発の清涼里行きのムグンファ号が停まっている。あれに乗ればこの列車よりも2時間15分も早く清涼里に着く。
それにしても、ここまで意外と長距離区間乗車している人が多い。始発駅の釜田から乗っている客はさすがに少なくなったが、途中の慶州あたりから乗ってきた客はまだけっこう残っている。ただでさえ列車本数の少ない中央線のリーズナブルな鈍行列車ということもあるのだろうが、こんなに多いとは思わなかった。
12:10、甕泉(オムチョン)着。ここまで幾度となく反対列車とすれ違ってきたが、ここでこの列車と対をなす下り1221列車とすれ違った。
12:20、その次の駅の平雲(ピョンウン)着。ここで20分停車するらしい(車内放送は当然よくわからなかったが、近くにいた客同士がそんなジェスチャーをしていた)。その間にさっき安東で見たムグンファ号に抜かされ、下りのセマウル号とすれ違う。その間ずっとホームに降りていたが、駅自体が山間の静かなところにあるので、「鈍行列車の旅をしているんだなあ」という感覚を満喫する。
ムグンファ号に抜かされる
平雲駅にて
平雲を出発すると、朝釜山のコンビニで買ったおにぎりで昼食。鈍行列車であるが釜田から車内販売員が乗車していて、ジュースを買う。
12:53、栄州(ヨンジュ)着。ここから先は韓国国鉄では珍しい電化区間となる。機関車が電気機関車に交換される。車内販売員もここで交代となった。
今まで、ひたすら盆地のような農村地帯を走ってきたような感じであったが、栄州からは低いながらも山間部を走るようになった。鉄道と川に絡み合うようにして走る高速道路が目障りである。
山から抜けて、14:28、堤川(ジェチョン)着。ここでは降りる客の方が多く、全区間の中で一番すく(それでも半分くらいは席が埋まっている)。朝、始発駅に近い海雲台から乗ってきて、私の前の方の席でひたすらビールを飲み続けていたおっさん4人組もここで降りた。
堤川からしばらくは大貨物ターミナルがあり、唯一の複線区間となる。途中にその名も堤川操車場という駅がある。その次の鳳陽(ポンヤン)からまた単線。
この先、3駅立て続けにムグンファ号とすれ違ったり、追い抜かれたりするため7分、9分、9分と停車する。どれも町から外れた静かな駅で、ホームを歩き回っていた(車掌もそうしていた)。
静かな小駅で発車を待つ
16:02、原州(ウォンジュ)着。ここからまた客が乗ってくる。原州からはまたやや山間部を走るようになる。
16:41、楊東(ヤントン)から通学の高校生が多く乗ってくる。この区間には鈍行トンイル号が1日3本しか走っていない(しかもこれが上りの最終である)ので、不便な通学だと思う。彼らは3駅ぐらいで全員降りた。
17:26、元徳(ウォントク)着。ここですれ違うはずの下りトンイル号が遅れていて、8分遅れで出発となる。
17:41、楊平(ヤンピョン)着。沿線にあるソウルまでの最後の大きな町である。またかなり混み合ってきた。
このあたりから、広い川(漢江の支流)に沿う景色のよいところを走ることが多くなる。
いい眺め
18:20、綾内(ヌンネ)信号場。この先にダムがあり、またしばらく谷間の景色のよいところを走る。ちょうど正面から夕日が差し逆光になって余計よい眺めになっていた。
18:37、徳沼(トクソ)。ぼちぼちソウル市内が近づいてくる。この先、新線工事をやっていた。
18:44、陶農(トノン)。もう完全にソウルの市街地に入る。最近、ソウル近郊の鉄道線はことごとく沿線に防音壁が立ってしまって景色がよく見えないのだが、ローカル線の中央線においても例外ではない。
そして19:00、定刻より7分遅れで夕暮れの終点清涼里(チョンニャンニ)着。
早朝から12時間半以上も乗り続けてきたのだが、なんだか終わってみればあっけないような気もした。
列車から最後に降りると、行先標が早くも「清涼里→釜田」に変わっていた。この車両は毎日この区間を往復しているらしい。
9ヶ月ぶりのソウル
清涼里駅は、東京でいえば上野駅のような位置づけの駅である。とはいっても駅自体は町の中にあり、駅前もにぎわっている。
清涼里駅
ここから地下鉄の乗って市庁舎近くの今日のホテルに向かう。
今回で早くも4回目のソウル、しかも今日のホテルは9ヶ月前3泊したところなので、清涼里駅からホテルまで、路線図も道順もだいたい頭に入っている。へたな日本の都市よりよっぽど詳しいと我ながら思う。
地下鉄1号線に乗って市庁駅で降り、19:35ごろホテルに着いた。
今日は朝も昼もコンビニののり巻きとおにぎりだったので、この時点でかなりおなかが空いていて、ホテルに荷物を置くとすぐに出かける。
向かったのはホテルから歩いて10分くらいのロッテ・デパート。あわよくばおみやげも買いたいな、という魂胆であったが、デパートそのものは19時半閉店で、余裕でアウト。ただし9階と10階のレストラン街はまだ営業していて、そこへ行く。
さすがに大免税店があって日本人にもおなじみのデパートだけに、このレストラン街にも日本人が多い。その割に私の入った店のメニューはハングルしかなかったけど。私はその店で山菜ビビンバを食べた。
定番ですね。
その後、ソウルに着いたらぜひ行こうと思っていたところへ向かう。その場所というのは、日本語が使えるPCバン。日本よりもインターネットが発達している韓国では、大きな街に行くと「PCバン」という店(日本でいえば「インターネットカフェ」を実用本位にしたような感じ?)をやたら見かける。中には日本の言語が使える店もあり、私の持っているガイドブックにも載っている。その中の今いるロッテ・デパートから一番近くにあると思われる店が、地図で見ると歩いて10分くらいのところにある。
その店は地下鉄の鐘閣(チョンガク)という駅の近くにあり、大通り沿いにあるのだが看板が小さかったので1度前を通り過ぎてしまう。絵に描いたような雑居ビルの5階で、ビルの入口はかなりあやしい雰囲気だったが、5階に行ってみるとパソコンが20台くらい並んでいるフツウの店であった。
店員は学生アルバイトみたいな感じで、客層もゲームをしている地元の学生のような人がほとんど。ここでいくつかのホームページを覗いたりBBSに書き込みをしたりしていた。
ホテルには21:40頃戻る。今日は朝が早かったので、さすがに疲れた。