ネパール王国編

旅行第2日目 その3

テンプー(リクシャー)

帰りは、めんどくさいから入口に停まっていたテンプーに乗って市内に戻る。

テンプーとは、3輪のオートバイに黒い幌をつけた乗り物で、ガイドブックには「テンプー」と書いてあったが、「リクシャー」と呼ぶ人もいた。ちなみにそのガイドブックには「リクシャー」とは3輪自転車のことと書かれてあった。

さてこの乗り物、3輪オートバイの後部座席に乗るわけで、もともと乗りごこちはあまりよくない上に、道路事情は悪いし運転は荒っぽいしで、かなり強烈な乗り物である。しかし、万国どこでも乗れるタクシーよりも、こういうところでしか乗れなくて、いかにもこの国らしい乗り物であるということで気に入ってしまい、できる限りタクシーよりも利用した。値段もタクシーより安い。タクシーだと、案内してやろうかだとか何だとかいろいろ誘われて、断るのが面倒だが、テンプーの場合うるさくてそういう会話ができないのもありがたい。

タクシーもそうだが、料金はほとんど交渉制である。メーターは付いているが、それを使ったのは1回だけであった。だいたい向こうの言い値とこちらの希望の中間で値段が決まることが多い。はじめはその値段が高いのか安いのかよくわからなかったが、何度も利用するうちに相場というのがわかってくるのだった。1回だけメーターを使った時も、結局交渉したのと同じくらいの値段であった。

 

カトマンズ市内その2

テンプーでさっきのチェトラパティまで戻る。ここからはひたすら歩く。

降りたところから、まっすぐ南下していく。このあたりは、いかにも地元の人を相手にしているような、味わいのある日用品店や食料品店が並んでいる。そのいずれもが建物の外も中も黒っぽくて、電気というものをつけないので、内部が非常に暗い。写真を撮りたくてもこれでは写らない。フラッシュをたくのは失礼だし。

そんなところを15分くらいぶらぶら歩いていくと、ダルバール(旧王宮)広場に出る。広場そのものは、いろんな建物(その多くが寺院)が不規則に建ち並び決して広くないが、露店なども多く出て非常ににぎわっている。その中のシバ寺院というのが小高いピラミッドのようなものの上にあり、そこに登って広場の様子を眺める。だた眺めているだけでもすぐに時間がたってしまうようなところであった。



ダルバール広場周辺
 

ダルバール広場からはこんどは東の方にのびるニューロードという通りを歩く。こちらは車も通るようなやや広い通りで、電気店など、大きな店もある。

時差の関係で小腹が減ったので、通り沿いのパン屋で大きなお金をくずすのを兼ねて大きめのドーナツのようなものを買って食べる。500ルピー札を出して、ごちゃごちゃとたくさんお釣りが帰ってきて、その場ではいくらだかわからなかったが、あとで計算したら23ルピー(40円弱)であった。 この通りの突き当たりがカンティ・パトという一方通行で4車線という交通量の多い広い通りである。車、テンプー、そして白い車体の電動乗り合いテンプーが、ごちゃごちゃとかなりのスピードで走っている。それでも信号というものがないので、地元の人はすきを見ては走って道路横断する。

なお、このカンティ・パトには数カ所だけ歩道橋と「サブウェイ」と呼ばれる地下道があった。この地下道はちょっとデンジャラスな雰囲気。



カンティ・パト

 

停 電

夕方近くなり、タメルにある雑貨屋に入って非常食のビスケットでも買おうとしていると、いきなり停電になる。

予備知識として停電はかなり頻繁にある、と聞いていた。このときも、停電になるや各店では自家発電機を回したりろうそくをつけたり、手慣れた様子で迅速に対応する。

停電が復旧しないうちに日が暮れて、暗くなった。ネパール初日の夜を電気がない状態で迎えたわけである。念願叶ってヒマラヤのふもとの国に来て、そして電気がないなんて逆に情緒があり、これだけでもなんだか妙に来た甲斐があった、なんて思ったりする。

ちなみに、今日は停電したのが6時ちょうどくらいで、復旧したのが7時半ちょうどくらいだった。ひょっとすると、事故ではなくて計画的に停電させているのかも知れない。

 

チベット料理

今日の夕飯はチベット料理の店に入った。この時点でまだ停電は続いており、この店ではテーブルごとにろうそくが置いてあって、かえっていい雰囲気である。

メニューにはいろいろ料理が書いてあったが、今回は初めてなので、ガイドブックに書いてあったスチームドモモと、テゥクパというものを注文した。

最初に出てきたテゥクパは、要するに麺類で、見た目はラーメン、食感はつなぎの入ってないそば、味はこくのある塩味。それほど違和感なく食べられる。

それに対してモモというのは、見た目大きめのギョウザを蒸した(だから「スチームド」なんだけど)ようなもので、皮は分厚くて中身は水牛の挽肉を固めたものが入っていて、脂っこい。そしてそれに付いてくる醤油のようなものは辛くて、これも脂っこい。10個も出てきたので全部食べるのがけっこう大変であった。

 

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