ペルー共和国とボリビア共和国編

旅行第8日目その1

早朝、空港へ

8日目。今日は朝の飛行機に乗ってボリビアを出国し、ペルーのリマに戻る。

それにしても今日の日程はすさまじい。今日の深夜には再びペルーを出国して帰国の途に着くのである。
つまり突然だが実質今日が滞在最終日。なんでこんな日程にしてしまったんだろう。

飛行機の出発時刻は定刻で8時半。国際線であり、しかもテロの余波で空港での警備が厳重であることを考えて、ホテルの出発を5時半にした。

今まで時差ボケと高山病で、目覚ましをかけてもその時間より大幅に早く目が覚めてしまっていた。昨日あたりからようやく体も慣れてきて、やっと目覚まし時計の必要性が出てきたころ、なんと目覚まし時計が壊れて止まってしまった。何とも皮肉である。

腕時計のアラームだけで無事4:45ごろ目が覚め、余裕を持って5:15ごろロビーに降りる。フロントには誰もおらず、ホテル入口の鍵も閉まっていた。

今朝は、地元の島旅行社という会社の、レオナルドさんという人が来ることになっている。しばらくすると、ある人がタクシーに乗ってやって来て、入って来ようとしたので鍵を開けてあげる。その人がレオナルドさんだった。フルネームが「レオナルド・ウエゴー・ヴァルガス」さんという日系人で、祖母が上郷さんという日本人なのだそうだ。風貌がケイン・コスギに似た青年である。

さらにしばらくすると島旅行社のフランクリンさんという人が車を運転してやって来て、その車に乗ってホテルを出発。

谷の底で平地のないラ・パスに空港を作れる場所があるわけがなく、空港は谷の上、2日前通ったエル・アルトという町にある。従って車はひたすら坂道を上がっていく。まだ夜明け前で車通りも少ない。坂を登りきるとそこから先がエル・アルトで、町境に必ずある料金所を通る。

 

ラ・パスの国際空港

ホテルから約15分、5:40にエル・アルト・ケネディ国際空港に着く。標高4,082m世界最高所にある空港である。



エル・アルト・ケネディ国際空港
 

これから私が乗るのは地元・ボリビアーノ航空のリマ行き。出発が15分遅くなって8:45に変更になっていたことがここでわかる。

出発ロビーにあるボリビアーノ航空のカウンターは国内線・国際線それぞれ1つずつしかなく、この時間でも結構な列ができていた。国際線カウンターでは、リマ行きの他に、ブエノスアイレス、サンパウロ、リオデジャネイロなどへ行く飛行機の搭乗手続きが行われている。改めて私がいま南米にいるんだなあ、という実感がわいてくる。



空港の出発ロビー
搭乗カウンターに長蛇の列ができてます
 

搭乗手続きが終わると、カウンターの背後側にある別のカウンターで空港税$25を払い、その証明となるシールを航空券に貼る。それが済むと、レオナルドさんとフランクリンさんは「それじゃお気をつけて」と言って帰っていった。これだけのために、こんな早朝からご苦労さんである。

さて、ここで朝食をとることにする。この空港は日本の地方空港くらいの規模しかなく、ターミナルビルも2階建て。飲食店は1階に喫茶店が1軒、2階にレストランとバーガーキングしかない。手頃なところでバーガーキングに入る。メニュー的には日本とあまり変わらない。

バーガーキングは建物の滑走路と反対側にあり、食後滑走路側の方に歩いていってみると、滑走路の見える一角がある(展望デッキではなく、あくまで「たまたま滑走路が見える一角」)。
ちょうど、6:55発のマイアミ行きのアメリカン航空機が出発していくところで、離陸するところを見ていた。
ところがここは標高4,082m。浮力を得るための滑走距離が異常に長く、滑走路の出発地点と離陸地点がこの場所からは遠すぎて見えないのであった。

ちなみに、この空港には飛行機の整備場のような設備が見あたらない。飛行機の運航ダイヤを見ても、ここではなくサンタ・クルスというところが中心となっていて、整備もそちらで行っているようだ。
このサンタ・クルスはラ・パスから一転して標高437mという低地にあり、ボリビアで一番人口の多い町。人口2番目の町が首都ラ・パス(つい最近追い抜かれたとのこと)で、3番目が今いるエル・アルトである。

 

ボリビア出国へ

普通の空港では、手荷物検査場や出国審査などは行先に関係なく共通で、その先で搭乗口が分かれている。
しかしこの空港ではこれらも搭乗口ごとに分かれていた。

リマ行きの飛行機が出るのは2番搭乗口。搭乗カウンターに向かって右側に入口がある。
ちなみに4番搭乗口は同じく向かって左側にあったが、他の搭乗口はどこだかわからなかった。標高が高いので、それらを探すほど動き回れない。



2番搭乗口の専用入口
まだ出国や手荷物の審査が始まっていない
 

その搭乗口へも、いつでも自由に行けるわけではなく、出発1時間くらい前まで入るのを待たされるようで、7:45にようやく入口の扉が開き、出国審査と手荷物検査を受ける。ちなみに手荷物検査の前に、個室に入れられてのボディーチェックがあった。この国はコカの原産地でそれを持ち出すことは禁じられているので、そういう類のチェックと思われる。

手荷物検査場を抜けると、搭乗待合室がある。それなりの規模の免税店もある。この空港では搭乗待合室の数だけ免税店があるわけである。免税店の雰囲気はほぼ世界共通で、少なくともここが標高4,000m以上ある場所のような雰囲気ではない。

 

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