ペルー共和国とボリビア共和国編

旅行第6日目その1

早朝のプーノ市内

 朝、6時頃目が覚める。軽い頭痛がする。典型的な高山病の症状だと思う。

プーノという町には昨夜着いて今朝早くも出発してしまうので、少しは散歩してみようと思う。「軽い頭痛は散歩すれば良くなる」ともガイドブックに書いてあった。



散歩に出かける前、ホテルの部屋から撮った写真
ちょうどチチカカ湖に背中を向けているような感じです
 

今日も早朝から猛烈な良い天気。日差しも強い。ただし朝のうちは寒い。
ホテルから、昨夜降り立った駅の方向に向かう。途中ピノ広場や中央市場を通りかかる。町そのものはさすがにまだ早朝で人通りも少ないが、中央市場はにぎわいはじめていた。
昨夜着いた駅は、道路沿いの塀に囲われた中にあり、昨夜の雰囲気を覚えていないと見過ごしてしまいそうである。幅1mくらいの出入り口と、小さな看板だけがあった。

それにしても、いくら歩いても頭痛が治るどころか、だんだん息苦しくなってくる。爽快な早朝の散歩のはずが、苦行のようになってきた。
どうもプーノという町には、昨夜といい今朝といい、出歩くと息苦しくなるという印象しかない。まあ富士山頂よりも高いところだからしょうがないか。

30分ほど散歩して、やっとのことでホテルに戻り、フロント前のソファーで深呼吸をゼーゼーしていると、昨日の一件で顔を覚えられていたフロント係の人が勝手に酸素ボンベをもってやって来た。ということで、思いがけず酸素吸入となった。
まあこれもあとあと話のネタになるかな、と思ったが、いったいどのくらい効果があるのか実感がなかった。

頭痛はちっとも治らなかったが、少なくとも呼吸は元に戻ったので、レストランに朝食を食べに行く。すでにフェリペさんは食べ始めていて、「なかなか来ないから寝坊したかと思いましたよ」と笑っていた。

 

チチカカ湖畔ドライブ

今日の予定はプーノからチチカカ湖沿いに国境を越えてボリビアに入国し、湖を横断して、その後ボリビアの首都ラ・パスに向かう。
このコースでいくつかの地元旅行社が「定期観光ツアー」を組んでいて、今日はそれに便乗することになる。

その定観ツアーの車が7:40にホテル前に来るという。たぶんどこかのバスターミナルへの送迎車だろうと思っていたら、バスそのものがやって来た。
40人くらいは乗れる大型バスであったが、先客が2人。ここから私とフェリペさんの2人。今日の客はこの4人だけらしい。
ガイドはフアナさんという女性で、スペイン語の案内。先客の2人はメキシコから来たおばちゃん2人組で、スペイン語で問題ない。私にはフェリペさんが通訳してくれる。

バスはプーノの町を抜け、しばらくはチチカカ湖沿いを進む。
「チチカカ湖」というと神秘的な響き、というかイメージを持っていたが、実際に来てみれば天気がいいせいもあって明るい海のような湖である。面積的には琵琶湖の12倍、瀬戸内海とほとんど同じ大きさらしい。そんな大きな湖が標高3,812mなんていう高所にあるのである。



バスの中から撮ったチチカカ湖
 

湖沿いには畑が多い。プーノ周辺では気候的に霜が降りやすくて耕作に適していないのだが、湖畔だけはその湖のおかげで霜が降りにくく、そこだけ畑作が行われているらしい。

また、町もいくつかある。どれも結構大きな町である。
バスはそのうちのひとつ、フリという町のアルマス広場に立ち寄った。ちょっとその周辺を適当に散歩したが、非常に静かな町である。

バスはさらに進んでポマタという町のアルマス広場にも立ち寄った。ここではカテドラル(広場に面して必ずある教会)内部も見学する。基本的に見学無料であるが、一応「心付け」のようなものがあって、1ソル進呈した。



ポマタのアルマス広場周辺

 

ペルー・ボリビアの国境越え

ポマタから約20分走って、10:20、ボリビアとの国境地点に着く。

道の行く手にドーム状になった国境のモニュメントが見える。その手前100mくらいのところにイミグレーションがあり、ここで出国審査を受ける。
イミグレーションの前に両替商がいて、ペルーの通貨・ソルからボリビアの通貨・ボリビアーノへの両替をしている。私は後日再びペルーに戻ってくるので、ここでは両替しない。



ペルー側のイミグレーションの建物
 



上の写真付近から撮った国境
(丸くなっているところが国境です)
 

そこから歩いて国境を越え、ボリビアに入国する。100mくらい行ったところにボリビア側のイミグレーションがあってここで入国審査。事務的だった出国審査と比べれば、つっかかってている人がいて長い列ができていた。でも私は何も聞かれず、やっぱり事務的に終わってしまった。



こちらはボリビア側のイミグレーションの建物
 

ペルー側のバスはさっきのところまで。ここからはワゴン車みたいな車に乗り換える。この車、どうやら国境から最初の町・コパカパーナまで往復しているタクシーのようだ。でも定観ツアーガイドのフアナさんはそのままついてくる。

 

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