ネパール王国編

旅行第4日目

ポカラ行きのバス

翌日は、カトマンズから約200kmほど離れたポカラという町へ向かう。飛行機で行けば30分ほどであるが、できるだけネパールを見たいという欲から、行きだけバスで行くことにした。バスの切符を購入するときに、「安い方にするか高い方にするか」と言われ、高い方を選んだ。高い(といっても片道1,000円くらい)だけあって快適であったが、ある意味失敗であった。

の乗るバスは朝8時に出発するらしく、7時半までに乗り場に来るように言われていた。7時にホテルを出発し、歩いてその乗り場へ向かう。だいたい10分くらいでそこに着く。

鉄道のないネパールだけあって、カトマンズから国内いろんなところへいろんな会社のバスが走っている。ポカラ行きだけとっても、かなりの本数あると思われる。で、私の乗るグリーンラインという会社のバスは、その中でも最高級らしい。旅行会社はえらいバスを手配してくれたもんだ。

時間がたつにつれて、続々と客が集まってくる。私以外全員欧米人であった。

 

ポカラへ向かう

定刻8時、ポカラへ向け出発。定員34人満席である。バスはドイツ製らしいのだが、よく見るといろいろとガタが来ている。まあ、ネパールの悪路を毎日走っていればガタも来るわな。

30分も走ると、バスは山道にかかる。あとは、ポカラに着くまでひたすら山道を走るようになる。きついヘアピンカーブの峠道もあれば、渓谷の川沿いを走ることもある。渓谷ではラフティングをやっている人たちも見かけた。

ただそんなところでもやはりネパールで、少しでも遅い車があれば抜かしにかかるし、抜かされる。道は、バスや長距離トラックで意外と交通量が多い。

沿道にはときどき食堂や売店が集まっているエリアがある。そんなところではトラックやバスがたくさん停まってにぎわっている。たぶんそんなところで安ダルバートが食えるだろうと期待していた。

ところがこのバスが停まったのは、ポカラまでのほぼ中間地点のマナカマナというところのにあるバス会社直営のリゾート地であった。ここでの食事はふつうのブレックファーストで、客はみんな欧米人なので、ネパールにいるという気分がしなくなる。これがこのバスを選んだ最大の失敗であった。

ここにはポカラから逆にカトマンズに向かうバス、そしてチトワン国立公園に向かうバスが集まっていて、チトワンへの乗り換えの客が多く、バスの客が半分くらい入れ替わる。多少すいて、私のとなりも空席になった。

 



ポカラへ向かうバスの車窓より 

 

ポカラ着

バスはカトマンズから、約1時間の食事休憩を含めて約6時間半でポカラの町に入る。カトマンズと同様、ごちゃごちゃした町である。バスは町の中心を通り過ぎ、ホテルがたくさん集まっているレイクサイド地区にあるバス会社の前で停まる。

ここでまたたくさんの客引きとタクシーの運ちゃんが待ちかまえていて、バスの周りは混乱する。さあ困ったという感じであったが、たまたま予約していたホテルが目の前にあり、その人たちを振り切ってホテルへ歩いた。

このホテルがまたすごいホテルであった。2~3階建てのコテージのようなものが集まったリゾートホテルのような感じで、私のような人間が1人で泊まるのは違和感があるホテルである。

 

レイクサイドその1

ホテルがあるのはペワ湖という人造湖のほとりにある「レイクサイド」という地区の一番はじっこ。ちなみに人造湖であるからダムがあり、その近くには「ダムサイド」というこれまたホテルの集まっている地区がある。

泊まるホテルの周辺は地区の中心から外れているので、静かなところであった。でも道沿いにはレストランやみやげ物屋が並んでいる。長時間バスに乗って多少疲れていたので、そのへんのレストランに入りお茶タイム。「今日のケーキ」とコーヒーを注文する。かなりボリュームのあるケーキであった。

そのレストランの目の前に貸し自転車屋があり、自転車を借りる。その自転車に乗ってレイクサイドの中心部へ向かう。レイクサイドの中心部あたりは、一本道を挟むようにみやげ物屋、レストラン、ホテルが建ち並び、それなりににぎわってはいるが、どことなくのんびりした雰囲気である。

その道をさらに先に進むと、一転してのんびりした湖畔の農村地帯となる。ほんと、絵に描いたような田舎の風景である。今まで喧噪と混乱のカトマンズにいたから、ホッとするような気分になる。そんな風景の中、のんびりと自転車をこぐ。こういう時は本当に時間というものを忘れる。キリがないから湖が尽きるところまで行って戻る。早くも夕方で暗くなってきた。



レイクサイド地区の中心部




そこを過ぎるとこういう景色になる。

 

初インド料理

今日の夕飯は、借りた自転車屋がやっているレストランに入った。ネパール料理はほとんどダルバートしかないが、チベット料理とインド料理は種類も多い。で、今晩はインド料理にしてみる。インド料理ったって、ほとんどカレーばっかりなんだけど。

注文したのは「チキンキーマカレー」といって、要するに挽肉が入ったカレーであった。ここに限らず、食べているとウェーターが「うまいか?」と聞いてくることが多い。

余談だが、ネパールに来てほぼ毎食ごとにコーヒーを飲んだ。通常メニューは「コーヒー」と「ミルクコーヒー」が分かれていて、ミルクコーヒーを頼まないとミルクがつかない。そのミルクは本物のホットミルクで、ネパールではクリープのようなもの自体存在しなかった。しかもコーヒーはカップ単位でなくポット単位で出てくることが多く、1人ではとても飲みきれない。

 

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