ネパール王国編
旅行第3日目 その2
パタン
タメルから20分ほどでパタンの中心ダルバール広場に着く。カトマンズにも同じ名前の広場があった。ここも広場の敷地の中にいろいろ寺院があって、広場としては狭い。
お昼を過ぎて腹が減ったので、めし屋を探す。ちょうどその広場に面した3階建てのレストランがあったので入る。すべてのフロアーと屋上にもテーブルがあったので、屋上の広場を見下ろす位置に座る。見下ろすと言ってもちょうど2つの寺院にはさまれて、広場を一望はできない。
ここではダルバートというネパールの定食を食べる。ネパール料理とはほとんどこの1種類しかないと言っていい。詳しくは、この日の夕飯で本格的に食べたので後述する。
食後、レストランの向かいにある旧王宮の一部を使っているパタン博物館に入る。それから、その周辺を、あてもなく歩き回る。このあたりは、車も入って来れなそうな細い路地が入り組んでいて、地域の生活の場に紛れ込んだような感じになる。ガイドブックにはいろいろ見所が書いてあったが、それよりもこういうところを歩いている方が楽しい。
パタン・ダルバール広場
パシュパティナート
パタンからまたタクシーに乗って、パシュパティナートへ行く。位置的には空港の近くである。
昨日行ったスワヤンブナートが仏教寺院なのに対して、こちらはヒンズー教寺院。ガンジス川の支流(カトマンズに流れている川はみんなガンジス川の支流なんだけど)の周りに、いくつもの寺院が集まっている。その中心パシュパティナート寺院はヒンズー教徒以外立入禁止なので近寄れないが、そこからお経の大合唱が聞こえてくる。
そしてこの川に沿って火葬場(それもオープン形式)が並んでいる。私がいたときには黄色い布をかぶせた遺体が2体あって、そのほか実際火葬している火葬場もあり、白い煙がたなびいている。たぶんその灰を川に流すのだと思われる。あまり気持ちのいい光景ではない。
そこから裏山に参道のような道がある。歩いていくと、その道沿いには仙人みたいな人たち(ガイドブックには修行中のサドゥーと書いてあった)が簡易的なテントを張ってたくさんいる。そのうちの1人が、「ここを曲がると眺めのいいところに行くよ(英語だった)」と教えてくれたので、行ってみると、小高い丘の上からパシュパティナート周辺(もちろん火葬場も)が一望できるところであった。中に入れないパシュパティナート寺院の内部ものぞき見られる。そこのベンチで少し休憩。
さらに裏山の方へ。木がうっそうと茂った中に、寺院が点在している。ただ寺院というよりかは古い民家という感じで、軒先には洗濯物が干してあったりした。裏山を通り過ぎて、再び川沿いに出てきたところに、またヒンドゥー教徒以外立入禁止の寺院があり、ここで折り返す。この裏山を歩いているとき、にわか雨が降ってきて、逆にいい雰囲気を出していた。
パシュパティナート一帯
ボダナート
パシュパティナートの近くに市場があり、その近くにタクシーのたまり場があった。そこから再びタクシーでボダナートへ向かった。さっきからテンプーを使いたいのだが、なぜか1台もない。
タクシーは裏道をくねくね走り、車通りの多い大通りに出てすぐのところで停まる。「ここだよ」「えっ?」という感じで降りる。一見2~3階建てくらいの建物が並ぶふつうの通りである。
それらの建物に囲まれるようにゲートがあって、そこをくぐるとすぐ目の前に巨大なストゥーパが現れる。今朝乗った飛行機からも、このでかいストゥーパはよく見えた。
ストゥーパの周りは時計回りに回る規則になっているらしく、巡礼者も観光客もみんな時計回りに歩いている。その周りを取り囲むようにみやげ物屋や巡礼者用の仏教用具の店などが並ぶ。
ふつうストゥーパはお椀をかぶせたような形をしていて、そのてっぺんにブッダの目が書かれている正方形の塔があるのだが、ここのはその丸い層が4層になっていて、上から2番目の層まで登ることができる。そしてその上でもやっぱりみんな時計回りに歩く。
それからそのステゥーパの裏の方に続く道を歩いてみた。お寺や商店などが並んでいたが、ふつう観光客は来ないところで、俗化されていなくてごくふつうの市民の生活の場であった。
ボダナートとその周り
インターネット屋
日の入りが近くなり、タメルに戻る。
タメル地区でみやげ物屋に次いでよく目にするのがインターネット&Eメール屋である。本当に数多い。こんなに多いのならEメールのアドレス帳を持って来りゃよかったと地団駄を踏んでいた。
辛うじて2人のアドレスを覚えていたので、ある店に入る。たまたま入った店ではアルファベットだけでなく日本文字とハングル文字も使え、日本人と韓国人にとって便利である。
料金はパソコンを利用した時間あたりいくら、というもので、たしか30分くらい使って81ルピー(約150円くらい)であった。国際電話をかけるよりも大幅に安い。
ダルバート
今日の夕飯は昼に引き続いてネパール定食ダルバートを食べることにした。
行ったのはタメルの中心部にあるラスクスというレストラン。ガイドブック(地球の歩き方)の最初に書かれている店で、そのせいでか店の半分を占めるダルバート専用のコーナー(座敷になっている)の客はすべて私のような日本人の1人旅もしくは2人グループであった。
ダルバートとは簡単に言うと、ダル(豆のスープ)や、炒めた野菜やカレーなどのおかずが数種類と、それにご飯が付くというもので、ご飯とおかずがひとつの皿になるか別々になるかは店による。またおかずも店によっていろいろあるのだが、少なくとも豆のスープ(ダル)とご飯(バート)は必ずつくのでダルバートということらしい。
この店では前菜として豆の粉のパンケーキ(ネパールで「ウォー」という)とゆでた豆と生野菜数種類が出てきた。ウォーは関西風お好み焼きに似てなくもない。生野菜はこちらの水で洗っただけのような感じで不安であったが食べてもその後何でもなかった。
メインで出てきたおかずは、なんかどこかで食べたことのあるようなものばかりで、まったく問題なく食べられる。豆のスープ・ダルだけは、日本にはない味と食感であったがこれも全然問題なし。ちょこっとずつ多種類のおかずが食べられるので、毎回食べても飽きが来ないような気がする。
それにしてもこの店は全部の食事が出てくるのに時間がかかり、2時間以上も店にいた。
ダルバート盛りつけ例