ペルー共和国とボリビア共和国編

旅行第2日目その1

翌朝再び空港へ

翌朝6時頃、目が覚める。私が寝ている客室は2階にあるのだが、下の方から演歌が聞こえてくる。起きてきてわかったのだが、1階のロビーみたいなところにテレビが置いてあり、NHK国際放送が映っていて、時間的に日本の夜8時、つまりNHK歌謡ショーの生放送を宿のおじさんが見ていたのであった。
そのロビーは中庭に面していて、窓は開け放たれ、外ではたくさんの鳥がさえずっていて非常に開放的な空間であった。
なんか、「ペンション・カンツータ(宿の名前)」に泊まったというより、早内さん宅におじゃました、という感じである。

6時半、朝食。ご飯、漬け物、目玉焼き、みそ汁等々、典型的日本の朝食。こんな地球の裏側まで来てこういう食事ができるのは、ある意味ありがたい。約1週間後、再びこの宿にやって来るまで、まったくこういう食事とは縁がなくなるのである。

7:15、なんだか名残惜しいが、宿を出発、空港へ向かう。
早内さんは、昨夜はビシッとスーツを着ていて旅行会社の社員らしかったが、今朝はセーターにジーパン姿なので、そのへんの兄ちゃんのようである。

空港へ向かう道は昨夜とうって変わって交通量が多かった。空港へは郊外方向なのでまだ流れているが、その反対の町の中心方向への道は渋滞していた。朝のラッシュのようである。

空港の手前で検問みないなものに引っかかった。早内さんによると、抜き打ちの排気ガスの検査とのこと。リマでも大気の環境について結構やかましくなったようなのだが、基準を満たしている車なんかほとんどないそうで、罰金刑が待っているらしい。ということは、この運転手さんはかわいそうに罰金を払ったようなので、あとでチップという形で補填してあげた。

 

リマ空港国内線ターミナル

7:35、ホルヘ・チャベス空港着。建物の向かって左側が国際線、右側が国内線で、今日は国内線ターミナルに用がある。



ホルヘ・チャベス国際空港
手前側半分が国内線ターミナル
 

ターミナルビルの前で写真を撮ったりしている間に運転手さんが搭乗手続きをしていてくれた。

今日の目的地、クスコの空港は誘導無線装置がなく有視界飛行だという噂がある。事実関係は確認できなかったが、それと気象条件が絡んで午前中、それも早朝に出発便が集中するダイヤになっている。私が乗る飛行機は、そんな中では遅いほうの便である。
そういう危なっかしい路線なのだが、欠航になることはほとんどないらしく、早内さん曰く「最近では8月に1回だけ欠航になりました」という程度だそうである。

それから空港税を払うカウンターへ。ガイドブックには「12ソーレス or 4ドル」と書かれていたが、実際にはドル建ての場合はその日のレートによって金額が変わるようで、今日は3.49ドルくらいであった。まだペルーの通貨に両替していないので、5ドル札を出したら、5.20ソーレス返ってきた。

ちなみに、ペルーの通貨は「ソルs/.)」。s/.2以上になると複数形の「ソーレス」と呼ぶようになる。1ソルの100分の1が「センティモ」。現在のところ1ソルが約34円くらいで、「3ソーレスで100円」という覚え方をした。

その後早内さん、運転手さんと別れ、搭乗口へ。国内線の搭乗ロビーは長方形で、そこに5つぐらいの搭乗口がある。私が乗る飛行機はその突き当たりの11番搭乗口であった。

国際線ターミナルと同じく、国内線の方も平屋建てなので、搭乗口を出ると目の前が駐機場で、そこに飛行機が停まっている。飛行機が建物にぶつからない程度にすれすれまでやって来るので、結構エンジン音がやかましい。

ペルーの航空会社はいくつかあるが、最大手は「アエロ・コンチネンテ」で、その飛行機が空港内にやたらたくさん停まっている。一方、私が乗る飛行機はその関連会社の「アビアンティーナ航空」である。日本で例えれば、アエロ・コンチネンテはさしずめ全日空で、それに対するアビアンティーナ航空はエアーニッポンということになろうか。

 

クスコへのフライト

しばらくすると、そのアビアンティーナ航空の飛行機が11番搭乗口の目の前にやってきて、9時に搭乗が始まる。
なぜか9:20発のアエロ・コンチネンテのクスコ行きの搭乗口も11番で、間違える客が続出し、搭乗口は少し混乱した。

この飛行機の機種はボーイング727。席は後ろから2番目の窓際なので、最後部(本当に機体の一番うしろ)のタラップから機内に入る。席は7割方埋まっていた。



アビアンティーナ航空 ボーイング727
クスコ空港にて
 

9:13出発、20分離陸。すぐに雲につっこむ。この時期のペルーの気候ははっきりしていて、リマを含めた海岸線は曇り、アンデスの山岳地帯は晴れ。しばらく雲の上を飛ぶと、やがて雲がとぎれて山並みが見えた。

9:45、おやつ。サンドイッチとケーキの入った箱が配られる。飲み物は、いろいろある中から「インカコーラ」なるものを試飲してみる。この飲み物、ペルーでは結構人気らしく、黄色くて味は「マウンテン・デュー」を濃くしたような感じ。いわゆる「コーラ」とはちょっと似つかない。

やがて山々の間の盆地のようなところにクスコの町並みが見えてきて、その上空を1回かすめ、180度回転して、10:09クスコ空港に着陸する。有視界飛行説のある空港で、どんなところかと思ったが、ターミナルビルはリマよりも近代的で、飛行機と直結するアーム状の通路もあった。

 

2日目その2へ    目次に戻る