ペルー共和国とボリビア共和国編

旅行第3日目その3

アグアス・カリエンテスにて

アグアス・カリエンテスに着いて、バスを降りたところから駅までの間の道沿いにあるレストランで昼食をとる。このレストランはバイキングであった。
どうもこの国では、普通のレストランというとメニューは肉か魚のステーキばかりで、早くも食傷気味なのだが、バイキングだとそういうこともない。セビッチェのような、日本人の口に合うようなものもあって、おいしく食べた。

さてこのレストランの前にある、人通りの多い通りの真ん中を線路が通っている。
クスコからやって来た鉄道は、アグアス・カリエンテス駅が営業区間の終点なのだが、実は線路はさらに先に続いていて、かつてはさらに60qほど先のキャバンバというところまで行っていた。現在は不通区間があって営業休止状態なのだが、途中に3角線があって、バスのように車両の片側にしか運転台のないアウトバゴンなどが、そこまで行って折り返してくるようになっている。レストランの前の線路はまさにその区間なのである。



町の真ん中にいきなり線路
 

ちなみにこのように鉄道路線がメインストリートのど真ん中をぶち抜いている光景は、この国では珍しいことではないようで、2日後に行くフリアカもプーノも同じような感じであった。

 

アウトバゴンその2

マチュピチュからの帰りも、さっきの折り返しのアウトバゴン。先頭からしっぽまで完全に満席である。



アグアス・カリエンテス駅
この手前にフェンスがあって入場をチェックしている
 

15:00、定刻通り発車。往路は車内の客がけっこう騒がしかったが、帰りはみなさんお疲れなのか寝てしまう人が多く、比較的静かである。今までずっと日なたに停まっていたのか車内が暑くて、窓も上3分の1しか開かない(空調などない)のでなかなか涼しくならない。



車内の様子
 

列車は、さっき来た道を戻るわけで、ウルバンバ川に沿ってひたすら登りである。ただ、車両が比較的新しいのと、登りがそんなに急でもないせいもあって、走りは行きとあまり変わらない。でも朝見た旧型ディーゼル機関車だったらけっこうしんどいかも知れない。

16:20、朝乗ったオリャンタイタンボ駅に着く。この駅で半分以上の客が降りてしまう。行きもここから乗った人は多かった。ということは、マチュピチュとウルバンバ渓谷をセットで観光する人はかなり多いようである(私もそうだったが)。

一方、私は帰りはクスコまで乗る。車内がすいてしまったので、私を含め残った客たちはあいている席に散らばっていき、車内はかなり余裕ができた。ここを境に今まで車内に流れていた民族音楽も止まってしまい、車内販売もなくなる。まだ全区間の3分の1しか来ていないのに、早くもここから先はおまけの区間のようである。

オリャンタイタンボを出てしばらくすると、ウルバンバ方面への廃線となった貨物線が分岐していき、同時に今まで付き合っていたウルバンバ川とも別れて山の中に入っていく。細い谷間をくねくね走りながら、ひたすら登る。途中、2段スイッチバックまである。

1時間以上そうやって走って坂を登り切ると、いきなり畑と牧草地が入り交じった平地になる。北海道の大地を思わせるような雄大な景色である。でも地形的にここはクスコより高く、標高3,800mくらいはあるらしい。それとこれとのイメージがちょっと結びつかない。



これで標高3,800mくらいです。
 

そのうち、夕方6時には日が暮れてしまい、景色が見えなくなってしまう。私も眠くなってウトウトしていると、18:30頃クスコの夜景が一望できる場所に出る。見事な眺めである。
列車は、ここからスイッチバックを4回も繰り返して、町の中に下りていった。町の中心にあるアルマス広場が、右に行ったり左に行ったりしながらずっと見えていた。

 

クスコのホテル

18:58、定刻より18分遅れてクスコのサン・ペドロ駅に着く。今日の朝まで乗っていたワゴン車と運転手さんが待っていた。その車に乗って今日宿泊するホテルに行く。といっても、歩いても10分くらいの距離(翌朝歩いてみた)なので、すぐホテルに着く。フェリペさんは、「じゃ、またあさってね」と言って帰宅した。

クスコの町は世界文化遺産に登録されているので、逆に景観にはうるさいようで、このホテルも周りの建物群に完全にとけ込み、よく見ないとホテルであることに気がつかない。このホテルは2階建てで、中央に吹き抜けの中庭のような作りのロビーがあり、ほとんどの部屋が外ではなくてこちらの方に面していた。

今日はさすがにくたびれたし、洗濯もしたかったので、夕食は外には出ずにホテル内のレストランで済ませてしまう。ホテル代に夕食代は含まれていないはずなのだが、なぜか食事代はタダだった。

その後、部屋でじゃぶじゃぶお洗濯。テレビをつけて、チャンネルを適当にまわしていたら、なんとNHK国際放送が映ってびっくりした。時差が14時間あるので、夜10時から正午のニュース。やはりニュースは日本語の方が全然理解の度が違うのであった。

 

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